O川さんの「田舎暮らしの家」その1 [ ・田舎暮らしの現代民家]
浜自カフェを建ててくれた、ゆめ工房さんについてお話しする前に、
O川夫妻の「田舎暮らしの家」について、まずお話ししなければなりません。
てな訳で、O川さんの家作りをお手伝いさせていただいたエピソードを。
おじいちゃんの「田舎暮らしの家」の翌年(2003年11月)、
友人のO川さんご夫妻から、
「田舎に土地を買った。家を建てたいけど工務店が決まらない」
と相談を持ちかけられました。
よくよく話を聞いてみると、これまた酷い。
O川夫妻が、地元の大手工務店や建設会社に相談したところ、、、
「間仕切りで細々と仕切られていない、大きなリビングが欲しい!」
と要望しても、プランには何故か壁が入っていて、
「この壁要らないんですけど・・・」と再度要望しても
「やっぱり無いと困るでしょ?」
と明確な説明もなく、取り合ってくれない(怒)
「だから、、、要らないんだって言っているじゃん!と怒りモード。
また、「2階にリビングダイニングを作りたい!」と言っても、
「居るんですよね~そういう人、判るんだけど・・・」と鼻で笑われたり(怒)
「どこに頼めば、僕らが建てたい家を建ててくれるんだーーー!」
と怒っていました。
O川夫妻は、特別無理な注文をしているわけではありませんでした。
なので、幾つか条件を示し、それを承知してくれるなら「協力させていただく」ことに。
■O川邸を引き受けるための条件
①施主の権力を振りかざさない。
施主、設計者、施工者は対等な関係でパートナーとならなければならない。
出来たものを、「イメージと違うからやり直して!」はNG。
ただし、施主の要望は可能な限り受け入れる。
僕が、施主の要望を無視して勝手に設計しちゃうなんてことはありえない。
②施主の仕事をしてもらう。
収納量調査、要望カードの記入等は施主にしかできない作業だから。
③職人さんに直接指示を出さない。
現場が混乱するし、責任の所在が不明確になる。
④設計実務は別のスタッフがやること。
勤め人なので設計事務所登録ができない。なので、実施図面作成、契約の立会い、
建築確認や法的検査等を責任持って遂行するために指定する設計事務所と設計・監理契約を
してもらう。
ただし、コンセプトメイク、基本計画部分のまとめと全体の統括は僕が見る。
⑤美味しいコーヒーをたっぷり飲ませて欲しい。
長~い打合せを楽しく過ごすため(笑)美味しいデザートは持ち寄りで・・・
こうして、O川夫妻の「田舎暮らしの家」計画はスタートした。
①~④は同感。各自の立場をわきまえつつ、計画を進めることは
大切なことですよね。
⑤はめちゃめちゃ同感(笑)難題にぶち当たっても、
おいしいコーヒーで一息できれば、よろし◎
by gottu329 (2006-08-06 03:09)
コーヒーは美味しいですよ。
んで読んでいて思ったのですが、私は施主として
注文しなさすぎるのかなぁとw
おまけに、おやつの差し入ればっかりでどっちが客なのか
良くわかんない関係です。
by ゆつき (2006-08-07 13:10)
要望カード、というのが気になりました。
自分のシゴトでそういうの使えないかなぁと。
どんなこと書くものなんですか?
家を建てるときに、収納量調査も、要望カードもなかったですよ…
だから、魔窟に陥ってしまってるのかも!?
次建てるときには、やっぱり浜自カフェさんに頼みますっ!
by JOHN (2006-08-07 16:17)
昨年造った家は、建築士が入った家で、家の中央にシンボ・ツリーを植えるスペースがありました。最初から5m以上の高木を植えるような設計でした。
造園屋と施主を交えて、何度も打ち合わせを行いましたが、「日当たりが悪い」
「5mの木の場合、それ相応に横幅も必要」となって、いまだに施主は木を植えていません。無駄なスペースを作ってしまったのかも知れません。
1~3及び5は全くの同感で、私もこのようにします。
4はやむを得ませんよね。
然るに、1~5全て同感と言うことになります。
by アキラ (2006-08-07 18:57)
●kannkanさん
nice!ありがとうございます。
●hgchさん
コーヒーはお願いした訳ではなかったのですが、そういう流れになりました。
大詰めになると、打合せが4時間を越すようになり、途中でスイーツ休憩。
「このケーキ美味しい!」などとやっているので、長くなるんです。
●ゆつきさん
中間地点のスタバで打合せをしたことも2度ほどありますよ。
無理でも何でも要望を出してもらった方が良いですね。O川邸でも、
「車寄せが欲しい」と言われていたのを思い出し、その機能を反映させることが
できましたから。一発目のプレゼンで、凄く喜んでくれたのが印象的です。
●JOHNさん
要望カードは僕のスタイルですが、要望調書的なものを書くのは一般的ですよ。
設計者によっては、もの凄く膨大な情報を書き止めます。
O川ご夫妻は、「設計者への手紙」と言う形で僕に思いを伝えてくれました。
収納物調査は、施主の仕事です。家中の収納物の寸法を測るので、GWを
使ってエクセルにまとめてくれました。凄い大変なんですよ。
だけど、この収納物調査が後になって大満足をいただくことになろうとは!
是非に!JOHNさんの浜松別邸をやらせて下さい(笑)
●アキラさん
nice!&コメントありがとうございます。
いえいえ、そうじゃないんですよ!植える位なら変な注文じゃないです。
「リビングの中に、床から天井にかけて斜めに丸太を生やしたい!」
と言うものです。イメージは理解できましたが、適当な材木が見つからず
却下となりました(笑)
あとで、建築雑誌を見ていたら、同じことをやった施主さんの事例が紹介されて
おり、驚きました。「これは楽しいよなー!」って思いましたよ。
by 浜松自宅カフェ (2006-08-08 01:43)
こんばんは。
夜も更けてしまいました。
お仕事の色々を片付けていたら、あっという間にこんな時間です。
良いお仕事の仕方をしていらっしゃいますね。
見習わなくては☆
by 勿忘草 (2006-08-08 02:11)
まずは施主の希望を叶える方向でプランニングするのが基本だと思うのですが、「門前払い」する輩がけっこう多いですよね。
そこから、打ち合わせ毎に詰めていき、うまく取り入れられれば最高ですね(^^)
そうそう、仰るとおりお互いやるべきことはやらないと「求める住まい」にはなりませんよね。
by hidenosuke (2006-08-08 07:25)
●勿忘草さん
勿忘草さんこそ、魂のこもった仕事をなさっているでしょう!
見習うのは僕の方だと思います。
●hidenosukeさん
建売なら選ぶだけですが、注文建築の場合、施主の仕事は必須になりますよね。
O川夫妻は、本当によく頑張りましたよ。その成果は、現物のものとなって
いますから。シリーズ全4回でお送りしますね。
by 浜松自宅カフェ (2006-08-09 20:05)