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ある日の浜自カフェ(母と子の朝) [ ・ある日のひなたCAFE]

気象庁が入梅宣言したばかりのある日の朝、店を開けたばかりの浜自カフェに
来店したのは、近所に住む鈴木さとみ、長男京剛(けいご)の親子だった。
さとみは、浜自カフェの向かいにあるコインランドリーの乾燥機で洗濯物を乾かしている間に
浜自カフェで一息入れるために来店したのだった。


さとみが来店するのは今回で3回目なのだが、開店早々と言うのは初めてだった。

カフェ「おはようございます。今日はお早いですね?」

さとみ「ええ、ここのところ雨続きでしょう?洗濯物が乾かないし、何より京剛のわがままに
    疲れちゃって・・・

カフェ「京ちゃんは2歳半ですよね?日に日に自己主張が強くなってきますからね。
    うちも同じでしたから、大変なの判りますよ」

さとみ「判ってくれてありがとう。。。コーヒーをいただけるかしら?
    今日はどっしりとした味のコーヒーを飲みたい気分なのよね」

カフェ「じゃ、フレンチプレスにしてみますか?京ちゃんには、プリンで良いですか?」

さとみ「ええ、それでお願い・・・。」


   *     *     *     *     *     *     *     *


鈴木さとみは丁度3ヶ月前、夫のUターン転職で浜松に引っ越してきたばかりだった。
東京で生まれ育ったさとみは、これまで東京以外での生活経験がなく、
浜松での新しい生活になかなか慣れず、ストレスがたまっていた。
さらに、2歳と言うわがまま盛りの育児にもかなりまいっていた。

 

そんな時、コインランドリーを探していて、偶然にも向かいにある浜自カフェを発見
したのだった。
カフェとしては小さいながらも、緑溢れるその庭の木々を眺めていると心のモヤモヤが
晴れるようだった。
丁度、店が空いている時間帯だったため、浜自カフェを一人で切り盛りしている女性と
色々と話をすることができた。

 

浜自カフェのオーナーも、夫のUターン転職に付き添って浜松に来たことが判り、
即座に親近感を抱いた。
カフェオーナーの女性は、口数こそ多くはないものの、彼女のどこか自然な雰囲気に、
さとみは肩の力が抜ける気がしたのだった。
浜自カフェは、子供が学校に行っている間だけの日中だけの営業だったが、
さとみにとってはそれで十分だった。

 

カフェと言うより木の家のリビングと言う感じの店内に、人の家にいるような空気感にも
ホッとした居心地を感じていた。

さとみにとって、浜自カフェで過ごすそのわずかな時間が子育てのストレスをリセットする
時間になったようだ。


   *     *     *     *     *     *     *     *


さとみ「・・・・・。けい君プリン美味しかった?」

京剛「うん、美味しかったよ~

さとみ「良かったわね。じゃ、ご馳走さま~♪」

カフェ「ありがとうございました。またいらして下さいね」

さとみ「ええ、行こう!けい君

 


今回の話は、まったくの創作です
もちろん、登場人物は架空の存在です。

 

「えっ、もうオープンしたの?」って思われたかもしれませんが、
いつか、ある日の浜自カフェの1シーンを妄想してみました。

もし好評だったら、懲りずにまたやりたいと思います

 


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コメント 22

お?オープンかな?なんて思いましたが^^
どこか 小説チックな文章^^多才ですね~^^

何故そう思ったかと言えば 実際のお客様なら 浜自さんは呼び捨てでは書かないなと思ったからです^^

現実の開店前の 妄想(失礼^^)カフェ
想像するのも楽しいじゃないすか^^
by (2007-06-18 04:18) 

アキラ

最初は、浜自さんの『妹さん』のことかな?と思いながら読んでいましたが、「あれっ!何時開店されたんだろう?」と・・
やはり、バーチャルでしたか?
でも必ずこんなシーンがありそうです。
今後もお願いします。
by アキラ (2007-06-18 09:12) 

plusgate

オープンしたのかと思いましたよ。
でも、そんな妄想は僕も大好きです。
by plusgate (2007-06-18 14:14) 

良いですね 
さとみさんのイメージは 
カフェで 執筆活動をしそうな雰囲気です
by (2007-06-18 22:00) 

浜松自宅カフェ

◆みなさまへ(補足)
 今回の創作記事は、マーケティングトレーニングが主な目的であって、
 企画書に現れにくいシナリオを具現化する練習です。
 とても重要な作業ですので、楽しんでお付き合いいだければ幸いです。
by 浜松自宅カフェ (2007-06-18 22:01) 

浜松自宅カフェ

●dennさん
 流石ですね!ご指摘の通りです。
 営業前のシュミレーションだと思っていただければ幸いです。
 出来る範囲で最大のおもてなしをしたいと思っています。

●カフェオランジュさん
 いつもniceありがとうございます。

●アキラさん
 できるだけありそうな設定を想定するのがミソのようです。
 他にも色々なシーンを想定していますので、また書いてみますね。

●plusgateさん
 建築家って妄想癖ないですか?
 僕のクライアントさんやパートナーは僕の妄想の被害者かも・・・(笑)

●みほさん
 そう!そんな風にイメージへの上乗せをしていただけるとありがたいです。
 常連のお客さんが、将来大成してくれたら浜自カフェの存在意義があったと
 思えるんですよね。そういう方に愛されるお店にしたいと思っています。
by 浜松自宅カフェ (2007-06-18 22:13) 

とても現実的なイメージですね。きっと開店したら、このようなお客さまがいらっしゃるんだろうなと言う感じが良く表れています。続き、期待しています。
by (2007-06-18 23:40) 

やま

だまされたぁ~
なんて思ったけど、実は重要な事だったんですね。
勉強になります。
by やま (2007-06-19 00:26) 

gottu329

アレレッいつオープンしたの?そんな記事はなかったぞ?って思っちゃいましたよ。楽しく読ませていただきました。ブログの違ったカタチを見させていただいたような気がしました。
by gottu329 (2007-06-19 08:39) 

plusgate

たぶんある人が多いですよね。くだらない話で妄想、いや暴走しているときがよくあります。
by plusgate (2007-06-19 10:39) 

浜松自宅カフェ

●eddieさん
 まだまだ妄想はありますよ。一人で「クスッ」としたり。。(←気持ち悪い人)
 なるべくリアリティのあるイメージを引き出してみたいと思っています。

●やまさん
 あまり知られていないことかもしれませんが、重要だと思います。
 R30型スカイラインの開発リーダーである櫻井真一郎氏が、開発コンセプト
 を表現するために『戦場ケ原の稲妻』と言う小説を書いたことは有名。
 そのシーンがとてもリアルだったため、開発スタッフ全員が目的を共有
 できたと言う話は納得感があります。

●hgchさん
 楽しんでいただけたようで何よりです。
 これはやってみると意外に難しいことが判ります。あらすじはすぐに思い
 浮かんだのですが、文字にしていく作業は思いの他難しかったです。
 おっしゃるように、こういう風にブログを使うのは珍しいかもしれませんね。

●plusgateさん
 レス返しありがとうございます。
 設計者の役割の一つが、夢を与えることだと思っています。
 O川さん邸の工事監理の際、現場で相方の設計者と『寸劇』をしたのも
 これに近い行為だったのだと思います。
by 浜松自宅カフェ (2007-06-19 14:11) 

hidenosuke

読み始めて、開店してからの「ある日の風景」だなって、すぐピンときました。
そこに流れるゆったりとした時間と空気。
店主の淹れてくれた香しいコーヒーをすすって、知らず知らずのうちに英気が漲っていく感じ。
そのカフェには払うお金以上の何かがある...

読みながら、自然とその映像が浮かんできましたよ。
続編楽しみにしてます(^^)
by hidenosuke (2007-06-19 17:09) 

浜松自宅カフェ

●hidenosukeさん
 ううぅ、期待が肥大化しすぎているかも・・・。
 店舗面積が凄く狭いのを補うために、サービスのクォリティを上げようと
 思っているんですが、何しろ厨房入れて10坪弱なので。
 しかし、コーヒーやフードには手を抜くつもりは毛の先もありません。
 商品開発頑張らねば!
 続編のアイディアはまだあるのでトライしてみます。
by 浜松自宅カフェ (2007-06-19 20:36) 

kyotto

あーびっくりした。オープンって大事な記事を読み逃したのかと。
カフェの常連になる。いや、常連になれるカフェを見つけるって、
結構大変なことかと。
ちっと遠いけど、私は常連さんになれるかなぁ。
by kyotto (2007-06-19 22:12) 

浜松自宅カフェ

●romeoさん
 なんか、皆さん驚かせてしまったようで恐縮です。
 何より嬉しいお言葉ありがとうございます。
 既に関東方面から、常連になりつつある方がいます。
 (出張の度に寄ってくれる訳で、営業はしていませんよ)

 が、その前に・・・romeoさんにはカフェ向けのレシピをご指南して
 いただかなくては!(嫁さん連れて横浜に行きます)
 その暁には、"Menu produced by romeo"とPRさせていただきます!
 おおっ!それは面白いかも?ブログがつなぐ縁?
 雑誌「カフェ&スィーツ」の記事になるかな~(笑)
by 浜松自宅カフェ (2007-06-19 22:40) 

ゆつき

執筆ご苦労様です。
出版の際にはサイン宜しくお願いしますね先生。
by ゆつき (2007-06-20 08:42) 

浜松自宅カフェ

●ゆつきさん
 いつかは本を書きたいと思っていますが、自費出版が良いところでしょうね。
 仮想ストーリーを作る方法は、あるビジネス系メルマガで推奨されていた
 ことなのですが、実際にやってみると難しいことが良く判りました。
 楽しんでくれる方もいらっしゃるので、もう少し続けてみようかと。
by 浜松自宅カフェ (2007-06-20 19:18) 

JOHN

んんん?オープン?と一瞬思ってしまいました。
そして、画像のないプリンのイメージまでしちゃいました。
お子様向けには少し甘めのカラメルで。
オトナはほんのり苦さを感じるくらいのカラメルで。
なーんて。

私事になりますが、披露宴をイメージできるお客様は
決定率が高いのです。そのとおりになるわけではないですが、
イメージすること、大切ですよね^^
次回作も楽しみにしておりまする!
by JOHN (2007-06-21 13:21) 

浜松自宅カフェ

●JOHNさん
 大人向けと子供向けプリンの案、採用したいです。
 プリンの画像はあったのですが、写真が良くなかったので辞めました。
 ちなみにプリンはマジ美味ですよ♪

 僕の経験上も、イメージができて、発想が広がるプロジェクトは成功する
 確立が高いんです。では、次回作をお楽しみに!
by 浜松自宅カフェ (2007-06-21 22:15) 

stella

浜松で「鈴木」って、ツボに入りましたよ。(笑)
by stella (2007-06-21 22:51) 

浜松自宅カフェ

●stellaさん
 凄すぎですよ!!!苗字の意図まで読み取るとは!(驚)
 実は、、、僕の住んでいる町は「鈴木」姓の発端の町なんだそうです。
 なので、驚くほど鈴木さんが多いです(笑)
 他には袴田さん、金原(きんぱら)さんと言う設定もありますね。
by 浜松自宅カフェ (2007-06-21 22:57) 

浜松自宅カフェ

●krauseさん
 いつも、niceありがとうございます。
by 浜松自宅カフェ (2007-06-24 21:11) 

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