外壁ジョリパット下塗り完了 [ ・サーファーズ・ニアビーチ・ハウス]
5/9(土)現在のサーファーズ・ニアビーチ・ハウスです。
リビングダイニングから見える外壁の内側部分はジョリパット仕上げです。
ジョリパットと言うのは、アイカ工業の製品で左官調仕上げ塗材のこと。
下地材のパネルは、デラクリート。
一昔前の左官下地は、杉板を目透かしで張った木摺り(きずり)の上に防水紙を張り、
下地モルタルの食付きを良くするためのラス網を打つものが一般的でした。
今は、デラクリートのような製品がその工程の代替となり、接着剤を入れて付着力を高くした
下地モルタル製品の開発により、塗り厚も薄く(1~1.5mm)できるようになりましたから、
工期もずいぶん短くできるようになりました。
塗り厚が薄いため、従来のモルタル左官工法に比べると彫りの深い表現は難しいですが、
工期が大幅に短くなるということは、コストも下がりますから外壁表現の選択肢が増えるのは
助かりますね。
(ひなたCAFEの外壁にも一部採用しています)
歌舞伎座や高輪プリンスホテル、京都宝ヶ池プリンスホテルを設計した、建築家 村野藤吾さんは
こんなことを言っていたそうです。
「技術開発により新しい材料や工法が出来ることは、建築家にとって望ましいことなんだよ」
ちょっと言い方は違ったと思いますが、意図はこんなことだったと思います。
現在のように多種多様な工法、材料が無い時代。
ありきたりの材料や施工機械でできる事を、工夫しながら探って新しい建築表現をしてきたから
なんだと思います。
僕らは恵まれた時代にいるんだということを、この記事を書きながら思いましたね。
最近、ずっとジョリは使ってないですね~
いつの間にか例のもの一辺倒になってしまいました(笑)
新しい商品や工法が次々と出てくる良い時代ではありますが、
そんな時代でも、さらなる工夫により、
建築を表現していくことが求められているなと読んで感じました。
by plusgate (2009-05-10 23:07)
私は前にエレクトロニクスの業界にいたのですが、本能的に技術者は新しい技術が好きで何か自分の琴線に触れる技術が開発されると一度使ってみたくなるという本能があると感じていました。
(信頼性の検証が済んでいない技術であっても飛びついて、結果的に痛い目を見るケースも多々ありました。)
振り返って粘土瓦業界から建築を見た場合も、当時はフィールドテストもろくに済んでいない状態で平板瓦の爆発的な普及が起こり、結果それが雨漏りを引き起こしたり耐久性のない工法での施工だったと後になって解り大騒ぎするなどの事例が多発しました。
(全国的な情報網を持った我々メーカー以外全く知られていない問題もも幾つもありました。)
設計士の方達は技術者であり本能的指針技術にトライしたくなる気持ちは良く解りますし、私たちのようなメーカーもその点を頭に入れて採用活動を行う訳なのですが、「技術開発による新しい工法や材料」で得られる自由度は(選択肢の広がり)は、同時にあらかじめ予見するこのの出来ないリスクを背負い込むことにも成りかねないと感じています。
何せ建築というのは結果オーライでは住まされない世界ですので。
勿論、実際の仕事の中での新技術の採用は薄氷を踏むがごとき慎重さでトライしていらっしゃるとはお見受けしていますが、気になる言葉に思わず反応してコメントさせていただきました。
なお今回採用された「ジョリパット」に対してや浜松自宅カフェさんの仕事を見てのコメントではありません。
一読後、削除いただいても結構です。
by たいせい (2009-05-11 10:14)
そうですね。
恵まれているかもしれませんね。
でも、かえって、選ぶのに悩み
時間を費やしているのも実情です。。。
カタログに埋もれて死にそうです♪
by macoto (2009-05-11 10:44)
●カフェオランジュさん
nice、ありがとうございます。
●plusgateさん
そうでしたね!
やはり使い慣れている製品だと、イメージを大きく逸脱することが少ない
ですからね。
そういうカタログはインデックスを付けて手元に置いておきました。
●たいせいさん
削除するようなコメントではないと思いますよ。
まだ、若かりし頃は薄氷を踏むような慎重さはなかったと思います。
ある程度はメーカー側の社内評価を信じて、「これは良さそうだ!」と
思う製品が出れば、クライアント(公共事業なので役所)に提案して
いました。
もちろん、「これは眉唾だなぁ~」と思うものは、さすがに採用しようとは
思いませんが、ある程度はメーカーと言うものを信用していましたからね。
それで、実際に使ってみて「良い!」と思ったら定番製品になることが
多かったですね。
●macotoさん
それも確かにそうですね。
ですが、最終的には気に入った製品と言うか慣れている製品に集中
しませんか?
結果、ド定番のシリーズだったり。
実績と歴史って凄いノウハウの塊りなんですよね~。
by 浜松自宅カフェ (2009-05-11 23:49)
恵まれなかった時代から恵まれた時代にかけて生きている私です。^^
恵まれた商品は、思いがけなく「たまに裏切る」こともありますから、
注意しながら付き合うことも必要ですね^^;
by アキラ (2009-05-12 11:48)
製品の選択肢は確かに比較にならないほど増えましたね。
ただ、それと引き換えに「職人芸」は淘汰され、「工夫」に疎くなっていくようで、複雑な感じもします。
って、言っていることが古い?(^^;
by hidenosuke (2009-05-12 17:35)
●夢空さん
nice、ありがとうございます。
●アキラさん
確かに、恵まれ(すぎ)ている今の時代は、ロクに検証もしないで
世に出てしまったものもあるでしょうからね。
注意してお付き合いしなくてはなりませんね!
ご忠告ありがとうございます。
●hidenosukeさん
> それと引き換えに「職人芸」は淘汰され、「工夫」に疎くなっていくようで
そう、それ!そうなんです!
それを僕は言いたかったのだと思います。
確かに恵まれた時代なんですが、設計者が考えることを辞めてしまっては
いけない。
カタログ建築士ではいけないと思うんですよ。
決して古い考えではないと思います!
by 浜松自宅カフェ (2009-05-13 01:17)