自分のこと、目指していること(3/3) [□はじめに]
自分のことを大雑把に綴るこのシリーズも今回で最終回となります。
第一回は、都会生活を経て静岡で家庭を持つことを決めた、Uターン決意編
第二回は、建設業における設計の楽しさと責任の重さを知った、建設コンサル編
でした。
そして、静岡県内での転職先の選定を始めるわけですが、次の職種の判断基準は・・・
自分に足りないスキルを学べる職種(企業)にするべきだと考えました。
建設コンサルタントの設計技術者として、与えられた仕事はコンスタントにこなせるようになり、
会社にも利益を残すことができるようにはなっていました。
しかし、、、
建設コンサルは基本的に仕事に対して待ちの姿勢であり、そこに将来的な不安と言うか
物足りなさを感じていたように思います。
そのため、「自分には将来マーケティング力が必要だ!」とマーケティングの意味も
わからずに勝手に思い込み、静岡県西部エリアで
1.広告宣伝部門がある企業
2.設計部門とは別に商品企画部門がある企業
3.エンドユーザー向けの製品を製造販売している企業
に照準を絞り、 建設コンサル時代の経験が求められる企業を選び、中途採用枠の応募に
申し込みました。
エントリーシート申し込み後、課題が出され、書類選考を通過し、一次面談にパスし、
役員による二次面談では、「一級建築士じゃないの?」と言う質問があり、
「企業での(設計)実務では、資格は必ずしも必要ではない」と説明し、
「入社したら一級建築士を取得する」と回答し、だからかどうかはわかりませんが1998年2月、
希望通り、浜松市に本社がある住宅建材メーカーへ入社することができました。
さあ、前置きが長くなりましたが、僕がやるべきことが明確になってきたのはこの辺りから。
住宅業界を担う企業に入り見えたのは、『家』と言う建築物が消費財となっている現状。
それまで、設計・施工の分離が当たり前の世界にいて、完璧とは言えないまでも設計者として
自由に発想してクライアントとモノを作ってきたのが、利用者不在の建築だったり、
社会資産とは言えないような建築が消費されるように作られ、売られている現状でした。
建築はもっと楽しくて社会資本でもあるのに、提供する側も購入する側もそれを放棄している。
と気付きました。
しかし、僕は直接それに携わることを辞めてしまった身分。
建築は自分の思い描いたことが実現できるとても楽しい行為であることを知っている人間でもある。
そこで考えたのは、僕が自分の家を建てるだけなら1軒だけど、
僕の考えに賛同してくれる人が年に1軒でもあれば、60歳までに30軒の楽しい家ができる。
年に2軒あれば60軒の気持ち良い家が適正なコストでできる。
自分が頭を切り替えるだけで、2倍にも3倍にもなる可能性があるなら試してみても良いだろう
と思ったわけです。
それで半ば無理矢理やらせたもらったのが、おじいちゃんの田舎暮らしの家でした。
この家は現地を見学して、30分程で一気に描き上げたプランが実現した家。
施主である義父の夢を理解し、僕がしたかったことを加えて空想したものから生まれた建築。
千葉県の南房総市と言う、浜松からだと一日がかりの場所にあるだけに細やかなチェックは
できないため、昔ながらの大工さんが得意な意匠とし、また測量図もなかったため、
大きな造成工事をしなくても建築可能な形状としたのが正解だったようです。
そして、完成した建物を見て義父は「君に頼んで良かった!今頃どうなっていたことか・・・?」
と言ってくれました。
僕の特技は、お施主さんが望むものが対話を通じてリアルにイメージできること。
そのため、実施設計・監理を適切に行なってくれる設計事務所の協力があれば、
週末などを使って年に1~3件くらいは相談に乗ってあげられるだろうと思いました。
(昨年は丁度3件でした)
僕はお施主さんとの対話からイメージを共有化しプランを描くため、無駄に手を動かすことなく、
(と言うか当たり前のことだと思いますが・・・)
ご相談いただいた案件の殆どが実現できました。
浜松エリアでの最初の案件が、O川さんご夫妻が施主の田舎暮らしの現代民家でした。
O川さんご夫妻は、浜松エリアでは何の実績もないのに、たった2回の面談で僕に家作りの
下駄を預けてくれました。
だけど、O川さんのような価値観の方が非常に少ないことを知っていましたから、
そんな楽しい家作りを知ってもらう場が必要だと考えました。
それが、ひなたカフェと言う場であり、この浜自カフェBlogなのです。
ひなたカフェを通して楽しく家作りができる建築情報を発信し、それに呼応した人が集まる
ハブになることができれば、『食』と『住』の提供を通じて、魅力ある街になる貢献ができる
と考えています。
僕は吉野家もマクドナルドも活用しますし、スタバやドトールも良く利用します。
どこでも同じクォリティの食事を安く手に入れることができるようになった替わりに、
一方で、効率を追い求めた結果、どこの街に行っても同じ風景になってしまいました。
となると、街の個性は僕らのような小さな小売店や住宅によって作られるものだと思うのです。
そんな自宅ショップが小資本低リスクで始める人が増えて魅力ある街になるために、
ひなたカフェで成功モデルを作りたいと思っています。
以上、長文をお読みいただきありがとうございます。
実は他にも、ひなたカフェで目論んでいることがありますが、それは新年一月発行の情報誌で
しっかり記事にされていますので、その際にご紹介致します。
>皆様
超個人的な記事にお付き合いいただき、ありがとうございます<(_ _)>
●今造ROWINGTEAMさん、カフェオランジュさん、dennさん、xml_xslさん
nice、ありがとうございます。
by 浜松自宅カフェ (2009-12-27 22:52)
なるほど~。
以前から、なぜこの世界に入られたのか、
きっかけはなんだったのだろうかと、とても興味がありました。
今回の3記事でよ~くわかりました。
お互い来年も頑張りましょう!
by plusgate (2009-12-28 21:43)
●plusgateさん
えっ?不思議だったのですか?
まだ足りない部分があるのですけど、大筋はこんなところです。
中から見て、そして外から見て、また新たな思いをもって中から見た結果、
こういう経緯になったわけです。
来年も頑張りましょう!
by 浜松自宅カフェ (2009-12-29 02:45)
思い描くのは誰でもできるけど
それを形にしていくのは
誰にでもできることじゃないと思います。
浜自カフェさんの実行力に感動。
ひなたカフェの経営や建築に関してのことはもちろん、
blogを効果的に使っている成功例にもなりますね!
by JOHN (2009-12-30 05:02)
●JOHNさん
ご理解ありがとうございます。
「こうなったら良いなぁ~」と思うと、自分でできることからやってみたいと
思ったわけですが、楽しいから続けられるんですよね~♪
やはり建築は楽しいし、カフェ経営も楽しい。
そして、これらを続けることで色々な出会いがあり、これがまた刺激的で
楽しいんです。
さて、これからどんな出会いがあるでしょうか?
by 浜松自宅カフェ (2009-12-30 20:16)
☆生でこの話の一部が少し聞けたので、うれしかったです♪
人それぞれ、いろいろありますよねぇ・・・。
ヨシ!私もがんばろう!
by ijimari (2010-01-01 11:05)
●ムクさん
nice、ありがとうございます。
●ijimariさん
え~、少しだけですか?(笑)
まっ、色々ありますよね!
僕もさらに今年、頑張りますよ。
by 浜松自宅カフェ (2010-01-02 00:00)