夏、冷房に頼らないで暮らすための工夫 [ ・家づくり勉強会]
「地球のたまご」で4月28日(土)から一般公開されるモデルハウスを見学したことで
刺激を受け、ようやく記事を書くことを決めました。(イラスト描くの面倒だったし・・・)
■2階主寝室に設けられた窓
一枚の木製縦格子が窓ガラスの「外側」を走ります。
いわゆるバーチカルブラインドのようなものですが、窓ガラスの外側に設置したことが
夏、エアコンに頼らずに過ごす上で大きな意味があります。
■ブラインドを窓ガラスの外側に設けると暑さが室内に入りにくい
日経アーキテクチュア2012-2-10 「混同しがちな断熱と遮熱の役割」より、新たにイラストを
描き起こしました。(解説:東京都市大学 宿谷教授、元イラスト:宮沢洋氏)
ナゼ、縦格子が窓の外側にあることが大きい意味を持つかというと、
ガラスという素材は赤外線を通さない から。
ちょっとわかりにくいかもしれませんが言葉で説明してみたいと思います。
まず、ガラスが日射(日光)を通過させると室内にある床やカーテンを温めますね。
その温まった物は、「赤外線」という長波長の電磁波を放射するのですが、
それをまたガラス面が反射して、室内に閉じ込めてしまうわけです。
二酸化炭素が温室効果ガスと呼ばれ、削減が必要なのはコレと同じ理由です。
ちなみに、静岡県特産の温室メロンとは、ガラス温室で作られたメロンであり、ビニールで
作られたものはビニールハウスと言うもので、正式にはハウスメロンと呼ばれます。
縦格子の工夫はそれだけではなく、東京大学の研究チームの助言を元に設計し製作した
特注品だそうです。
では「グッー」と寄ってアップで見てみましょう!
■縦格子と下枠の納まり
縦格子が微妙な角度で、下枠に対し斜めに取付けられていますね~。
この角度は太陽の軌道を元に縦格子の幅、ピッチを含めてシミュレーションして
決められたそうです。
つまり、この窓の工夫を要約すると・・・
1.遮熱のため、木製の(これも重要)縦格子を窓ガラスの外に設ける。
2.縦格子を斜めに振ることで、日射の侵入と視線のコントロールを同時に行なう。
3.窓ガラスを空けて通風を採り入れ、「冷えた外気」を室内に導入する。
ことなんだと思います。
今後、温湿度センサーを取り付けて実測をすることで検証をされるそうですから、
研究発表が待ち遠しいですね♪
2月27日に、「スマートハウスの次は」と言うタイトルの記事を書きましたが、
その時の答えの一つがコレです。
敢えて付け加えますが、コレはごく一部の工夫です。
スマートハウスは、住宅におけるエネルギー生産と消費を効率良くするIT技術を使用した
住宅のことですから、建築屋ではなく電気設備メーカーの仕事として洗練され、コストも
下がって当たり前に使われるようになるでしょう。
まさに自動車のエアバッグのように!
しかし、快適に気持ち良く暮らすということはそれだけでは達成することができません。
どうやら、まだまだ建築のローテク技術でできることがあるみたいですよぉ~(笑)
そのための試みを私の自邸(ひなたCAFE)でも今日から着手し始めました。
今年の夏、より快適になると良いなぁ~♪
【オマケ】
縦格子が角度を持っているため、窓面の明るさが角度によって変わるのですね。
■北側から見た場合
窓外の景色が見えると同時に、通過させる光の量を約半分に減らしています。
■南側から見た場合
視線を遮りながら、明るさを確保してくれています。
しかも、日射熱をそのまま室内に持ち込まないため、室内にブラインドを取り付けるより
冷房負荷は半分以下に減るでしょう。
今年の夏も節電が求められていますが、潤沢にあるから使用するのではなく、
必要な分だけ使うように心がけたいですね~。
●jun-arさん、thisisajinさん
nice、ありがとうございます。
by 浜松自宅カフェ (2012-04-23 18:44)
この格子の窓、素敵です(^^)
見落としていたら、ごめんなさい。
木の材質はなんでしょうか?
by 夢空 (2012-04-25 10:13)
●mogiさん、カフェオランジュさん
nice、ありがとうございます。
●夢空さん
材料は記載していないですいから見落としじゃないですよ。
機能的な目的だけでなく外観上のアクセントにもなっているのですよ。
念のため確認したところ、「杉」だそうです。
by 浜松自宅カフェ (2012-04-25 17:47)
コレに触れるのを忘れてました^^;
by plusgate (2012-04-25 20:23)
●plusgateさん
7月末にまた伺う機会がありますから、夏の暑さがどうなるか?
体験してみたいと思います。
●chihoさん
nice、ありがとうございます。
by 浜松自宅カフェ (2012-04-26 20:54)