国交省「住宅のゼロ・エネルギー化推進事業」へ挑戦！

現在計画している「ホームシアターの家」のクライアントYさんは、住宅の省エネ化
に対して非常に高い関心がある方です。

現在の住宅工法、省エネ設備では多くの選択肢が存在し、一時期流行った（今でもか？）
「外張り断熱vs充填断熱」と言う単純な対立構造ではありません。
（・・・って当然、知っていますよね？）

どれも一長一短があり、かと言って僕もすべての選択肢を客観的に説明しきれるほどの
知識もありません。

公共工事の設計では、その時点で入手可能な技術でかつ、市場性のあるものを選んで、
比較設計を行ない、その案件においてどれがもっとも経済的かを検討することが
義務付けられています。

しかし、この作業は非常に手間（コスト）がかかるため個人の住宅を設計者が行なうことは
別の意味で不経済になりますから、Yさんには基本計画初期の打合せの段階で、

「Ｙさん達に最も合いそうな、省エネ技術の候補をご自分で選んだら如何ですか？」

と提案したところ、ゼロエネ住宅に関する補助事業について打診されました。
過去メールで確認すると、5月22日（水）深夜のことでした。

 

早速ＨＰで事業の内容と説明会の予定を確認し、名古屋会場を予約。

Suicaカードを紛失すると言うオマケがありましたが、先進的なゼロエネ化技術への取組みに
最大350万円の補助金を与える経産省の補助事業と、
一般工務店でのゼロエネ住宅の普及促進を目的として、最大165万円の補助金を付与する
国交省の補助事業であることがわかり、取組みやすさから国交省による
「住宅のゼロ・エネルギー化推進事業」にトライすることとしました。

■応募した提案書類
年間の新築供給個数50戸未満の中小工務店だけに参加資格が与えられているため、
応募者はYさんの家を施工する工務店と言うことになりますが、工務店指定で進めて
いましたから、Yさんに承諾をいただいてから工務店さんに事業者登録を依頼しました。

かと言って、設計を進めているのは僕らですからまずは僕が提案書の案を作成し、
わからないところを洗い出すことから着手。
不明な点は都度、事務局に問い合わせをし、1ヶ月かけて精度を高めていきました。

 

補助金交付に値する案件であることを認めてもらうことが必要なため、事業初年度である
昨年の実績と補助事業の目的から、採択用件を設定し、Yさん邸の仕様を詰めていく作業
となりました。

 

ゼロエネ住宅とは、毎月支払うエネルギー購入費が理論上0円の住宅と言う意味です。
住宅のエネルギーには、電気、ガス、石油とありますが、どれを使用しても総量でのエネルギー
購入費を太陽光発電で賄うというものです。

そのためには、通常の2倍近い断熱性能と高い省エネ性能の住宅設備が要求されますから、
必要な材料、設備の購入費と工事費の半額までで165万円を上限に補助されるわけです。

 

ですから、施主側も持ち出しがあるわけですが、本来必要な工事費の半分程度を補助して
くれるわけですから、トクと言えばトクですよねー！

 

■提案の内容をちょっとだけ・・・
国の補助金をいただく以上、手続きや書類作成がかなり面倒な上、ゼロエネ住宅というと
難しそうな印象を受けますが、やってみると意外に簡単♪

Q値計算とトップランナー基準のことがわかっていれば、ハードルは決して高くありません。
しかし、僕らではQ値計算が出来なかったため、急遽、名古屋のplusgateさんに応援を
要請したところ、感動的な早さで検討作業をしてくれたため、一気に進めることが
できちゃいました♪

 

ゼロエネ基準の達成は容易に見込めたものの、昨年は応募した工務店の半分しか採択
されませんでしたしから、エネルギー削減率の上乗せを行ない、算定ルールには乗らない
設計の提案で勝負をかけることにしました。

６／２９（土）にYさんと打合せをして方針と仕様を決定し、翌週７／１（月）に工務店さんの
事務所に詰めて提案資料の仕上げをしました。

 

工務店の監督も、一連の作業を通して

「これなら自信もって提案できる！」

と感じてくれたようでした。

 

この補助事業においては、僕らはあくまで後方支援部隊ですから提案当事者である
工務店さんが納得できないといけないし、お金を出す施主の納得感も同レベルで大切。

建築とは、施主、設計者、施工者が一丸のチームとならなければ、どんなレベルであれ
目標を達成することはできません。

 

結果発表は、8月上旬に国土交通省から提案した工務店に採択通知と言う形で行なわれる
そうですが、現状でき得る最大のことはしましたから、果報は寝て待つことにします（＾_＾）v

コメント 2

お役に立てて何よりです^^
by plusgate (2013-07-04 20:57) 

●jun-arさん、夢空さん、有城佳音さん
　nice、ありがとうございます。

●plusgateさん
　いえ、本当に助かりました♪
　補助事業として採択されましたら、引き続き宜しくお願い
　致します。
by 浜松自宅カフェ (2013-07-05 09:49)