公共施設の劣化診断業務(その3) [ ・公共事業の仕事]
とある地方自治体発注の公共建築物の劣化診断業務の報告です。
建設コンサルタント時代でもそうは経験ありませんが、学生時代は構造系の
研究室(ゼミ)だったこともあり、お手伝い程度の経験程度はありました。
しかし、今回は診断業務から始まり、補修計画の策定と概算工事費の算定が要求
されており、今回の業務成果は、今後10年、20年と継続使用するための補修工事に
対する予算要求に利用されますから責任重大です(@_@)
そんな業務も完了に向けて目下ばく進中ですが、当初の目視調査だけでは診断
できないため、追加で劣化診断をさせていただきました。
■コンクリート強度の推定試験
完成から30年経過したコンクリートが現在、どの程度の強度を保っているのか非破壊で
強度を推定する試験です。
リバウンドハンマー(通称、シュミットハンマー)を使って、コンクリート壁面に
打撃を加え、反発力から推定強度を計算で割り出します。
■強度計算の算定
学生時代以来なので30年ぶりのため、リバウンドハンマーも進化していました。
何が進化したかと言うと、データが記録されるようになっているんですね。
温度環境の影響を考慮して、外壁の南面と北面の2ヶ所の平均値は41.0N/mm2
竣工図記載のコンクリート基準強度は、21ニュートンですから実に倍近い強度
がありました。
■鉄筋探査
レーダー方式「鉄筋探査機」での調査の様子です。
コンクリート内の鉄筋ピッチと被り厚さ(コンクリート表面からの深さ)がカラー
画像で分かります。
白いチョークの箇所が鉄筋が入っている部分になります。
水平方向、鉛直方向に動かしていくと、躯体に原寸の配筋図が描けるワケです♪
■中性化深さ試験
鉄筋コンクリートは、引張力を負担する「鉄筋」を圧縮に強い「コンクリート」に内蔵
した構造ですが、錆びやすい鉄筋を強アルカリのコンクリートが保護しています。
中性化とは、アルカリ性のコンクリートが中性になることを言い、鉄筋の深さまで
中性化が進むと鉄筋は錆びて膨れてしまい、コンクリートと一体化しなくなります。
この試験は、電気ドリルでコンクリート面を削孔した粉を、ドリルの真下に置いた
試験紙(ろ紙にフェノールフタレイン溶液を噴霧したもの)に付着させることで
ドリルの刃が入った深さで中性化の進み具合が分かるわけです。
リバウンドハンマー以外は初めての経験でしたが、とても良い勉強になりました。
シンプルながらとても分かりやすいですよね。
調査結果はと言うとコンクリート自体は至って良好で、強度は十分にあり、中性化は
まったく進んでいませんでしたから、ひび割れ部分を適切に補修してあげれば
今後30年間使用することができそうと言う診断結果になりました。
この仕事は例えてみれば、建築ドクターと言う立場で建築物の老化状態を診察し、
診察を終えたら治療方針と薬剤を検討し、治療費のケーススタディを行い、LCC
(ライフサイクルコスト)の観点から最も有効なプランを提案します。
ここまでは既に完了し承認いただいていますから、現在は調査報告書を一生懸命
まとめているところです。
建設コンサルタント時代でもそうは経験ありませんが、学生時代は構造系の
研究室(ゼミ)だったこともあり、お手伝い程度の経験程度はありました。
しかし、今回は診断業務から始まり、補修計画の策定と概算工事費の算定が要求
されており、今回の業務成果は、今後10年、20年と継続使用するための補修工事に
対する予算要求に利用されますから責任重大です(@_@)
そんな業務も完了に向けて目下ばく進中ですが、当初の目視調査だけでは診断
できないため、追加で劣化診断をさせていただきました。
■コンクリート強度の推定試験
完成から30年経過したコンクリートが現在、どの程度の強度を保っているのか非破壊で
強度を推定する試験です。
リバウンドハンマー(通称、シュミットハンマー)を使って、コンクリート壁面に
打撃を加え、反発力から推定強度を計算で割り出します。
■強度計算の算定
学生時代以来なので30年ぶりのため、リバウンドハンマーも進化していました。
何が進化したかと言うと、データが記録されるようになっているんですね。
温度環境の影響を考慮して、外壁の南面と北面の2ヶ所の平均値は41.0N/mm2
竣工図記載のコンクリート基準強度は、21ニュートンですから実に倍近い強度
がありました。
■鉄筋探査
レーダー方式「鉄筋探査機」での調査の様子です。
コンクリート内の鉄筋ピッチと被り厚さ(コンクリート表面からの深さ)がカラー
画像で分かります。
白いチョークの箇所が鉄筋が入っている部分になります。
水平方向、鉛直方向に動かしていくと、躯体に原寸の配筋図が描けるワケです♪
■中性化深さ試験
鉄筋コンクリートは、引張力を負担する「鉄筋」を圧縮に強い「コンクリート」に内蔵
した構造ですが、錆びやすい鉄筋を強アルカリのコンクリートが保護しています。
中性化とは、アルカリ性のコンクリートが中性になることを言い、鉄筋の深さまで
中性化が進むと鉄筋は錆びて膨れてしまい、コンクリートと一体化しなくなります。
この試験は、電気ドリルでコンクリート面を削孔した粉を、ドリルの真下に置いた
試験紙(ろ紙にフェノールフタレイン溶液を噴霧したもの)に付着させることで
ドリルの刃が入った深さで中性化の進み具合が分かるわけです。
リバウンドハンマー以外は初めての経験でしたが、とても良い勉強になりました。
シンプルながらとても分かりやすいですよね。
調査結果はと言うとコンクリート自体は至って良好で、強度は十分にあり、中性化は
まったく進んでいませんでしたから、ひび割れ部分を適切に補修してあげれば
今後30年間使用することができそうと言う診断結果になりました。
この仕事は例えてみれば、建築ドクターと言う立場で建築物の老化状態を診察し、
診察を終えたら治療方針と薬剤を検討し、治療費のケーススタディを行い、LCC
(ライフサイクルコスト)の観点から最も有効なプランを提案します。
ここまでは既に完了し承認いただいていますから、現在は調査報告書を一生懸命
まとめているところです。
●鉄腕原子さん、@ミックさん、jun-arさん、MONSTER ZEROさん
nice、ありがとうございます。
by 浜松自宅カフェ (2018-03-08 14:16)
●chihoさん、soramoyouさん
nice、ありがとうございます。
by 浜松自宅カフェ (2018-03-09 19:34)