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土木工事も面白い! [ ・ビオトープのある研究所]

開発地は2本の道路に面していますが、接道していない側の道路には道路側溝では
なく、「排水路」が横切っています。

排水路上を自動車が通行できるようにするには、事業者側で「橋」を架けなくては
いけませんが、今回は橋ではなくボックスカルバート橋と言ってコンクリート製品の
箱型水路を設置し、上部を「橋」として利用します。

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■水路を撤去した後
設計図はあるものの、基本は現場合わせ。
しかし、設計したスタッフは7月末で退社し、8月から突然引き継いだため、
図面を見てもやっていい事と悪い事の区別ができません。

と言うのも、工事は事業者の資金で行うものの、完成後は管理者である市に
所有権を移して公共施設となるため、行政の技術基準に適合したものにする
必要があります。

元の設計者にメールと電話で設計意図を確認した上で、施工者が実測した
測量データを朝方受け取り、事務所に戻ってCAD図面で検証し、撤去作業が
完了した頃に現場へ出向いて指示しました。



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■図面で高さを説明すると即座に測量
この日、一日で既存水路の撤去からボックスカルバートの基礎、養生まで
終わらせなければいけないため、即座に決定出来るように図面を作成しておき、
現況高さがわかれば必要な数字がわかるようにしておきました。

今回は現場事務所で手計算したところで現場でチェックし、CADデータを
修正し、納まる事を確認した上で現場での指示となったわけですが、初めての
経験でしたから慎重に検討を行ないました。



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■測量、即座に工事
監督が測量し、丁張りを掛けて栗石基礎の天端高を伝えバックホウで栗石が投入
されると、職人さんが見る見るうちに仕上げていきます。

この後、栗石の上にはクラッシャーランで目つぶしを行ない、タンパで転圧すると
基礎コンクリートを打設します。
もし、私が高さ設定を間違えると水路の水が流れなかったり、舗装面が高くなって
しまったりと不具合が発生し、場合によっては工事のやり直しになります。


建設コンサル時代に、自分の経験不足から2度苦い経験をしたことがあったため、
「これなら大丈夫!」と思えるまで検討をしただけに、ピッタリ納まることが
分かると「ホッ♪」としました(笑)


土木工事は設計図通り行なうのが原則ですが、細かい点で現況が図面と異なる
ため、その対応方法を設計者に委ねられたわけですが、とても緊張感あり良い
勉強になりました。

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