SSブログ

ため池の在来魚、捕獲保護作戦 [ ・ビオトープのある研究所]

土木工事会社で工事監督をしている友人から、それとなくいただいた相談。

「改修工事でため池の水を全部抜かなくてはいけないんだけど、沼地の
 ような場所なので捕獲も飼育もできない。
 ムラマツさんが進めているビオトープに持ってこれないだろうか?」

ビオトープの完成は来年6月末。
仮に捕獲できたとしても、どうやればそんなに長期間生かしておけるか?

建設コンサルタント時代に、似たような設計経験があったので具体的な手法は
すぐにわきました。
住所を教えてもらい、GoogleMapで地形を調べると「日本の在来種」が
残っている確率が高い。
それなら、僕が考えるビオトープにも活かせると直感しました。

まずは予算を押えるため、協力してくれそうな業者に目星をつけて直談判。
最大で幾ら必要か、どのように飼育し、仮に死滅してしまったらどうするか?
概略を決めたところで、クライアントさんに相談し作戦を続けて良いか確認し
水の減り具合を日々確認しつつ、どんな生物が残っていそうか予測し、
いよいよ作戦決行となった。


結果としては、外来種汚染は殆どなく在来種ばかりだったが、単純な生態系で
種類は多くなかった。

しかし、、、

DSCF0745.jpg
■捕獲した水生生物の一部
水槽に入れて持ち帰って調べると、モツゴ(クチボソ)、タモロコ、ヨシノボリ、
モクズガニ。
その他にも、ナマズ、ニホンウナギ、ヘラブナ、イシガメを一定数捕獲、保護
できました。

ただし、ナマズやウナギ、ヘラブナは今回のビオトープでは生育できないため、
別の場所に移送することになります。


面倒な仕事でしたが、何もしなければ多くの在来種を死なせてしまう事に
なっていたので、幾らかでも子孫を残すことに協力できたと思います。
お金になりませんが、きっと10年後には評価されるだろうと工事監督と言って
お互い納得しました。

これらの魚達は大切に飼育してもらい、ビオトープに足りない魚やエビ類などを
揃えて、来年6月か7月のお披露目の際に近隣の小学生や幼稚園児に放流を
してもらいたいと思っています。

nice!(8)  コメント(1) 
共通テーマ:住宅