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静岡県富士山世界遺産センター(後編) [■建築探訪]

先週末の秋の独り旅で行った「静岡県富士山世界遺産センター」の後編。

今回は、展示について簡単にご紹介します。

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■展示棟内のらせんスロープの内観
この建物は、中央の展示棟、北棟、西棟の3棟で構成されていて、富士ヒノキの
木格子で覆われた逆円すい形の展示棟内に入ると、全長193mのらせんスロープを
登りながら富士登山の疑似体験ができる展示になっています。

ゾーンによっては実際の映像ですが、例えば左側の上下に投影されているモノクロ
の映像は、精緻な背景イラストに「登山者の影」が歩く様子が投影されます。
そのため、自分自身の「影」と登山者の「影」が同期し、一緒に登山しているかの
ような体験型展示となっています。


予算と空間の制限があるから難しいとは思いますが、気温や匂い、風なども体験
できたら、更にリアリティのある体験型施設になったかもしれませんね。



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■カフェ&ミュージアムショップ
決して広くはありませんが、丁度良いバランスでレイアウトされている
と思います。



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■ショップゾーンからエントランスホール及び北棟見返し
何気なく撮影したショットですが、お気に入りの1カットです。
普通に撮影して絵になるところは「設計者として流石だなぁ」と思いました。
今の自分ではまだまだそのレベルに達していないですから。



そして、今回の旅でもっとも見たかったのは建築よりも「水盤」の方。

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■北側から
静岡県整備による「富士山世界遺産センター」がなぜ富士宮市に選べれたか?

以下は、ウィキペディアからの抜粋です。
富士宮市に選定された理由は、近接する富士山本宮浅間大社が浅間信仰の中心地
であること、建設地から他の構成資産との近さ(村山浅間神社や人穴富士講遺跡等)、
また中心市街地に位置しアクセス上優れていることなどが挙げられている。


ナルホドね~。
実際に訪れてみると、意外にも中心市街地に立地していて驚きましたし、
高さも想像していたよりも大きくありませんでした。
せっかく造っても人が来ないのでは意味がありませんし、少子高齢化を考えると
無駄に大きい施設よりも小さくても展示が魅力的であり、ランドマーク性も
求められる。

これら発注者側の要望に対し、設計者は的確に答えることでコンペに勝てたんだと
感じました。


【ご参考】
せっかくお越しになられたのであれば、近くにある富士山本宮浅間大社まで散策
されることをお勧めします。
東側を流れる神田川沿いに散策すればすぐです。流れる水はほぼすべてが富士山の
湧水ですからとても綺麗で気持ち良いですし、浅間大社に湧き出る「枠玉池」は
中々の景観だと思います。

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