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密接な関係の水害と林業(後編) [ ・台風、水害対策]

前回に続き「天竜美林 森林ガイドツアー」の後編です。

水害を防ぐには河川改修だけでなく、河川上流部の森林が健全に維持されて
いる事が重要と説明しました。
しかし、全国の現実は今回紹介したような森ではなく、後継者がいないため
放置された森林の方が多いのが実情です。

この問題は、林業に限った事ではなく、農業、中小企業、個人経営の飲食店でも
起きていますし、増えていくばかりの高齢者に対し看護師や介護師が不足する
のと同質ですから、根が深くて思いつきのアイディアだけで解決できないため
非常に悩ましいところです。

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■林業家さんの住まい
標高700m程度の山間にあり、眺めは最高です。
浜松市は海から山までの距離が比較的近いため、私の自宅からここまで
車で1時間程度で来る事ができますが、それでも隣家に行くには山一つ越え
ないといけません。

当然、コンビニもカラオケもありませんし、ガソリンスタンドもいつまで営業
できるか分からない。
雪も殆ど積もらないですが、東北では灯油が無ければ生きていくことすら
ままならないわけで、平野部に比べると必然的に生活コストが高くなります。


冒頭からネガティブな表現ばかりになりましたが、今回は林業家さんによる
ガイドツアーだったため、森林での日常生活を知ることができましたので、
写真に納める事ができたところを簡単にご紹介したいと思います。


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問題1 これは何の葉っぱでしょう?

私は最初見た目から、「楠(クス)かな?」と思った通り、クスノキ科に
属します。
クスノキは樟脳の原料になる事で有名で、クスノキ科は香りが強い特徴が
あります。

葉っぱを一枚取って揉みしだき、匂いを嗅いで分かりました。


答え1 ヤブニッケイ(藪肉桂)
シナモンの原料ニッケイ(肉桂)の野生版と言えばわかると思います。
昔の人はガムの代用品として利用したそうです。



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問題2 手にしているシダの遊び方は?

ガイドで林業家の鈴木将之さんが、背面の崖に生えているシダを取りました。
どうやって遊ぶのかな~?



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回答2 シダ飛行機!
カメラマンの内山さんが投じたシダグラインダーが、優雅に舞って行きました♪
重心と翼のバランスが上手く行くと、フワフワと崖を滑空していくようで
あまりの見事さに動画でお見せできないのが残念です。



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問題3 大人のこぶし程ある土色のカエル。さて、何蛙?

答え3 ヒキガエル
この大きさのヒキガエルを見たのは初めてでした。
ガマの油のガマガエルはヒキガエルの事だそうで、身体に毒があるため捕食され
ないそうです。

江戸時代に流行した、筑波山名物「ガマの油」は塗り薬として有名ですが、実際の
薬にはガマの油は使われていないようです(笑)

日本には在来種のアズマヒキガエルと移入種のニホンヒキガエルが存在するようで、
どちらかは分かりません。


写真で紹介できるのはこの程度ですが、この夏、都内の高校生が体験学習に訪れて、
とても楽しんでいかれたそうです。
僕も問題提起するだけでなく、具体的な打開策を考え続けたいと思いました。


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密接な関係にある水害と林業(前編) [ ・台風、水害対策]

昨日は朝から、天竜川の支流である阿多古川にある天竜檜の森林ガイドツアーに参加
してきました。

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■ガイド役を務める山主の鈴木将之さん
ガイドツアーのゴール地点にある樹齢140年のシンボル檜(ひのき)の脇で説明を
されているのは、代々300年に渡ってこの地で天竜檜を生産しているそうです。

しかも、鈴木さんは山主でありながら自ら伐採管理も行う「自伐林業家」と言って
林業でも珍しい存在です。



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全国的にも放置林が問題になっていますが、写真でもお分かりいただけるように
明るくとても気持ち良い森林になっています。

鈴木さんによると、植林の際は一坪につき1本の苗を植え付けるそうで、その後は
木の成長を見ながら枝打ちや間伐を続けて、健全な森林に育てていくとこのような
美しい人工林になるわけです。


枝打ちと間引きを適切に行なって林床に十分な光が届くようになると、林床には
びっしりとシダなどの植物で覆われるようになります。

鈴木さんによると、秋までは樹が積極的に水を吸い上げるそうです。
と言うことは、森が水を欲しがる時期と雨を降らせる時期が一致していると言うこと


このような森は山自体に保水力があり、シダなどの植物が雨水を一旦蓄えるため
短時間豪雨があったとしてもすぐに水を河川に流さないため、森林そのものが
ダムの役割りをするわけです。

水害が発生すると、治水対策が重要と河川の流下能力を上げる事に意識が向きがち
ですが、それ以前に河川への流入を減らし遅らせる事をセットで考えるべきです。

一時、どこぞの知事が脱ダム宣言と言っていましたが、一時だけ狼煙をあげるだけ
ではなく、継続的に実行できる仕組みが重要でそれは国内林業そのものな訳です。


お金で生活を成り立たせている現代では、下流から上流へ利益を還元させる事を
しなくてはいけません。
14年前にこのブログを立ち上げ、ひなたCAFEを始めたのもその想いがあった事を
15年ぶりに天竜美林に森林ガイドツアーを受けて、再度思い出しました。


今回の「天竜美林ガイドツアー」イベントを主催したのは、新天竜プロジェクト
立ち上げた、天竜区出身のカメラマン内田文寿さん。
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新天竜プロジェクト 代表 内山 文寿さん
内山さんの車に同乗させてもらい現地に向かう車内で色々とお互いの事を
お話ししたところ、年齢も僕と1つ違いだったことがわかりました。

人生折り返しを過ぎ、後半をどう生きるか模索した結果なのだと思います。
僕も本業含めて、やれるだけの事をやっていきたいと改めて思いました。

後編では、山の暮らしについて少しだけ紹介しようと思います。

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災害時こそ家のお風呂に入りたい! [ ・台風、水害対策]

今回は建築設備のプロでも意外に知られていない、ガスふろ給湯器の便利機能を
紹介したいと思います。

僕は小四の頃から東海地震で脅されて育ったため、エネルギー源を電力だけにする
ことに強い拒否感があったため、自宅を建てる際の熱源はプロパンガスを選び
ました。

ところが、実際は地球温暖化により地震よりも台風や豪雨災害の方が頻度が高く、
停電リスクが軒並み上がっているように思います。


実際、昨年の台風21号では2日間停電しましたが、幸いにも太陽光による自立発電
を使って、冷蔵庫を冷やしたりスマホに充電したり、日中はシャワーを利用する
ことが出来ました。

しかし、学校に行っている娘達が夜は入浴できないため、濡れタオルで身体を拭く
しか方法がありませんでした。


新築時から使っていたガスふろ給湯器が今年6月に寿命を迎えたため、給湯器を
更新したわけですが、5年前にリンナイさんと仕事でコラボした時から密かに
決めていた事がありました。


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■停電でもお湯が使えるリンナイの「停電モード」
もちろん、断水していない、ガスが使えると言う条件はありますが、ガス種を
プロパンにしているため、断水していなければ自宅でお風呂に入れます。



長年悩んでいたのは、実使用に耐えられるか?面倒ではないか?でしたが、
台風19号の大きさと進路(静岡県にまっしぐらの予測)に「停電になる」と予測し、
メーカー推奨の「停電ユニット」を発注しました。



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■停電ユニット
届いた現物を見て、想像以上に大きく重たいのにビックリ。
いわゆるDC/ACインバーターで、自動車のシガーソケットからAC100Vを
取り出す事ができる機器ですから、ある程度頑丈な作りになるのでしょう。

実は、長年悩んでいたのはその価格。

ネット通販で調べると2~5千円であるのですが、これは2万超!
「国産だから高いのか?」と思ったものの、届いてみればリンナイ製ではなく
やはり中国製。

でも、リンナイが正規品として認めているわけですから、当然動作確認をした
モノであるため、台風被害が想定されるタイミングで購入を決意しました(笑)


よくよく調べてみると、DC/ACインバーターには交流の正弦波(サイン波)
発生させる製品の他に、疑似正弦波や矩形波のモノがあることがわかりました。
後者のモノは簡易な仕組みのため安いわけで、精密機器の場合は故障する
可能性があることがわかりました。


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Pure Sine Wave Inverter=純正弦波インバーター
なるほどー。


幸いな事に今回の台風で停電にはなりませんでしたが、本番で使えないと意味ない
ですから、練習兼ねて試してみたところ、自動車からガス給湯器まで電源ケーブルを
配線するのが大変でしたが、それさえ済めば後は至って簡単で十分に実使用に
耐える事が確認できました。


①シガーソケットに停電ユニットを差し込み電源ケーブルを接続。

②ガス給湯器の外部コンセントから自動車まで電源ケーブルを配線する。

③配線が完了したらエンジン始動(外部配線は漏電に気を付けて)

④停電ユニットの電源スイッチをON(すぐに起動しました)

⑤給湯器リモコンの「決定」ボタンを5秒以上長押しする

リモコン「停電モード」.jpg
■停電モードで起動
制御電力だけを受けて起動するため、循環ポンプは動きません。
そのため、給湯制御だけになります。

バスタブにお湯を張って入浴する事を想定し、給湯温度を42℃に設定。



お湯張「停電モード」.jpg
■浴槽にお湯を張る
これだけなら10分もあればお湯が張れます。
災害時は自動車のガソリンも貴重ですから、浴槽にお湯を貯めて入浴するのが
現実的でしょう。

洗髪するのは、浴槽のお湯を使ってもらい、次の人が入る時にまたお湯を落とす
と言う感じで使う感じになると思います。


しばらくお風呂に入らなくても死ぬことはありませんが、災害時は精神的も
弱っているはず。片付けもあるだろうし、できれば避難所には入りたくない。

そんな時こそ自宅でお風呂に入る事ができれば、精神性を健全に保つことが
できると思うわけです。
災害に見舞われても、人はそれを乗り越えて普通の生活を取り返さなくては
いけませんから、住まいがあるなら家族にはできる限り日常に近い生活を提供
したいと考えました。

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台風後の点検 [ ・ビオトープのある研究所]

今回の台風19号は、予想通り甚大な被害をもたらしました。

進路が当初の予報よりも東ルートを通ったため、浜松方面への直撃は免れたお陰で
静岡県中西部では大きな被害の報告は聞いていません。

中心気圧と大きさから防風を懸念していましたが、実際は進路の先で大雨を降らせる
形となり、沿岸部よりも内陸部での豪雨により大河川の流下能力を超えました。


今回は偶然、東よりのコースを通った結果であり、昨年のように西よりのコース
であれば、天竜川が千曲川と同じ惨事になっていたかもしれないのでとても
他人事とは思えません。


温暖化は気温上昇と言うイメージが強いですが、実際は海水に太陽エネルギーが
蓄えられることで起きるわけですから、台風のエネルギー源が温かい海水温である
以上、台風の大型化や雨季の大雨は常に起こりうると言う認識を持つべきでしょう。


さて、、、

台風で心配していたのは自宅だけではなく、これまでに設計させていただいた
住宅や建築もやはり心配が付きまといます。

今回は、今年7月末に完成したばかりの「ビオトープのある研究所」の雑木の庭が
風で倒れていないか?建物に損傷を与えていないか?ビオトープ池の魚は無事か?
と気になっていたため、台風一過の朝、応急処置の準備をして自主点検に向かい
ました。

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■台風一過 ※2019年10月13日 9時半
雑木も建物もビオトープ池も大丈夫で一先ず「ホッ」としました。

一巡してみたところ放流した魚もほぼ無事でした。


せっかく来たので魚の様子などを細かく見ていると、クライアント社長より
声を掛けられました。



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案内をしてくれるオーナー社長

「実は樹が4本倒れていたんだけど、ゼネコンのY監督と造園屋の大将が
 見に来てくれて、応急処置をしてくれたんだよ♪」

この対応にも正直「ホッ」としました。


言われて対応するのではなく、自ら対応してくれればより信頼につながります。
施主にとっては大きな買い物ですから、建設業ではこうしたアフター対応が後々
大きく返ってくるんです。

問題は逃げずに誠心誠意対応することでしか解決できません。
設計担当者として最も心配していた事が杞憂で終わって良かったです。


被災された方々も何とか乗り切っていただけたらと思います。

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来る事が分かっている災害に備える [ ・台風、水害対策]

facebookでも伝えた通り、静岡県から関東に向けて、超大型の台風19号が
接近しています。

10/11現在、中心気圧は925hPaで小笠原諸島の父島付近にいます。

これは昭和の3大台風の一つ、伊勢湾台風並みの勢力でこれが静岡県から関東に
向かってきているわけで、停電は間違いないと踏んで準備をしています。

伊勢湾台風は僕が生まれる前ですが、子供の頃に常滑市の親戚から恐ろしかった
と言う話を聞きました。
調べると、1959年(昭和34年)9月26日に潮岬に上陸した際の中心気圧は
930hPaで、死者4,697人、行方不明者401人、負傷者38,921人の人的被害を
もたらしたそうです。

防風雨と塩害による農業被害、停電、冠水、飛来物や倒壊が予測されます。

車はどこに置くか?強風で飛ばされる恐れのあるものは屋内に入れます。


今回の台風19号は、予報によれば中心付近の最大風速は50m/s、最大風速
70m/sとのこと。

風速50m/sとは、時速180km/hと言う事になりますから、外を出歩くことすら
危険と言うレベルです。
瞬間的には70m/sとあり、時速252km/hですからまさに新幹線並み。
想像すらできませんが、台風15号被害の記憶が新しいのとTV、ラジオ、新聞
でも報じているため、多くの人が準備に動いているようです。


今朝、妻と相談し、自宅は窓ガラスが割れて雨が吹き込む事を前提とした準備を
することにしました。屋根が吹き飛ばないこと、瓦や看板などの大きな飛来物が
飛んで来ない事を願うばかりです。

静岡県内は早ければ明日の夜には停電になるかもしれません。
千葉県に大きな被害をもたらした台風15号の状況から、1週間の停電も想定
されます。

もしも無事でしたら、月曜日には状況報告できると思いますが、周辺のホーム
センターでは資材が品切れ状態です。台風の進路上に住まわれている方は他の人が
動く前の準備をお薦めします。

では、皆さんご安全に。

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ビオトープを再定義する [ ・ビオトープのある研究所]

今から丁度2年前に「ビオトープのある研究所」の設計担当者となり、打合せを
進めていくと「ビオトープ」をキチンと定義出来ていないことがわかりました。

お施主さんは、人生において自分よりも大先輩である上、経営のトップです。
設計担当者として適任では無いと判断されれば、即座に交代となります。

幸いにしてこれまで担当者として駄目だと言われた事はなく、むしろ問題物件の
代打として事態を収束させる役割りを担う事が多かったので、お施主さんの
言葉を真摯に聴き、その言葉から本当の要求を引き出す事に時間を割きました。


幾度となくイメージの擦り合わせをし、お互いの理解が深まったところで
実施設計図を作成し、施工会社選定のためゼネコン各社に見積り依頼をすると
思った通り「ビオトープ」の認識が間違っていました。

従来のビオトープの認識は、「池」や「湿地」と言うモノ

であるのに対し、僕が提案したのは「人為的に作った自然環境と生態系」。


「池」や「湿地」などの構造物ではなく、概念的なものであるため理解しにくい
ものでしたから、ここは急がずに時間をかけて理由や考え方の共有を図って
いきました。

しかし、工事で造るのはやはり構造物ですから、写真などの映像では
こんな風に表現されます。
ビオトープの定義1.jpg
■2019/9/29 早朝の様子
水の中の魚の様子や野鳥が来た様子は前回、前々回の記事にした通りですが、
建設行為によって得られた物はこんな風に見えるだけになります。


しかし、都田川中流部のワンドに生息する水生生物を保護すると決めた事で
護岸や河床、池底の構造が決まり、玉石の大きさや配置、水流の速さが
決まってきました。



ビオトープの定義3.jpg
■ジャカゴ護岸
鉄線で編まれた網籠に大き目の割栗石を詰めたものを蛇籠(ジャカゴ)と
言います。本来は河川の護岸保護のために使用されるものですが、水生生物
にとって最も重要なのは水縁の構造と多様な環境です。

モロコやモツゴのような小さくて弱い魚は、外敵から身を守る場所がとても
重要です。このように身を隠す場所がそこかしこにあれば、魚の数は爆発的に
増えるはずと考えましたが、1ヶ月で正しかった事が裏付けられました。


以上は、ビオトープを再定義した経緯ですが、水田環境を再現したビオトープ
も決して間違いではありません。
しかし、企業の目的からすると、水田ビオトープの場合、地域性を訴求したり
来客の反応を考えると弱いものがありました。(やり方があります)

完成後のお施主さんの反応を見ると、僕の考えを100%理解されていたわけでは
ありませんでしたが、僕の説得に理解していただいた結果、水生生物が自然繁殖
できる環境となり、お施主さんが期待していた以上のビオトープが出来たと
言っていただけました。

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ビオトープのその後② [ ・ビオトープのある研究所]

今回は、お引渡しの日にビオトープ池へ放流した魚達のその後の様子です。

放流した魚は、昨年10月末に都田川水系ため池改修時に保護したもので一年近く
専門業者に預かって貰いました。
(ため池の魚を捕獲保護する際は、ため池管理者の許可をいただきました)

淡水魚専門の業者さんだったのは設計監理する側にとっても幸いで、生き物なら
ではの様々なアドバイスを得る事ができました。

魚類2.jpg
■魚の様子
基本的に臆病な魚ばかりのため、撮影の際は木道にしゃがみ込んで撒き餌で
魚を集め、大きな動作をしないように配慮して撮影しました。

生憎、水中カメラを持っていないため、水面からの反射光が入りにくいよう、
上から見下ろすようにして撮影し、撮影データの補正をして見やすく加工
しました。


この写真に写っている魚の種類ですが、鱗がハッキリとわかる大き目の魚は
オイカワで50匹ほど放流しています。日本各地の河川中流部で普通に見られる
魚で、秋冬になると綺麗な婚姻色で人気のある魚ですが、泳ぎ回る魚のため水槽
では飼育しにくいのですが、十分な広さがあるため元気に育っています。

その他の小さな魚は、タモロコモツゴで合わせて1500匹程放流しました。



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■水路部分の魚影
このプロジェクトでは、研究所棟をぐるっと囲むようにビオトープ池を
巡らすことを要求されたため、ビオトープ池とビオトープ池をジャカゴ護岸
の水路で繋いで水を循環させ、緩い流れを設けました。

水流を設けた理由は、様々な水生生物が生育できるようにするためですが、
ボウフラの発生を抑制する効果もあります。


ジャカゴ護岸には大き目の割栗石をすき間を設けて詰めてあり、小さな魚が
いつでも外敵から身を隠せるようにしました。
ジャカゴの効果は絶大だったようで、十分な水量と適度な水流のある環境は魚達
にとって安心して住めると感じたのか、放流後すぐに産卵をし、想像以上に
多くの稚魚が育っていました。

現在の水生生物は、まだ魚類だけですが生物多様性の観点からすると、
貝類やエビカニなどの甲殻類なども入ると、自然環境としてはより安定する
ため、少しずつ助言していければと思っています。

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