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密接な関係にある水害と林業(前編) [ ・台風、水害対策]

昨日は朝から、天竜川の支流である阿多古川にある天竜檜の森林ガイドツアーに参加
してきました。

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■ガイド役を務める山主の鈴木将之さん
ガイドツアーのゴール地点にある樹齢140年のシンボル檜(ひのき)の脇で説明を
されているのは、代々300年に渡ってこの地で天竜檜を生産しているそうです。

しかも、鈴木さんは山主でありながら自ら伐採管理も行う「自伐林業家」と言って
林業でも珍しい存在です。



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全国的にも放置林が問題になっていますが、写真でもお分かりいただけるように
明るくとても気持ち良い森林になっています。

鈴木さんによると、植林の際は一坪につき1本の苗を植え付けるそうで、その後は
木の成長を見ながら枝打ちや間伐を続けて、健全な森林に育てていくとこのような
美しい人工林になるわけです。


枝打ちと間引きを適切に行なって林床に十分な光が届くようになると、林床には
びっしりとシダなどの植物で覆われるようになります。

鈴木さんによると、秋までは樹が積極的に水を吸い上げるそうです。
と言うことは、森が水を欲しがる時期と雨を降らせる時期が一致していると言うこと


このような森は山自体に保水力があり、シダなどの植物が雨水を一旦蓄えるため
短時間豪雨があったとしてもすぐに水を河川に流さないため、森林そのものが
ダムの役割りをするわけです。

水害が発生すると、治水対策が重要と河川の流下能力を上げる事に意識が向きがち
ですが、それ以前に河川への流入を減らし遅らせる事をセットで考えるべきです。

一時、どこぞの知事が脱ダム宣言と言っていましたが、一時だけ狼煙をあげるだけ
ではなく、継続的に実行できる仕組みが重要でそれは国内林業そのものな訳です。


お金で生活を成り立たせている現代では、下流から上流へ利益を還元させる事を
しなくてはいけません。
14年前にこのブログを立ち上げ、ひなたCAFEを始めたのもその想いがあった事を
15年ぶりに天竜美林に森林ガイドツアーを受けて、再度思い出しました。


今回の「天竜美林ガイドツアー」イベントを主催したのは、新天竜プロジェクト
立ち上げた、天竜区出身のカメラマン内田文寿さん。
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新天竜プロジェクト 代表 内山 文寿さん
内山さんの車に同乗させてもらい現地に向かう車内で色々とお互いの事を
お話ししたところ、年齢も僕と1つ違いだったことがわかりました。

人生折り返しを過ぎ、後半をどう生きるか模索した結果なのだと思います。
僕も本業含めて、やれるだけの事をやっていきたいと改めて思いました。

後編では、山の暮らしについて少しだけ紹介しようと思います。

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