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1年前は失業者でした(笑) [ ・ランドスケープデザイン]

昨年の6月は社会人になってはじめての失業者でした(笑)

中高生になったばかりの娘2人と妻に住宅ローンを抱えながら、無職となった
のが今から1年前のこと。

無職となった最大の目的は人生の岐路を前に自由時間を創る事。
資金が尽きたらどんな仕事でもやるつもりで自由時間を許してもらい、今後20年間の
準備に充てるために必要な時間を作るのが目的でした。

やるべき事は山ほどあり、失業後の営業活動の傍ら、インプットのための旅先として
選んだ中の一つがココ。

DSCF7607.jpg
■ラ・コリーナ近江八幡  撮影日:2017年6月23日
和菓子で有名な「たねや」グループのフラッグシップストアと言う位置づけで、
写真の建物(通称「草屋根」)の奥に広がる広大な敷地には本社建屋があります。
参考記事 ⇒ https://todays-cafe-pre.blog.so-net.ne.jp/2017-07-10
藤森照信氏設計の建築を見学するためにラ・コリーナ近江八幡を訪れましたが、

「自分がやろうとしていることは公共事業よりも民間企業の方が実現する
 確率が高い!」

と気づきました。
今の自分であれば、経済合理性と市場原理を視野に

「企業価値が向上するよう建築設計者としてクライアントを支援できるはず」

と言う結論に至ったものの

「そもそもそんな施主はどこにいるんだ?」


と思っていたところ

「ビオトープを作りたいと言うプロジェクトがある」


と言う話が運よく目の前に降ってきました。


近江八幡旅行からわずか2ヶ月後の8月末で、僕の中のすべての歯車が噛み
合った瞬間でした。


こうして建設コンサルタント時代から持ち続けてきた理念はビジョンとなり、
試行錯誤から温め続けてきた30年来のアイディアを手描きイラストにし、
クライアントとの共有認識を経て実施設計図となり、先週末にはゼネコンさんが
積算をして工事価格が提示されました。


クライアントさんからは

「ここまで来たらお金を用意するのが施主の仕事だ」と言っていただけた。


ここまで来たのはクライアントさんがこういうプロジェクトを企画できるまでに
地道に準備をされてきた事が最大の要因ですが、その他にも本当に多くの人の
支援と実行があってのこと。

デザイナ―と言う立場としてはあくまで演出家であり、このあとは実際に施工を
するゼネコンさんの力量で決まる。

どのゼネコンさんに委ねるのか?
クライアントさんと良く話し合い、成功確率を上げるための判断と取組みが求め
られている。


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「ハガキ」の年賀状作成で2日間 [ ・ランドスケープデザイン]

久しぶりのまとまったお休みは、年賀状作成に充てる事にしていました。

この先いつまで「ハガキ」の年賀状が流通するかはわかりませんが、更新が簡単な
WEBではなくできる限り、紙の年賀状を出したいと思っています。
今年は特に、自分の人生における大転換点の年だったこともあり、今までとは
かなり違って情報密度が多い年賀状にしようと思っていました。


しかし、WEBサイトと違ってハガキのサイズは100mm×148mmですから、
フォントサイズや写真の大きさを小さくしても限度がありますし、第一興味を持って
見てもらうことが出来ません。


こう書いていて思ったことは、面倒なことを敢えてやると言うことは、このblogを
書き続けている事と同じで情報整理のためのトレーニングなのかもしれない。


さて、今回の年賀状を受け取ったリアルな友人達は、どのように感じるだろうか?

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墨田区・大横川親水公園の撮影 [ ・ランドスケープデザイン]

国立新美術館の「安藤忠雄展-挑戦-」を見終え、「どこでお昼を食べようか?」

と考えながら乃木坂駅に向かい、地下鉄路線図を何気なく眺めていたところ、

「大横川親水公園の写真を撮りたい!」

と思いました。

墨田区の大横川親水公園は、建設コンサルタント会社に入社して最初に担当させて
いただいた物件で、6年近く実施設計に携わり何度も何度も散策した公園。

その中に、自分が入社前に完成したビオトープがあったことを思い出しました。

まずは、最上流部にあたる押上駅(おしあげ)まで。

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■押上駅から業平橋方面へ
地図を見ると、この運河はこの先で隅田川へつながっているようです。
右手に見えますのは、東京スカイツリー!



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■東京スカイツリー見上げ
初冬の晴れ渡った青空に白いタワーが良く映えますねー!
前回来た時は、家族でTDLに遊びに来た時の帰り道でしたが、スカイツリーはまだ
建設中でした。

大横川親水公園の設計をしている時は、思いっ切り下町でしたが立派な観光地になり、
多くの観光客で賑わっていてちょっと驚きました(笑)


そんな感傷に浸りながらスカイツリーを右手に見ながら歩いていくと、浅草通りの
業平一丁目交差点に出ます。

「ああっ、ここ!ここ!」

時間を経ても意外に覚えているものです。

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■大横川親水公園の最上流部「船のゾーン」
最初に言っておきますが、写真映えするように撮影しています(笑)

説明するとちょっと長くなるし、どうでも良い事なのでやめておきますが、
水工部が受注した浄化設備が入る建屋(背後の建築部分)にテーマ性を持たせて
お化粧を施したもので建築以外を担当しました。

設備棟と言うこともあり、建物はどうしても安普請です。
しかも、当時は東京スカイツリーが来るなんて話はありませんでしたからね。



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■浅草通りからの全景
前回、TDL旅行の際に娘たちに見せたところ「わー、遊びたーい!」と言って
くれましたが、時間の都合で車から見て終わり(笑)



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東京スカイツリーをバックに
この角度からだとスカイツリーとの位置関係がわかりますよね?

今回20年ぶりに訪れて、やはりどんなモノでも使われてナンボだと思いました。

幾らランドマーク的なデザインを採り入れても、公園としての要素が無ければ
使われませんし、スカイツリーの集客効果もあって利用者も多いように感じました。

そのせいか、古い割には味が出ていて廃墟のようになっていなかったのが
嬉しかったです。



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桟橋の先の鉄鋼らせん階段の図面は、徹夜して描いたっけ(--;)


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■浄化した水の吐水口
何てことないディティールですが、公園設計を手伝ってもらっていた外注さんから
もらったFAXを見て、電話しながら深夜に盛り上がりました。

電子メールなんて無い時代、手描きのイラストでイメージの確認をとりながら作業を
進めていったわけですが、ちょうど僕も同じイメージのスケッチをしていました(笑)
僕のスケッチもFAXすると、

「あ~本当だー!じゃ、これで決まりだね~♪」

って感じで分担しながら図面を仕上げていく感じで、クライアント側も違和感なく
受け入れられたと記憶しています。
工事の発注が迫り、時間が無い中での設計作業で大変ではありましたが、楽しく
乗り越えることができたと思います。



設計やデザインの仕事って、いずれ誰かがやるわけだし、それを考えたのが誰なのか
なんて言うのは利用者にはまったく関係ない話ですが、想いを込めてやった仕事
違和感なくその場にあり続けるものですね。

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埼玉県立「彩の森入間公園」 [ ・ランドスケープデザイン]

西武池袋線「入間市駅」から15分程歩いた場所に「彩の森入間公園」と言う
緑豊かな公園があります。

建設コンサルタント会社に勤務していた頃に設計を担当した公園で、長女が生れた
翌年に訪れただけでその後、15年以上も訪問していませんでした。

先日、偶然埼玉へ帰省する友人がいたため、同乗させてもらい撮影旅行をして
きました。
DSCF7743.jpg
■「流れ」越しに見る上池の噴水
総面積は15.0haで、昭和48年に米軍から返還された基地の跡地を県立公園
として整備したものです。



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■全体平面図 ※GoogleMapからのキャプチャー
右上にあるのが「下池(しもいけ)」、左側が「上池(かみいけ)」で
二つの池を「せせらぎ」でつなぎ、ポンプで循環させています。

基本計画は上司がまとめ、僕は基本設計の段階から設計スタッフとして加入
することになり、水際まで植物が茂る自然な「せせらぎ」と給排水設備の
計画をまとめることになりました。



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■自然な流れを模した「せせらぎ」
公園に整備される前は、米軍のジョンソン基地として兵舎が点在していたこと、
埼玉県の姉妹都市が米国オハイオ州であるため、オハイオ州のランドスケープが
デザインモチーフになっています。


僕が担当したのがこの「せせらぎ」の設計と循環ポンプの能力算定です。
記憶では、「せせらぎ」の基本断面を元に、水路幅、水深、流速を決めると
せせらぎの勾配と水量が決まります。

あとは、川幅を広げたり狭めたりすれば、水深が浅くなったり深くなったり
するわけですが、20年近い歳月を経てより自然に近い「せせらぎ」になった
ように思います。



DSCF7747.jpg
■下池とせせらぎの橋
この日は生憎の雨模様となりましたが、その分、利用者も少なくて静かな公園を
撮影することができました。

設計期間中は、「マディソン郡の橋」がベストセラーとなり、阪神・淡路大震災を
受けて防災公園の機能も強化されることになりました。


その他、様々な設計課題が次々と明らかになり、とても大変でしたがその分
思い入れもひとしおだったただけに、緑豊かな公園に育って嬉しかったですね♪

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廃校の跡地利用計画 [ ・ランドスケープデザイン]

「ちょっと相談があるんだけど!」と地域プロデューサーのSさんから。

「見てもらいたい現場があって、近いうちに行けないかな?」とのこと。

「何だかわからないけど、面白そうだから良いですよー♪」と2つ返事で決め、
朝10時半に待合せをして、クライアント含めて3者で問題の共有をした後、
実際の現地へ。 

DSCF5944.jpg
■中山間地の小学校跡地
村民の人口減少で統合し、1年半前に廃校となった小学校跡地。
正門の脇には、樹齢数十年の立派なモミの木がありました。

平成の大合併で、合併した市役所の財産になるわけですが、跡地利用について
地元の自治会長に打診があったそうです。

残った校舎は旧耐震基準と言うこともあり撤去し、跡地を中山間地活性化のために
再整備したいそうです。


市側の思いつきのアイディアと、跡地利用の指定管理者となる予定の民間側。
その橋渡しをするのが友人でもある地域プロデューサーのSさん。

僕が地域プロデューサーのSさんから求められているのは、Sさんが描くビジョンと
コンセプトを共有し、利害関係者との合意形成を図るための絵を描くこと。


ランドスケープデザイナーとしての僕の経歴を知っていることから、時々こんな
依頼をいただきます。

計画地には十分に魅力があり、「これはイケそうじゃない?」と僕とSさん。
行政と地元がワクワクするようなプランを創って、地域活性化につながればこんなに
嬉しいことはありませんね♪


予算も付きそうですから、実現に向かって積極的にお手伝いしたい思いました。

 

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■立派な夏みかん?
廃校になって1年半。放置されていたミカンの木には夏みかんがタワワに実っていました。
無農薬自然栽培のはずですから、これで美味しいマーマレードを作ってみようと
思います。


上手くいけばこれも魅力的なコンテンツになるかもしれないので、関係者に試食して
もらおうと思っています。 


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「森のたまご」の参加者からの嬉しい報告 [ ・ランドスケープデザイン]

昨年11月にOMソーラー「地球のたまご」で、樹木を育てる輪を広げるイベント
「第2回 森のたまご」 を開催しました。
 
お陰様で定員を超える多数の参加者が集まり、草木染めやどんぐり拾いをして
深まる秋を楽しみました。
 
その時に参加いただいたYさんより、その時に拾ったコナラのドングリ(森のたまご)が
芽吹いたとのお知らせをいただきましたので、ほぼ原文のままご紹介します。
 
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村松様。
 
11月の「森のたまご」でお世話になりましたYMです。
 

どんぐりがかわいい芽を出しましたー*\(^o^)/*

もうかわいくてかわいくて家族で毎日眺めています。

まだまだ寒い日々ですが、季節は確実に春に向かって進んでいるだなと感じます。

大切に育てていきます。

以上、報告でした♪

今後ともよろしくお願い致します。 
 
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いやー、こういう報告は本当に嬉しいです!!!
 
家族全員で大事に育てているご様子がわかりますからね。
こうして一喜一憂しながら大事に育てた森のたまごがやがて幼木になり、成木として
庭に植えられて、町に広がっていき町全体で一つの森になれば素敵です。
 
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我が家の「森のたまご」は寒い外に置いてあるため、まだ芽吹かず。
でも、固い殻を割って根を出しているものばかりですから、1ヶ月もすればみな、
芽を出してくれるでしょう(^^)v
 
5月頃には植え替え作業を行なう「第3回 森のたまご」を予定していますから、
ぜひ、興味ある方はご参加下さいね~(^O^)/ 

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水鉢のビオトープ [ ・ランドスケープデザイン]

ビオトープと言う言葉もだいぶ一般化してきましたから、今さら説明不要だと思います。

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■水鉢ビオトープ 

昨年末、四葉社さんに樹木の管理をお願いし、助言を元に寒肥を施したところ、コナラ、
ジューンベリー、ブルーベリーなどが目に見えて樹勢が回復してきたため、庭の生物群に
多様性を持たせるため、水鉢に未草(ヒツジグサ)を加えることにしました。 


ヒツジグサとは日本に広く分布するスイレン(睡蓮)の一種で、6月に小さな白い花を
咲かせてくれ、葉も花も小さいため水鉢で育てるには丁度良いため、2年前にも一株入れた
のですが、生育状況が悪かったため追加したわけです。

今回は家の近くの園芸店で購入したところ、詳しい管理の仕方を教えてもらうことができ、
ヒツジグサは日照を好むことを知り、庇の下から芝生の庭に配置替えをしたところ、目に見えて
生育状況が変わってきました。 

 

葉も増えてきて、水中の環境が目に見えて向上してきたのと、蚊が産卵している様子から、
子供達に頼んで近くの水路からクロメダカを数匹捕まえてきてもらいました。

DSCF0767.jpg
■気持ちよさそうに泳ぐクロメダカ

前は水容積の割にメダカを多く(20匹)入れ過ぎてしまったことから、今回は5匹だけに
制限することにしました。

水生植物があるお陰でメダカが敵から隠れる場所ができ、ネコから逃げることができますし、
ボウフラを食べてくれることでしょう(#^^#)

 

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樹木だけでなく小さくとも水空間があると和みますね~♪
ヒツジグサはこの時よりも葉が茂ってきています。


今回はちょっとした時間を見つけては、メダカやヒツジグサの様子を確認することが
楽しみになってきました。

先日、ヒツジグサが小さな白い花を咲かせているのを発見したのですが、
夕方に写真を撮ろうとしたところ、花を閉じてしまっていました(@_@)


ヒツジグサとは午後2時頃に花を咲かせることから付けられたようですが、
実際は朝から夕方まで花を咲かせてくれるそうなので、次回は見逃さないように
したいと思います。
 


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温泉地振興計画のための現地調査 [ ・ランドスケープデザイン]

いつもお世話になっているライフスタイルプロデューサーのSさんが、今年度中の
委託業務として、古い温泉地活性化するための基本構想業務を行政から請けたそうで、
その報告書に使用するイメージ図の作成依頼を請けました。

業務の完了は秋の予定だそうですが、比較的手が空くこの休みを利用して計画地の
現地調査をして参りました。

そ、それにしても今日も暑かった…。

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■出荷前の完熟イチヂク
ちょうど生産者の農家の方がいらしたため、許可をいただきイチジク畑を撮影
させていただきながら、イチジクのことを色々と取材させていただきました。

こういう何気ない会話があとあとコンセプト策定に活きてくることが多いですから、
意外と侮れないんですよねー♪ 

 

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■計画の中心となるゾーン
計画の中心地と言ってもご覧のように何もありません(笑)
せめてこの川の水が透明で良い匂いがし、水量豊富にとうとうと流れていたら。
そんな会話をしていました。

正直なところ、少しばかり手を入れただけで何とかなるものでは
なさそう。
それほどにベースとなる自然環境って重要なんですよね〜♪
どうせなら何も手続かずで、当たり前の農環境がある方が価値があるのに。 

 

IMG_2890.jpg 
■民家の立派な門
この門、立派でしょう?
元々は小作人が住んでいたそうですから、門と言えども侮れません。

 

IMG_2898.jpg
■木漏れ日が美しい神社
これも何でもない景色ですから、心の声に気づかないとうっかり通り過ぎて
しまうでしょうね〜。

 

ランドスケープデザイン(=景観設計)の業務はとうの昔に足を洗いましたが、
10年経とうが20年経とうが基本的に業務内容は変わりないし、
単に建物のデザインをしているわけではありませんから、

「今でも必要とされるなら…」

と思って引き受けています。
僕らのビジョンが行政の方や住民の支持を受けて、今よりも良くなるのなら、
こんな嬉しいことはありませんからね。

さーて、どんなコンセプトで提案されるのでしょうか?

楽しみながら僕らのビジョンを画にしたいと思っています。 


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植えるだけで「宴会」が出来る樹 [ ・ランドスケープデザイン]

晴天の今日午前、現場へ出る途中にあった桜と青空のコントラストがあまりに
綺麗だったため、立ち止まって撮影しました。
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■ソメイヨシノの白と浜松の抜けるような青空
満開直前のサクラと青空の美しさに見とれ、思わず空を見上げて撮影してみました。
割と急いでいたのですけどね・・・(^^;)

 

このサクラを見上げた時、ランドスケープデザイナーとして埼玉県入間市内に13haの広さの
大きな県営公園の設計を担当していた際、その公園の基本計画をされたA賀さんから
教えられた言葉。

 

「村松君。サクラって凄いんだよ!

 植えるだけで宴会が出来るんだから・・・。

 こんな樹は他にないよ!」

 

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そりゃそうだな~(笑)
1本その場にあるだけで、こんなにおめでたい気分になる樹ってそうはないですよね?

寒い冬が終わってこれから暖かくなっていくことに加え、新年度の始まりで新しい出会いや
別れと重なる時期は色々なワクワクやドキドキが待っていますよね。


そんな時期に、1週間だけの儚い「景色」を演出してくれるサクラ

 

もし、日本の年度始まりが9月になってしまったら、サクラのある景色もまた違ったように
人の心に映るのでしょうね・・・。


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浜松を象徴するランドスケープ [ ・ランドスケープデザイン]

元日に浜名湖サイクリングをした際の帰り道のこと。
普段見慣れているはずのこの景色を見て、思わず足が止まりました。
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■旧東海道「舞阪宿」の松並木
手前右側にある建物は公衆トイレなのですが、この手前で現在の国道1号旧東海道
分岐しています。

 

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■1,604年から残る旧東海道の景色
ひなたCAFEにほど近い国道257号も旧東海道のため、ところどころに松が残り松並木の
名残りは感じられますが、ここほど東海道らしい景色を感じることはできません。

車の場合は移動が目的ですから、一度二度通っただけではこの景色すら気付いて
いない人も多いかも。
道路幅は狭く一方通行になっているため、意図しなければまず通ることはないと思います。

 

もちろん浜松に戻った10年以上前からこの場所の存在は気付いていましたが、これまでは
「旧東海道の松並木が保存された場所」という認識でしかありませんでした。


しかし、「浜松城公園長期整備構想」について考える機会をいただいたことで、
今回、この場所を通った際にこの場所が違ったものに見えてきました。

と言うのも、「この景色こそ旧浜松を象徴するランドスケープになるのではないか?」
と思ったからです。

 

当初、浜松城公園セントラルパーク構想として計画されていたものが白紙に戻され、
浜松城公園長期整備構想というプロジェクト名に変更され、


徳川家康が居城した浜松城


を核とした整備になりつつあります。

 

昨年の年末に浜松市が実施した、浜松城公園長期整備構想にかかる意見交換会
に出席した際に参加者の一人が発言した、


「浜松城なんだから徳川家康で良いんじゃないか?」


という意見を聞き、


「ごもっともだ!」


と多いに納得しました。

 

その意見で僕自身の考えもまとまり、

(緑政課による)浜松城公園内だけの整備ではなく、道路課や都市計画課も
 交えて旧浜松城跡を一体的に統一し、265年間続いた江戸時代をつくった
 徳川家康のことがわかる公園にしたらどうか?」

と僕自身の考えを申し上げました。

 

そのコンセプトなら、「ランドスケープデザイナーとして絵を描ける、手が動かせる」
と思ったからです。

100年先を見据えた公園整備計画には誰も反対しないでしょう。
まして、265年ですよ。
徳川家康が果たしたことから現代人が学ぶことは多いように思いました。


 

現代における戦いとは、ビジネスと言えるでしょう。
浜松と言う町は、全国的にみても起業する人が多いそうです。
トヨタ、ホンダ、スズキ、ヤマハなど世界的企業の創業者を多数輩出しています。

浜松城の出世城というイメージは、ビジネスマンにとってはとても縁起が「良い」と思うんです。

 

そのようなわけで公園整備を徳川家康を柱にするとしたら、ランドスケープのモチーフは
浜松城を核とした江戸の景色だと思ったわけです。

もちろんそのまま再現するだけではなく、周囲の状況によってはモダンにアレンジすれば、
世界に通用するクールジャパンとして紹介できると思います。

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■舞阪宿の説明石碑
石碑の裏にはこの松並木に関する説明が書かれていましたので、文章の一部を
校正し、ご紹介したいと思います。

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東海道松並木

この松並木は1,604年(慶長9年)、徳川幕府の命により街道を整備し、
クロマツを植えたのに始まる。
1,712年(正徳2年)には、舞阪宿の東端見附石垣より馬郡(まごおり)境
までの約920メートル(八町四十間)、道の両側の堤に1,420本の立木が
あったという。

その後、寿命や台風で倒れる度に植栽などを行って来たが、
1,938年(昭和13年)の国道付掛えの際に堤を崩し両側に歩道をつけ、
今日の姿になった。

現在700メートルに約330本ある松並木は、旧東海道の面影を良く残している。

                      舞阪町・舞阪町教育委員会

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【舞阪宿松並木の解説】

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対面には舞阪宿(まいさかじゅく)の解説

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舞阪宿

舞阪宿は江戸日本橋から264.9キロメートル(六十七里)、品川宿から数えて
三十番目の宿である。
東海道の陸路は舞阪で一度切れて、ここから新居宿まで海上一里半、
船を頼りとして渡ることになる。

浜名湖はかつて「遠淡海(とおつおうみ)」とうたわれる、淡水湖であったが、
1,498年(明応7年)の地震により切れて入海となった。

その切れ口を「今切(いまぎれ)」と呼ぶ。
地震による被災から復興して、今切渡船の発着地となり、舞阪は交通の
要地となった。

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県外から浜松にいらしたお客様が、松並木やクロマツに隣接して設置された
サイン(案内板)を目にしたとしても違和感を感じないどころか、


「そうだよなー、浜松らしいよね!」


と納得してもらえると思うんですよね。

 

今後、浜松城公園整備構想がどうなるかはわかりませんが、少なくともこれ以上に
納得いく案に発展して欲しいと思いますし、機会があれば発言をしていきたいと思います。


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