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【完成】浜名湖ガーデンパークの屋外ステージ膜屋根改修工事 [ ・浜名湖ガーデンパーク]

久しぶりの投稿になります。

静岡県営公園「浜名湖ガーデンパーク」内にある屋外ステージ棟の幕屋根
改修工事の実施設計を昨年2月まで担当し、令和4年度に改修工事が行われて
いましたが、この3月末に完了致しました。
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側面アップ(完成後)
RC部分は屋外トイレで、塗装工事も追加されてきれいになっていました。


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正面全景(完成後)

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正面全景(改修前) ※令和3年9月当時

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膜屋根のアップ(改修前)
破損した原因は紫外線や熱負荷などの環境要因によるもので、設計耐用年数を超えた
ところからです。

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内観全景(改修前)
膜屋根は「屋根膜」と「天井膜」の二層校増になっていて、破損しているのは
「屋根膜」の方です。

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内観全景(改修後)
既存の「天井膜」は破損していませんでしたが、屋根膜の張り替えのために
撤去しました。
設計委託時は「天井膜は不要」とのことでしたが、野鳥が巣を作る恐れがあるため
代わりに「防鳥ネット」を提案し採用となりました。


浜名湖ガーデンパークは来年で開業20周年を迎えるため、20周年記念イベントを
開催する予定のようなので、屋外ステージ棟は式典会場として使われるはず。
その他にも幾つかリニューアルされるようなので、来年が楽しみです。

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屋外ステージの膜屋根改修工事 [ ・浜名湖ガーデンパーク]

大寒波到来の朝、3週間ぶりに浜名湖ガーデンパークへ。

最低気温-4℃は、温暖な浜松市では確かに寒い。日が出たと言っても朝の浜名湖は
0℃で流石に風が冷たい!

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■撮影日:令和5年1月25日
足場が全てバレていて、仮囲いの外からでも屋根の状況が確認できました。
亜鉛メッキドブ漬けだった鉄骨部が、綺麗に塗装されていることが分かりますね。
重塩害地区ですが、JIS規格を超える耐久性のある厚膜塗装を施していますから、
次に幕屋根の全面改修をするまで再塗装する必要がありません。

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■撮影日:令和4年9月10日
4ヶ月前は丁度、足場工事の真っ最中でした。
写真下に見えるRCの壁は外部トイレで、外壁面が綺麗になっていましたので
屋根の改修工事とは別に工事発注された様です。


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■撮影日:令和5年1月25日
反対側から。

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■撮影日:令和4年9月10日
足場があっても、綺麗になったのが一目で分かりますね。

足場がすべてバレたと言うことは、膜屋根改修工事、天井の防鳥ネット工事、
鉄骨部の重防食塗装工事の施主検査、役所検査が完了したと言うことなので、設計時
よりも早く工事が進んだことがわかり、ホッとしました。


その他、外から確認できる部分の工事も完了していたので、既存不適格だった内部の
防火シャッターに危害防止装置改修が済んでいれば、特定行政庁である浜松市と
浜松消防の完了検査を受ければ、検査済み証が発行されるでしょう。

後は、お掃除を済ませて静岡県の発注者検査を受けて、合格となれば仮囲いも
撤去されて半年ぶりに共用可能となります。


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100tクレーンで幕屋根の揚重 [ ・浜名湖ガーデンパーク]

前回から1ヶ月が経ってしまいましたが、自身の記録でもあるのでやれる時にやれる
範囲で記事をアップしていきます。


さて、1年前の12月は「浜名湖ガーデンパーク屋外ステージ幕屋根修繕工事」の
建築確認(公共工事の場合は、建築計画と言います)の事前審査に出したところまったく
想定外の指摘があって対応に追われていました。

指摘内容は、設計者の見落としによるものではなかったため、発注者の県側が設計の
工期延長と契約見直しを打診をしてくれた時期でした。


工事が計画通りに進んでいたため、屋根工事を担当する予定だった会社の担当者に連絡
を入れて、屋根幕工事の日程を教えてもらいました。
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■屋根幕を揚重したところ
グラスファイバー製の屋根幕も千㎡近くあると、巻き取っている芯材を含めると1t
近くあります。
それを片側から屋根の中心部へ向けて荷下ろしするために、100t吊のラフタークレーンを
設計に加えました。


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■仮設計画立面図
住宅などの設計では仮設図を描くことは稀だと思いますが、入札で工事業者を選定する
大型物件や公共工事では、仮設計画をどのように見込んでいるのかで建設コストが
大きく変わってきます。

そのため、安全確実に工事ができる仮設計画が設計段階でも必要になりますが、自分は
工事監督の経験が無かったため、手探りで妥当性のある仮設図を作成しました。


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■仮設計画平面図
平面図では、資機材の搬入ルート、重機配置を想定し、それらを取り囲むように仮囲い
とゲートを設けます。


建築設計と言うと完成したものだけで評価されてしまいますが、少ない設計費用の中で
経験の少ない設計スタッフ(←私のこと)で、契約工期内で終わらせ無いと発注者の
評価は下がってしまい、次年度からの指名が入らなくなるため責任が伴います。


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■クレーン全景
見積り取得した時の調査では、この100tのラフタークレーンは静岡県内に3台しか無く、
その内の1台が「この日この時この場所に来て仕事をしている」事が感慨深かったです。

この仕事で学んだ最も大きなことは、仮設計画の重要性でした。
工事の完成引き渡し日から遡って、屋根工事を始める日が決まり、さらに遡って
多数の職人さんが安全に仕事ができる足場が完成していること、足場工事に
着手する前には綿密な足場計画があり労働監督署の許可が下りていること。


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■屋根幕の展開作業
やはり実際に見ると見ないでは大きく違うもので、屋根膜を展開する際はクレーンを
使って広げていくものだと思っていました。
しかし、実際は大梁の上に乗った3人の職人さんが人力で1t近い屋根幕を引っ張って
いました。

「いっせーのソレ!う〜重い〜。誰か上がってこーい!」

と親方らしき人が声を張り上げていました。


ちなみに幕屋根工事の会社は、世界的にも有名な企業でオリンピックやワールドカップの
競技場屋根の他、万博などの仮設建築に使われることが多いため、この職人さん達も
海外での仕事経験がある人かもしれませんね。

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大規模修繕工事の設計業務 [ ・浜名湖ガーデンパーク]

昨年2021年9月から県営施設の大規模修繕工事設計業務を担当していましたが、
設計業務が完了する前に建築確認も下り、設計業務の完了検査を受け、
無事パスしました。

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■(仮称)屋外ステージ 外観
僕が設計を担当したのは、屋外観覧席上部の屋根改修でした。
その他にも幾つかの改修箇所がありますが、メインは経年劣化で破損した膜屋根の
全面張り替えです。


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■観覧席 内観
写真上部の明るくなっている部分が破損している箇所です。
完成から17年を経過し、膜の溶着部が紫外線等で劣化して剥離したようです。

幸い屋根膜の下に天井膜が残っているため、日射遮蔽はできていますが降雨から
守ることは出来ません。


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■(仮称)屋外ステージ 遠景
ご覧の様にとても開放的な環境にある上、利用料が安く人気が高い施設で
年間の稼働率も高いとのこと。特にコロナ禍になって三密を避けることが求め
られるようになり、ますます稼働率が向上したそうです。

そのため、急遽、改修工事の設計業務が発注となり、僕が所属する建築設計
事務所が入札で落札し、僕が担当させていただくことになった次第です。


「膜屋根構造なんてわからんぞ?」と言うのが偽らざる感想でしたが、竣工図を
トレースして現場に何度も足を運んでいるうちに、納まりや構造が理解できて
きました。
それは県の担当者もそれは同じだったそうですが、打合せで僕が理解したことを
説明する過程で理解を共有してくれました。


僕達の仕事はあくまで設計までです。正式に予算がつき、工事発注の段階を
経て施工者が決まり、工事契約を締結してようやく現場が動き出しますから
完成を見るのはどんなに早くても来年ですが、週末の天気が良い時に散歩がてら
進捗を確認しにいきたいと思います。

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