浜自カフェの自転車置き場? [■自邸の施工]
長女の首と腰が座り、陽気がよくなってきた2002年の4月。
「あたしも、自転車が欲しいんだけど・・・」
と言う妻に、提案したのがビアンキだった。
妻の自転車は、イタリアの『ビアンキ』と言うメーカーのクロスバイク(レディス仕様)。
昨年、創立120周年を迎えた世界最古の自転車メーカーで、
チェレステブルーと言う、緑に近い空色がイメージカラー。
↓【参考】ビアンキ(サイクルヨーロッパHP)
http://www.cycleurope.co.jp/2006/bianchi2006.htm
車のない妻はチャイルドシート仕様のビアンキを駆って、浜松を駆け巡っている。
かなり目立つらしく、、、
「昨日、ミスドのあたりを走っていましたね?」
「3時頃、ゼット橋の上を走ってましたよね?」
などと目撃情報が絶えない(笑)
在京のサイクリストの友人も、
「東東京エリアでは、見たことないですよ!」
シートベルト付きバケットタイプのチャイルドシート(トピーク製)は、長女が生後8ヶ月頃から
乗せているが、車よりも気持ち良いらしく、喜んで乗っている。
写真のビアンキは、買った当時の仕様のものとは大分違い、変更が施されている。
妻が、東京に帰省している間に、前後のホイールをエアロホイールにし、ブレーキ廻りを
上位機種にグレードアップした。
先日、凧揚げ会場に行った時も、僕が長女を乗せて走ったのだけど、
会場の駐輪場に着いた途端に、もの凄い破裂音と共に、前タイヤが破裂した(@_@;)
タイヤサイドが劣化して、空気圧に耐え切れず、破裂したのだった(笑)
仕方が無いので、丸二日置き去りにし、交通規制が解除された深夜に取りに行き、
昨日、タイヤを取り替えて完全復活したばかり。
ついでに、メンテナンスを施し、キレイに磨いてあげた。
サイクリストにとって、自転車は室内保管が当たり前!
そのための、スペースをどう確保するか考えた結果、玄関ホールと階段の下に置くことに決めた。
さらに、スポットライトをあてショップのようにした。
ちなみに、妻からの要望ではなく、僕が勝手にやったことだけど・・・
僕のロードバイクは、玄関ホールに置いた。
実家に預けてある僕のマウンテンバイク(MTB)を置くことは設計当初から考えていた。
ローコストのための工夫 [■自邸の施工]
ローコストのための工夫についてです。
そもそも、
「ローコストと言う言葉はおかしい!」と思っています。
「???」
「建築は、施主が必要だと思うものを適正な値段で作るのが当たり前だから!」
「?????」
人によって我慢できるところ、こだわるところが違いますよね?
単に、安く作るだけならこだわりを無くせば良い!
浜自カフェ建築に与えられた予算は1,750万円まで。
私達は、地元のスギ材を使って、大工さんが手で作る家にこだわりました。
尚且つ、小さいながらも店舗としての存在感を出し、住まいとしても
使い勝手を満たすことに最も知恵を絞りました。
予算に応じて、必要なところに必要なコストをかけただけ。
決して、工務店さんに値引きを強要したり、合見積りをとって競争させた訳じゃ
ありません。
でも、敢えて「ローコスト」って言葉を使うとしたら、屋根なんかは
ローコストの工夫をしているところかも?
浜自カフェは、屋根材が見えない様にデザインされています。
屋根を敢えて見せないようにして、安くする工夫をしました。
屋根材は、折板(せっぱん)と言って工場や倉庫などに使うものを採用しました。
素材はガルバリウム鋼板のシルバー色。
折板のままでは雨音がうるさいので、野地板の上に『吸音』を兼ねて、
断熱材(マグボード32k)を敷きました。
2階の天井は、いわゆる吊天井ではなく、野地板の裏面が見えています。
野地板には、スギの間伐材を3層積層した「Jパネル」を採用しました。
あとで判ったことですが、このJパネルも天竜スギでした。
厚さが36mmあり、水平面剛性を高めると共に、表わしの天井材になります。
パラペットには、外壁通気の排気口も設けてあります。
外壁面や屋根裏で暖まった空気は、パラペットから排気し、温度上昇を抑えます。
決して、住宅としての基本性能を犠牲にしている訳じゃありません。
ガラスはすべて、ペアガラスを採用し、一部には防犯ガラスとすることで、最低限の
防犯性は確保しました。
ローコスト住宅と言う言葉が、何か一人歩きしている気がします。
一千万円だろうと、五千万円だろうと、金額ではなく施主として譲れないものがキチンと
反映されていることが最も重要ではないでしょうか?
超絶!スラブと立上りのコンクリート一体打ち! [■自邸の施工]
浜自カフェのコンクリート基礎は、いわゆる「ベタ基礎」です。
正しくは、「ベタ基礎+耐圧盤」と言う基礎構造です。
耐圧盤は、カフェ店舗部分。
立ち上りが無いですから、剛性を確保するために耐圧盤になっています。
(まっ、そんなことはどーでも良いですね?)
さて、、、本日の話題は「ベタ基礎」のスラブ(床版)と立上り部のコンクリート一体打ち
についてです。
一般的には、スラブのコンクリートを打設したあと、立上り部分の型枠を組んで
コンクリートを打設する工法が殆どだと思います。
しかし、打継ぎ部分が一体化していないと、水が入ったり、シロアリが入り込むことがあります。
そのため、基礎は一体打ちするのが理想なんです。
浜自カフェの基礎工事を担当してくれた、コンクリート工事会社代表のK君は、人柄も良く、
仕事がとても丁寧。
型枠がまた美しいのですが、毎回工事が終わると鋼製の型枠を油で掃除するそうです。
基礎天端の精度は、±1mm以内。
大工さんからも、「仕事がしやすい!矩(かね)が出る!」と好評です。
では、どうやって一体打ちをするのか見てみましょう!
写真のように、内側の型枠は浮いた状態になります。
そのため、専用の型枠が必要になります。
専用型枠にはかなりの投資が必要だったため、とても型枠を大事にしているんですね~♪
ポンプ屋さんは、自前のポンプ車を自在に操り、
「どこでも打つよー!」と心強い。
まずは、立上り部の下部に押さえのコンクリートを投入していきます。
基礎屋さんの他、工務店の監督も一緒になってバイブレータをかけて、生コンを液状化させて
充填していきます。
立上りの下部を打ち終えたところ。
この後、スラブ部分の生コン打設に入ります。
今回は、テストピースも採取しました。
1週強度用と4週強度確認用です。
木造住宅の場合、テストピースを採ることは少ないのですが、自身の勉強を兼ねて敢えてやって
みました(有料です)。
検査は、第三者機関によるものはなく、生コン会社の自主検査となります。
左側の写真は、混入エア量を計測しているところ。
右側は、流動性の指標となる、スランプ値を計っているところです。
6本の黒い(鉄製の)筒は、強度試験用のテストピースを採取するための型枠です。
1週強度は、1週間後に圧縮強度試験機にかけて、規定の強度が発現しているか調べます。
4週強度は、28日後に圧縮強度試験にかけます。
コンクリートは、セメント、水、骨材(砂と砂利)を混錬したものですが、水とセメントの
水和反応により、ガラス質の結晶体を構築していくもの。
(だから綺麗に打ち上がったコンクリートの表面はピカピカしているんです)
水和反応は急速に進むのではなく緩やかに進むため、その反応の状態を確認する目的で
行うのが、上記の試験です。
ここで大事なことは、水を枯らさないこと。
セメントは水と出会うことで始めて結晶化する訳です。
つまり、コンクリートを乾かすなんてのはとんでもない行為です。
良いコンクリート基礎を作るには、良い材料、良い打設。そして、良い養生が必要なんです。
誰ですか~?
「コンクリートなんて水でこねてドロッと流すだけじゃないの?」
なんて言っている人は!
屋根上からの建前レポート。「餅撒き」は超お奨めです! [■自邸の施工]
上棟式の前に、餅撒きのための
紅白のお餅、撒き菓子(お菓子問屋で大量購入)
撒き銭(半紙で1枚1枚包んだもの)
をクレーンで屋根の上まで運びます。
この頃になるとどこからともなく、人々が集まってきます。
始まったのは夕方5時ぐらいからでしたが、
2時半から待っていた男の子がいました。すごい!
まずは上棟式が屋根の上でつつがなく行われました。
(ちなみに棟梁は、矢沢永吉に似ています!最高~♪)
そして、、、
いよいよ餅撒きです(ゴクッ)。
下の方からは殺気のようなものがビシビシと伝わってきます。
遠州地方では、最初に隅餅(すまもち、すみもち)と言って、
大きな餅を家の四隅に投げます。これが餅撒きの合図となります。
隅餅は縁起がいいこともあって、
これだけ狙いの人もいるようです。
妻も隅餅を投げたのですが、運悪く足場に隅餅が引っ掛かってしまい、
やり直しになりました(。。。ダッセー!)
_| ̄|○(←妻)
それから、お餅、お金、お菓子を撒いていきました。
餅拾い慣れた人は、地面にしゃがみこんで落ちてきたお餅を片っ端から
拾っていきます。
高齢者もこの時ばかりは、若者並みの素早さなんですよねー!
余りに皆必死なので、投げる方はとても楽しいです(笑)
また、お餅もかなりあったので撒きごたえがありました。
拾いに来た人が思いの他少なかったので、皆さん結構拾ったようで満足顔でした。
そんなこんなで、餅撒きも無事終了。
最後に職人さん達にご祝儀と引き菓子をお渡しし、その日は
お開きになりました。
妻も、この日のための準備や今日一日、いろいろ忙しかったですが、充実感があり
「本当にやってよかった!」
と思ったそうです。
上棟式の準備、そして当日。 [■自邸の施工]
大安吉日の昨年9月19日。
その日は、いよいよ浜自カフェが上棟の日でした。
これまで、平面だったものが、一気に立体に組み上り、
建物の形になります。
私達施主や設計者は勿論、大工さん達にとっても最大の見せ場となります。
棟梁(大工さんの頭)をはじめ、職人さん達に気合いが入っているのが良く判ります。
上棟式は、屋根の上に上って無事上棟したことをお祝いし、
今後の工事の無事を神様にお祈りをする儀式です。
通常、女性は屋根の上には上がれないことが多いのですが、うちの棟梁は女性でも
上げてくれます。
また、ここ浜松は元より静岡県西部地域では、今でも上棟式の際には、
お餅を撒く習慣が残っています。
ハウスメーカーや建売住宅で家を建てる場合は省くことが多いのですが、
家を建てるなんてのは、一生に一度のことだし、施主だけの特権だと思っている
ので、餅投げをすることにしました。
結論から言うと、、、
やってよかったーーーーー!!!!!\(^o^)/
すっごく感動しました!
カミサンもすっごく感激してました。(*^_^*)
夕暮れの屋根の上で、棟梁、監督、設計チームの皆でお祝いをしたことは、
一生の思い出となりました。
これまで、一生懸命準備してきたことが報われた気がします。
■上棟式に必要なもの
○お神酒 1升
○お塩 小皿に少々
○お洗米 小皿に少々
○五円玉 12枚
○紙コップ 人数分
■餅撒きは
○袋入りの紅白のお餅 2俵
○お菓子 1万7千円分
○撒銭、投げ銭 5円玉と10円玉を合わせて、5千円分
を上棟式までに用意しました。
上棟式当日は、職人さん達の労をねぎらうために、ささやかながら昼食を
用意しておもてなしをしました。
仕出し弁当(地元では老舗の料理屋さん「鳥善」のもの)の他に、
妻得意の豚汁(これは徹夜して20人分作りました)、
フルーツ(梨、ピオーネ、メロン)です。
豚汁は、皆さんおかわりしてくれましたが、ブドウはちょっと食べるのが面倒そう
でした。。。(>_<)
長くなりましたから、続きは次回にします。
まさに大工さんによる手作り!刻み作業の見学♪ [■自邸の施工]
浜自カフェは、工務店さんと棟梁のご好意によりプレカットの予算ながら、
大工さんの手刻みでやっていただけることになりました。
現在は『プレカット』と言って、製材所であらかじめ機械で加工してしまうのが
圧倒的に多いんです。
妻「え~、機械の方がミスはしないし、正確じゃないの?」
僕「ところが、違うんだな!機械には木材の見立てはできないよ。大工さんは 木の表裏(山に生えていた時の状況で決まる)を見て、また、 使う場所によって木材を使い分けるんだよ。 うちは梁を表し(あらわし)にするから、こういうところで差が出るんだ!」
妻「なるほど~♪」
上の写真は、棟梁が木材を刻んでいるところを見学させていただいた時のもの。
我が家で使用する、梁がズラーとならんで壮観そのものでした。
棟梁も、「是非見に来て!」と言ってくれた。
妻「これが組み上がって、家になるのね~!」(←感激している様子)
梁の上に乗っているのが「板図」と言って、大工さんのいわば「材木加工図」です。
木材は、真っ直ぐではない上に、乾燥が進むと曲がってきます。
そんな、生きた木を正確に組む技術は、日本の大工さんならではのものだと
思います。
浜自カフェは、上棟してから7ヶ月が経過しますが、初めて来るお客さんから、
「わぁ~、木の香りがする♪」
と言われます。
僕らはもう馴れてしまったせいか、判らなくなってしまったのですが、
今もって香りを発散してくれているようです。
コンクリートのお風呂は意外に好評でした♪ [■自邸の施工]
コンクリートで造ったお風呂は思いの他好評でした。
・確実な防水性!
・本物のもつ素材感(プラスチックをむやみに使わない)!
・できるだけ単純化!
・ハウスメーカーがやらない!
と言うキーワードで僕の思い込みだけで造ったお風呂。
「どうせ、建築オタクしか興味ないよ!」(;_:)
と思っていました。
ところが、金融機関のおねいちゃんとの雑談の際、お風呂の話をしたら興味深々なんですよね?
その上司も見に行きたいと言っていたそうだ。
見に来た友人達は「ホテルみたい~!」
あれっ?若い人だから抵抗がないのかな?
ところが、新居を見に来た義父も、
義父「長湯したよー!いいねーあのお風呂!」
私「え~~~、お風呂のドアを作る予算が無かったから、シャワーカーテンだよ!」
義父「いやぁ~、全然構わないよ!」
?????
どうも思っていた以上にウケが良い!妻も気に入ってくれている。
まっ、良いか! オーナー(妻)が気に入っているし。。。
フロアの床タイルは、INAXのサーモタイルを採用しました。
確かに、ヒヤッと感は軽減されている感じ。
お掃除はデッキブラシでゴシゴシ、ゴシゴシ。
お風呂(朝はシャワー)から上がる時は、ミラーキャビネットに結露した水を拭いて
からあがります。腐っちゃうからね!
鉄筋コンクリートで作るお風呂! [■自邸の施工]
浜自カフェでの試みの一つがRC造のお風呂です。
RC(アールシー)と言うのは、『鉄筋コンクリート』のことを言います。
この話をすると、殆どの方が
「えっ?何でコンクリート?それってどうなるの?」
と言う反応をします( 一一)
そりゃそうですよね?
今やユニットバス全盛の時代。住宅の95%がユニットバスを採用しています。
それ位、性能もデザインも良くなっています。
RC造の住宅なら当たり前かもしれませんが、
でも敢えて、木造にRC造のお風呂を作ることに挑戦してみました。
主な理由は以下の3つです。
1)浴室+脱衣室を防水空間にするため
2)最もシンプルな浴室を作りたい
3)日中の太陽熱を蓄熱するため
■解説
1)浴室を防水空間にする必要性は言うまでも無いでしょう。
しかし、洗面脱衣室に防水(耐水)性が必要であることは余り知られていません。
2)お風呂の構成要素は、防水空間に、バスタブと給排水設備、換気扇、窓だけです。
それをシンプルに、ローコストで作る手法として試してみることにしました。
3)冬季、南の大きなガラス面から得られる日射エネルギー(ダイレクト・ゲイン)を
コンクリートが蓄熱し、やんわりと室内を暖めてくれないか?と考えました。
* * * * * * * *
2005年9月1日。
この日は、浴室と脱衣室のコンクリート打設の日。
私も基礎屋さんに頼んで、生コン打設のお手伝いをさせてもらいました♪
図面を描くだけではなく「現場を知る」ということがとても大事だと考えています。
と言っても、邪魔にならない程度にやっただけですけどね(●^o^●)
でも、とても良い経験になりました。
私らは竹棒を生コンの中に突っ込み、生コン中の空気を追い出す作業を担当しました。
通常、生コンには作業性(ワーカビリティー)を向上させるために
意図的に5~7%程度の空気を混入させます。
そのままコンクリートが固まると、コンクリートに空隙ができます。
しかし、構造体としてのコンクリートには空隙は不要です。
バイブレータは、コンクリートを充填させるだけではなく、密実なコンクリート構造体を作る上で
欠かせないものなのです。
現在では、バイブレータを使って行っていますが、バイブレータが
開発される以前は竹棒を使ったり、木材で生コンを叩いたりしていたそうです。
(打設の由来は、「たたく」からなんだそうです。へぇ~、55へぇ!)
生コンが製造される以前の現場練りコンクリートでも、
打設と養生が良いものは中性化の進行が遅いという調査結果があるようです。
この話は、㈱総合コンクリートサービス代表の岩瀬文夫氏のレクチャーによる
ものです。
目からうろこが落ちた思いがしましたので、ご紹介いたします。
㈱総合コンクリートサービス→http://www.sc-con.com/
参考図書