SSブログ
 ・耐震強度、地震対策 ブログトップ
前の10件 | 次の10件

東日本大震災が現代の日中に起きたことの意味 [ ・耐震強度、地震対策]

前回、地域の津波シンポジウムに参加したことを書きましたが、今回も3.11関連です。 

3.11の大地震が起きた日の夜、各テレビ局が津波液状化街が混乱する様子を放映
していたのを観て、こんなことを考えました。
 

誰でも手軽に動画を撮ることができ現代の日中に起きた大災害なんだ!
そして、その映像を個人が世界中に向けて配信できるんだ。


ということ。

「何を今更!」と思われるかもしれませんが、安政の東海地震が起きた160年前は言うまでもなく、
わずか10年前でも不可能なことで
した。


また、1993年7月12日に起きた北海道南西沖地震では、大津波で奥尻島が大きな被害を
受けましたが、地震発生時刻
午後10時17分だったため、映像で知ることができませんでした。



2004年12月26日
スマトラ島沖地震は、現地時間で午前7時58分の発生だったため、
幾つかの津波映像を観ることができましたが、残念ながらあの映像から、日本での津波災害を
イメージできた人が少なかったと思います。

 

もし、3.11の地震が深夜に起きたものだったら・・・。

遠隔地の僕らが知ることができたのは、翌朝に撮影された津波が襲った傷跡だけだったはず。 

 

しかし、今回は違います。


死ぬ思いで撮影した映像をYouTubeを観ればいつでも誰でも検索して、観ることが
できるわけです。

大量の海水が盛り上がって街や人を飲み込む津波の恐ろしさを知ることができたため、
たくさんの人の意識を一気に変えることができたのだと思います。

 

東海地震の第4次被害想定は、6月に発表される予定のようですが、
自然の大きなパワーに力で対抗できるわけもなく、受け入れて共存していくしかないですから、
リスクとやれることのバランスを考えてアタフタしてみようと思っています。
 

今回は何か結論を導きたいわけではなく、もうすぐ1年を迎えるにあたり、何かを考える
きっかけになればと思いこんな記事を書いてみました。


nice!(7)  コメント(3)  トラックバック(0) 
共通テーマ:住宅

3.11以降で変わった地域の地震防災意識 [ ・耐震強度、地震対策]

2/18(土)9時半~12時 地域の防災シンポジウムが開催されたため参加しました。IMG_0763.jpg
■篠原地区 津波シンポジウム

「津波対策の問題を行政と共に考えよう」

今回のテーマは、東海地震ではなくズバリ「津波」


主催者は地区の自治会で、浜松市危機管理課の職員も5名出席されていました。

これまでは東海地震を想定した地域防災訓練が主体だったのですが、今回のような勉強会や
行政の職員との意見交換会が行なわれたのは、明らかに3.11があったからでしょう。

 

その証拠が今回のシンポジウムの参加者数。

公民館大ホールの定員を大幅に上回る申込みがあったそうで、


①1家庭1人の参加に限定


②自治会役員の参加は見合わせ


にも関わらず、215名の参加者で会場は定刻前に満席の状況。

しかも、、、出席者の殆どが年配の方と言うのが驚きでした。
50歳後半~60歳後半が多数で、平均年齢は60歳と言ったところでしょうか?
シンポジウム会場の写真を撮ったのですが、誤って消去してしまいました・・・(;_;)

で、肝心のシンポジウムの内容ですが、2時間半が「あっ!」と言う間に感じるほど
熱く濃い内容でした。
僕自身も地震セミナーの講師を何度かさせていただきましたが、浜松地域限定の史実について
取材された映像も用意されていてとても勉強になりました。

 

静岡県地震防災アドバイザー 小澤邦雄氏の解説も非常に熱のこもったものでしたし、


 1)遠州灘海岸に押し寄せる直撃型の津波


 2)舞阪港など浜名湖湾内における津波のタイプ


をYouTubeの動画を使って解説していただけたのはとても良かったと思います。

 

全体的に高齢の方が多かったこともあり、津波に対する認識はまだ十分とは言えない
状況でしたが、今回のシンポジウムを参加された方はかなり理解が深まったように思いますし、
多少なりとも参加者の行動も変わったと思いたいですね。



「私たちは東日本大震災を教訓にしなくてはいけません」

地震防災アドバイザーの小澤氏、自治会の会長が強く言っていたことは、

行政に頼らない。自分達で行動すること。
そして、「生きる!」と言う強い意志を持つこと。


まったくもってその通りだと思います。

 

今後、東海地震被害想定が見直され、公表されるのは今年6月平成25年6月の予定。
※平成24年1月23 川勝知事 定例記者会見

第4次被害想定では、東海地震単発だけでなく、東南海、南海地震との3連動を前提にした
最大リスクを想定したものになると言われています。

 

過去500年間の東海地震の歴史では、

1498年(明応7年)9月20日の明応地震  ※津波により浜名湖が「今切口」で海と繋がったことで有名

1707年(宝永4年)10月28日の宝永地震

1854年(安政元年)12月23日の安政東海地震

とほぼ100~150年周期で、マグニチュード8~8.4、6mの津波が舞阪に押し寄せた史実が
35年前の東海地震説につながったわけです。

 

地球誕生から46億年。

真っ赤な火の玉が46億年かけて冷えている最中なのが今の地球。
地球の内部には数千度のマントルが対流をしているため、マントルに浮いている地表プレートが
動くという地球にとっては単なる自然の営みなんですよね。


当然、人間の力でどうこうなるものではありませんから、地球に住まわせていただいているという
謙虚な気持ちで、自分達が何をすべきか考えなくてはいけないと言うことなんでしょうね~。


nice!(6)  コメント(5)  トラックバック(0) 
共通テーマ:住宅

液状化現象の再現実験 [ ・耐震強度、地震対策]

ブログで予告した通り、来週、千葉の工務店さん向けに出張建築基礎講座を行ないます。

主催者からは、

「浦安や舞浜で大きな被害を与えた液状化現象について解説してもらえますか?」


と言われたため、液状化現象を再現してみようと思い簡単な実演モデルを作ってみました。

IMG_8832.jpg
マンホールに見立てた牛乳瓶を浮き上がらせてみましょう!

 


■液状化現象の再現(マンホールが浮力で浮き上がります)

 

実験モデルの作り方はいたって簡単。

IMG_8834.jpg
プラスチック水槽に砂浜で採取した砂を詰めるだけ(笑)
想定以上に分かりやすい結果になったと思います。

 

地下水替わりに水を注いだ後、全体に細かい振動を与えれば地盤が液状化を起こします。

その際、砂土壌(1.8)よりも比重が小さいモノは浮力で浮き上がり、比重が大きいものは
沈んでいきます。

IMG_8839.jpg
地下水を低めに設定すれば、浮き上がりは途中で止まるはず。

 

今回のセミナーでは、なぜ液状化が起こるのか?アルキメデスの法則を思い出しながら、
分かりやすく解説し、浮力計算なども覚えていただこうと思っています。

 

ところで、、、

この液状化現象ですが、建築工事で日常的に利用されているのですがわかりますか?
一般の方が目にすることはあまり無いと思いますが、TVなどでは一度は目にしたことが
あると思いますよ~♪


nice!(4)  コメント(4)  トラックバック(0) 
共通テーマ:住宅

建築基準法 第三十九条 [ ・耐震強度、地震対策]

この震災から何を学び、そしてどう活かすべきかを自分なりに考えています。
僕が一人考えたからと言って、いきなり何かが変わるとは思えませんが、それでも考えて
おきたいと思い記事にしてみました。

 

正確な調査報告を待たなければ分からないことですが、テレビ等の映像を見る限りでは、
東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)では、兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)に比べ、
地震動によって直接倒壊した家屋は少なかったように感じました。

被害は津波によるものの方が大きいわけですから、建築基準法で構造に対する規制を
するのではなく、

「新たに津波の危険が想定される区域が定められ、その区域内での建築行為に対し、
 規制を受けることになるだろう」

と考えていました。

 

そんな時、現行の建築基準法において第三十九条と言う条文を見つけました。

 

(災害危険区域)

第三十九条 第1項
 地方公共団体は、条例で、津波、高潮、出水等による危険の著しい区域を災害危険区域として
指定することができる

   同条   第2項
  災害危険区域内における住居の用に供する建築物の建築の禁止、その他建築物の建築に
 関する制限
災害防止上必要なものは、前項の条例で定めることができる。

 

それほど難しくない条文ですから、法令に詳しくない方でも理解には難しくないでしょう。

 

やはりと言うか、すでにそういう条文が既に存在していたわけですね。

現在、どれだけの自治体が津波災害危険区域を定めているかは分かりませんが、
従来の津波被害想定を大幅に超えることがハッキリしたわけですから、見直しにより
対象エリアが増えることは間違いないでしょう。


想定される津波の高さにより、第一種、第二種、第三種津波災害危険区域とレベル分けされ、
それにより建築構造、必要階数、用途の制限がされるかもしれません。

当然、既存不適格建築物(法の改正により適法とはならなくなった建築物)が多数できることになるわけで、
その後は津波避難ビルの誘導政策となる制度が設けられることになるでしょう。

 

手順としては、まずは地震による津波災害想定がなされ都市計画図が改訂され、
建築基準法第三十九条も改正、若しくは追加され、条例が定められるのではないでしょうか?

以上、あくまで僕個人の勝手な推測ですから、各自の責任でお読み下さい
そして、これを叩き台に「自分ならこう考える!」ともっと発展させてみていただけたらと
思います。


nice!(5)  コメント(4)  トラックバック(0) 
共通テーマ:住宅

東大地震研究所による津波シミュレーション [ ・耐震強度、地震対策]

東京大学地震研究所の佐竹健二教授が、東北地方太平洋沖地震による津波の複雑な動きを
アニメーションで再現
したものを同研究所のウェブサイトに公開されています。
東大地震研究所.jpg

出典:東京大学地震研究所 佐竹健二教授

青色に表示されているのが引き波(凹波)で、続いて赤色に表示された押し波(凸波)が
押し寄せ、複雑に伝搬していく様子が分かります。

http://outreach.eri.u-tokyo.ac.jp/eqvolc/201103_tohoku/#tsunamisimu

 

その他にも、同研究所 古村孝志教授・前田拓人特任研究員によるシミュレーションも
公開されています。
komura05m.jpg
(地震発生5分後) 津波が徐々に広がり、陸に近づいています

komura30m.jpg
(30分後) 北海道から房総半島まで広い範囲に津波が到達しています

komura1h10m.jpg
(1時間10分後) 海岸線で反射した波が仙台湾に集まる

komura2h.jpg
(2時間後) 津波は海岸線に沿って留まり、海面変動が長時間続く

出典:東京大学地震研究所 古村孝志教授・前田拓人特任研究員による

 

前々回の記事では、理解しやすいよう津波を単純なモデル化することで一般的な波との
違いを説明致しましたが、波(波動)は反射面や他の波との干渉によって時系列で複雑に
変化する
様子が、同研究所のアニメーションにより良くおわかりいただけたと思います。

つまり、海底や陸などの条件に加えて、反射した波や第二波、第三波と重なることで
大きく変化するわけです。

また、このシミュレーションが予測ではなく再現となっているのは、どのプレートが
いつ、どの程度動いたかが分かったからできたものです。


今回は3つの地震がほぼ同時に起こることから発生したものと言われていますが、
同時に3つの地震が発生することは想定されていなかったようです。
地震源は無数にあるため、津波被害の予測が極めて難しいことが分かりますね。

 

【参考】我が家では義援金を岩手県、宮城県、福島県の各自治体に送ることと致しました。
    義援金を送ることは決めたものの、どこに送るかが決まらなかったのですが、
    嫁さんがあれこれ調べて、自治体に直接送ることができることがわかったためです。
    もし良かったら、ひなたCAFEブログの記事を参考にしてみて下さい。


nice!(7)  コメント(1)  トラックバック(0) 
共通テーマ:住宅

津波とは何か? [ ・耐震強度、地震対策]

マグニチュード9.0と言う観測史上最大の東日本大地震による未曾有の震災被害が
連日報道されています。

こんな時に「自分に何ができるか?」と考えてみました。

これまで「津波が正しく理解されていないなぁ」と感じていたこともあり、浜自カフェBlogを
ご覧いただいている方のために「津波とは何か?」を僕なりに解説してみようと思います。

津波の模式図.jpg

とは言え、僕は地震の専門家でも津波の専門家でもありませんから、スマトラ地震の映像から
分かったことを物理学用語を引用しながら解説してみたいと思います。
(波を動画を用いずに説明するのはとても難しいため、どこまで伝わるかわかりませんが)

 

津波を一般的な波と同じように理解してしまいがちですが、むしろ、、、

“津波”とは流れを伴う急激な水位変動


と考えた方が良いと思っています。

 

津波の模式図を描いてみましたが、皆さんはA点に立っているとイメージしてみて下さい。

上図では、震源を起点として自分に対し、凸の波(水位が上がること)が来ている状態です。

一方、反対側では、凹の波(水位が下がること)が伝わっていきます。
スマトラ地震では最初に波が引いた映像が流れましたけど、凹の波が先に到達したからでしょう。 


ここで『波』について知っておく必要があります。
波とは水や空気などの媒体を通して、『振動』が伝わる現象のこと。

『振動』とは、行ったり来たりの繰り返しのことで、一往復するまでの長さを『波長』と言い、
一往復する時間を『周期』と言います。
(ここまでついて来れていますか~?)


一般的な波の周期は長くても十数秒、波長は百数十メートル程度であるのに対し、津波の
波長は十数キロメートル
(長いものでは100キロメートルを超えるそう)に及びます。

波長が長いということは、後から後から海水が供給されるため、水位がどんどん上がっていく
ように感じられ、
今回のような大津波では、周期は1時間(水位が上がって下がって元に戻るまでの時間)近くに
及びます。

波は寄せては返すと言うように、第二波、第三波と続きますから気を緩めて元に戻っては
いけません。

 

津波と一般的な波を間違って理解する原因は、


波長(周期)が一般的な波と比較して、極端に長いため波としてイメージすることが出来ない


からでしょう。

 

 

それともう一つとても大事なことですが、


地形により波高が高くなる


と言うこと。

 

波には、他の波と重なり合うと高さ(振幅)が大きくなると言う性質があります。
一方で、凸の波と凹の波が重なりあうと、打ち消し合って小さくなってしまいます。

つまり、

波高は、水深が浅くなるに従って高く、そして入り江などのように狭まるに従って高くなります。

 

では、具体例をあげて説明してみますね。

A 水深が浅くなる場合
 水深160mで波高1m       ⇒ 水深10mになると2倍に増幅され波高2m


B 間口が狭くなる場合
 湾入り口の幅900mで波高1m  ⇒ 間口100mになると3倍に増幅され波高3m


C 水深が浅くなり、同時に間口が狭くなる場合
 AとBが同時だと2×3=6倍となり、波高6mにまで増幅されます。

 よって、波高1.5mで到達したとするとこの条件では理論上、波高9mに達することになります。

 

これをイメージしていただくと、今回起こったことが理解しやすいのではと思っています。 

これらは理論上の概念を単純化して説明しただけに過ぎません。
実際はもっと複雑に色々な要因が重なりますし、それらを説明しきれるほどの知識を持ち合わせて
いるわけではないことをお断りしておきます。

 

今回僕が言いたいことは、TVなどの映像から色々な情報を得られるわけですから、
しっかりと目に焼き付けていただき、何が起こっているか、なぜこうなったかを考える機会に
なればと言うことです。

 

これまで耐震防災準備について触れてきましたが、スマトラ地震の映像を見て以降、
僕自身一番の不安は津波でした。

東海地震でも同程度の地震が想定されていましたから、ハザードマップを参考にして土地選定を
したわけですが、その前提条件が想定を大幅に超える場合があることを知りました。

となれば、遠州灘の防潮堤を超えることを前提に、家族を避難させることを考えなくては
いけないと考えています。

 

今回、被災された方に対して掛ける言葉を持ち合わせてはいませんが、
僕自身が得意とすることでできることとして、この記事を書かせていただきました。

東海地震と言われて35年になる静岡県にとっては、いつ同じ状況になるとも知れません。
偶然にもこのBlogに目をとめていただいた方は、是非自分でできる範囲で行動を起こして
いただけたらと願う次第です。


コメント(8)  トラックバック(0) 
共通テーマ:住宅

能登半島地震による圧死者が少ない理由 [ ・耐震強度、地震対策]

日経BPによる「日経アーキテクチュア」の記事をチェックしていたら、能登半島地震被害
について、こんな興味深い報告がされていたのでご紹介致します。

ちょっと専門的な説明になってしまいますが、イメージは伝わるのではないでしょうか?

 

■伝統構法の土壁住宅がゆっくり壊れたため、逃げる暇を与えた

能登半島地震の被災住宅では、土塗り壁や太い柱、梁が住人の死傷を防ぐことに
つながった。
土木学会が3月29日に開催した能登半島地震災害緊急調査団速報会で、
金沢大学の宮島昌克教授はこのように指摘した。
【ご参考】http://www.jsce.or.jp/report/42/news3.shtml

 

■全壊家屋525棟、半壊774棟、一部損壊6414棟
 総務省消防庁と石川県は、能登半島地震の住宅被害が、4月9日午前10時の時点で
全壊525棟、半壊774棟、一部損壊6414棟となったと発表。
全壊住宅の棟数は、地震翌日の70棟弱から約8倍に増えた。

 

■資産保全よりも人命
 伝統的な土塗り壁は、耐震強度が高いとはいえないが、同教授によると地震時は
振動エネルギーを吸収しながら、粘り強くゆっくりと壊れ、住人に逃げる暇を与える。
 住宅が倒壊した場合でも太い柱、梁が屋内にすき間をつくり、避難を助けたとみている。

 

■地盤の良し悪しが建物の被害に影響を与えた
 宮島教授は、年代や構造が似通っている住宅が、場所によって無事だったり
壊れていたりしているのを被災地で目の当たりにした。
「地盤の良しあしが建物の被害に与えた影響は大きそうだ」と語っている。

 

以上、日経アーキテクチュアさんからの記事の紹介です。

 

■阪神大震災で、倒壊により亡くなった人は5,300人
 この理由は、2006年6月28日の記事で書いたとおりです。 
(ネタ元は、元東大教授(現、慶応大)の坂本先生)

 昭和55年以前の在来構法の場合、地震耐力が低い上、柱の引き抜きへの対策が
なされていなかったため、許容を超えた地震力が加わると一気に倒壊してしまう。

 

 そのため、柱が引き抜かれ耐力壁としての機能が損なわれると、次の揺り返しに
耐え切れず建物の自重で一気に倒壊に至るため、逃げることができない。

 

 今回の能登地震が倒壊棟数の多さの割りに、死者が1人だったのは奇跡に近いが、
伝統構法が多かったことが、この結果を導いたのは確かなようだ。

 


nice!(9)  コメント(14)  トラックバック(0) 
共通テーマ:住宅

住まいの耐震強度を知れば地震保険が変わる? [ ・耐震強度、地震対策]

これから住宅の建築を考えている方、または既に住宅を所有している方へ。
少々難しい話になりますが、重要なことなのでできるだけ判りやすく解説したいと思います。

近年の地震災害により、地震保険の加入者が増えているようだけど、
地震保険に加入する際は、所有する住宅の耐震強度がどの程度あるのかを知って
おいた方が良いと思う。

なぜなら、、、

続きを読む・・・


nice!(5)  コメント(12)  トラックバック(0) 
共通テーマ:住宅

木造住宅の耐震性(その4)「実大震動破壊実験」 [ ・耐震強度、地震対策]

木造住宅の耐震性シリーズ(その4)最終回のテーマ

『耐震改修は、本当に効果があるのか?』

をお送り致します。

 

結論 「耐震改修の効果は実験により確認された」

 

兵庫県南部地震を契機に、耐震改修の効果を検証するべく行った国家プロジェクトが、
「大都市大震災軽減化特別プロジェクト」。 通称、『大大特プロジェクト』

5ヶ年計画の大きなプロジェクトで、
文部科学省が主管官庁となり、独立行政法人「防災科学技術研究所」(防災科研)
行なう一大プロジェクト。

    (「踊る大捜査線」のテーマソングが聞こえてきそうじゃない?)

 

■耐震補強1.57 vs 旧耐震0.43
建築基準法で要求されている耐震性を1.0として評価した、この2棟の住宅の耐震性能
 A棟の耐震性 0.43 (※補強なし)
 B棟の耐震性 0.31 → 1.57(補強後)

この2棟の在来木造住宅に、兵庫県南部地震で採取した震度7の地震波*で揺らしてみる。
*「JR鷹取波」地震波をサンプリングした地名から。

 

■衝撃の既存木造住宅の倒壊実験映像
1974年に新築で販売された建売住宅2棟。ほとんど同じ間取りの住宅を
切断し、震動台に移築し、兵庫県南部地震の地震波*を入力して倒壊させた衝撃映像です。
↓ページ中段(在来木造11/25)の画像をご覧下さい。10秒弱で倒壊します。
http://www.bosai.go.jp/hyogo/live/live-wood.html

 

■知っていただきたいこと
(その1)でお話した通り、建築基準法は「建築の最低基準」がコンセプト。
一方、実験で入力する兵庫県南部地震は、建築基準法で想定している
きわめてまれに起こる地震』の2倍の加速度であった。

地震の破壊力は、地盤の加速度にほぼ比例する。

と言うことは、建築基準法ギリギリの耐震レベルでは耐えられない可能性があり、
理論上は2倍の補強をしないと耐えられないと言うことになる。

   2.0(地震力) > 1.57(耐震補強) > 0.43(補強なし)

 

■実験裏話
坂本先生はじめ担当スタッフは、実験が終わるまでハラハラしていたそうだ。
と言うのは、倒壊実験にあたり以下の3つのシナリオが考えられたから。

 1つめのシナリオ  耐震補強住宅(○) 無補強住宅(×)
 2つめのシナリオ  耐震補強住宅(×) 無補強住宅(×)
 3つめのシナリオ  耐震補強住宅(×) 無補強住宅(○)

最悪のシナリオが3つめのケースで、起こっては困るシナリオなのであるが、
理論上起こりえたからだそうだ。
(言葉で説明するのは難しいので省略します)

数値性能上では、2つめのシナリオも想定される。
(地震力が、耐震性を上回ることが判っていたから)

果たして、、、


結果はご覧の通り。一同ホッと胸をなで下ろしたそうです。


nice!(4)  コメント(8)  トラックバック(2) 
共通テーマ:住宅

木造住宅の耐震性(その3) [ ・耐震強度、地震対策]

木造住宅の耐震性シリーズ(その3)のお題は

『五重塔は、本当に地震に強いのか?』

坂本先生の推論(事実は判らないので、、、)は、

「五重塔が、耐震的であることは事実」
「実績としても、シュミレーションからも確認されている」

しかし、、、面白いのはここから。

『昔の熟練した宮大工が、地震に強くなるように建てた。』
『昔の大工には、地震に対する知恵と技術があった。』

「と言う定説は間違い。」

「なぜなら、、、」(←本当にこういう言い方です)

「五重塔は風に弱いから!」

過去の大地震で、倒壊した五重塔はないそうである。

しかし、室戸台風では、木っ端微塵に破壊されたらしい。
10数年前に到来し、青森のりんご農家に多大な被害をもたらした『りんご台風』
でも五重塔は被害を受けたそうだ。

「日本において、地震と台風に被災する確立を考えれば、当時の大工、棟梁が耐震性を
考慮したとは極めて考え難い」

と言う論拠でした。

う~ん、納得しました(笑)

次回はシリーズ最終回
『耐震改修は、本当に効果があるのか?』
をお送り致します。


nice!(6)  コメント(12)  トラックバック(0) 
共通テーマ:住宅
前の10件 | 次の10件  ・耐震強度、地震対策 ブログトップ