佐鳴湖の天然ウナギは食べることができるのか? [ ・浜松市内]
運よく晴れ間となった土曜日の朝、いつもお世話になっている佐鳴湖のお掃除をしました。
毎年恒例、佐鳴湖クリーン作戦。
佐鳴湖にはいつもお世話になっているため、ほぼ毎年参加させていただいています。
朝9時に現地集合し、1時間近くゴミを拾い集めるイベントです。
佐鳴湖では色々な団体が同様の活動を行なっているため、ゴミの量はそれ程多くなく、
探してまわらないと拾えないほど。
だからと言って、ゴミを捨てないで下さいね~!
さて、今回のクリーン作戦では、佐鳴湖ネットワーク会議から佐鳴湖博士なる専門家をお招きし、
知っているようで知らない佐鳴湖の講義を受けることができました。
今回おいでいただた佐鳴湖博士は2名。
最初は、静岡県浜松土木事務所職員による佐鳴湖の自然環境を知る基礎講座。
全体的にとてもわかりやすく、楽しく、ためになる講座でした。
僕は終了後も直接詳しいお話をうかがうことができ、とても参考になりました♪
これは佐鳴湖の水をろ過する実験です。
佐鳴湖は環境省の調査において、湖沼部門で6年連続ワースト1となっていることで有名
なのですが、評価の指標はCOD(化学的酸素要求量)だけ。
要は、チッ素やリンといった栄養分が湖水に多く溶け込んでいるため(富栄養化といいます)、
それを餌に藻類が繁殖し過密状態になっているため酸欠になっている状態なのだそうです。
そのため、ろ過によって藻類を除去してあげれば飲む事が可能ということで、
自ら実演されていました。(皆さん、「エ~~~」と言う反応)
僕も試しに飲んでみましたが、汽水(きすい)※海水が混じることのためかすかな塩味。
味見程度で、本格的に飲用するには煮沸消毒した方が良いと思いますけどね。
僕は重金属による汚染があるのか知りたかったため、個人的に質問したところ、
「大丈夫です!
水質だけでなく湖底の泥についても継続調査をしていますが、これまでダイオキシンを
含め検出されていません。
でなければ、僕も飲めませんよ~!」
博士(県土木の方)によると、流域面積あたりの人口が日本一なんだそうで、
下水道整備によって生活排水を流入させないか、
高度浄化処理で汚濁物質を除去することでしか根本対策にならないみたい。
下流側にできたイオンの利用者は一日2万人を越えるため、イオンからの生活排水も
影響を与えているそうです。
当然、法令に沿った浄化処理はしているのですが、飲み水になるほど綺麗に
なっているわけじゃないですからね。
県の浜松土木事務所には、「日本一汚い湖を見学したい」と全国から申込みがあるそうで、
実際に佐鳴湖に来られると、「何でこれが日本一汚いの?」と驚いて帰られるようです。
他府県の湖沼というのは、工場地帯の中にポツンとあるような場合が多く、佐鳴湖のように
自然が豊かではないため利用者も少ないらしい。
他にも昭和21年にGHQが撮影した浜松市の航空写真(超レア)をはじめ、昭和40年、平成18年の
航空写真も見せていただきました。
佐鳴湖の流域が市街化されていく状況がとてもよくわかります。
次の佐鳴湖博士は、入野漁協の杉山さん。
若い女性だったのがまず驚きでしたが、実際に漁に出ていらっしゃるようで、
佐鳴湖の天然ウナギを獲り、適正な価格で出荷しているとのこと。
佐鳴湖は下流で浜名湖に流入しているため、浜名湖の天然ウナギと言っても過言じゃない?
佐鳴湖博士、杉山さんいわく、
「この子達は赤ちゃんウナギなので、触ったら佐鳴湖に放してあげましょう♪」
・・・と言うことで、ウナギを佐鳴湖に戻します。
子供達が群がっていますね(笑)
・・・で、僕も最後の1匹を(笑)
天然ウナギは全体的に黄色い色がかっているのが特徴。
クネクネと暴れています。
細くて可愛いのですけど、乾くと手が粘液でガビガビになりました。
(可愛そうなので、慌てて撮影したらピンボケになってしまった)
杉山さんがおっしゃっていた次の言葉がとても印象的でした。
「佐鳴湖は汚れてはいますが、汚染されているわけではないのです!」
誇りとプライドを持って猟をなさっている方のこの言葉が心にグサッと刺さりました。
「佐鳴湖は日本一汚い」と言うメディアの報道を鵜呑みにしていたのですが、
物事は一面だけで捉えてはいけないと改めて思いましたよ。
ナイス・イベント!!
ところで^^逃がした鰻^^名前付けませんでしたか?
「大きくなって^^帰って来いよ~^^」って^^
by denn (2008-06-08 04:37)
佐鳴湖の水に透明度は感じられないけど
「汚い」と感じたことはないです。
変な臭いとかもしませんよね。
日本一汚いと言われているなんて驚きです!
こういうイベント、役に立つし楽しいし
素晴らしいですねっ!
by JOHN (2008-06-08 06:59)
このようなイベントは子供にとってもいいですね(*^^)v
天然うなぎですか(^。^)
by 夢空 (2008-06-08 10:35)
●dennさん
本当に良いイベントだったと思います。
ん~、僕は名前をつけている余裕がありませんでしたけど、長女は
「サリー」「マリー」と名前を付けていたようです(なぜ?)
●とりのさとZさん
nice、ありがとうございます。
●JOHNさん
こういう地道な活動の積み重ねが大きな目標を達成するんですよね。
是非、これからも継続し、『泳げる佐鳴湖』を目指して協力していきたい
と思っています。
6年前までワースト1を競っていた千葉県の手賀沼は、利根川の水を
導水することでワースト1から脱却しました。
建設コンサル時代、手賀沼には良く遊びに行ったし、手賀沼公園の設計
にも多少携わったのですが、ひいき目なしに「佐鳴湖の方が良いな」と
思いました。
●カフェオランジュさん
nice、ありがとうございます。
●夢空さん
講座の最中、うちの子供達は木登りをしたりダルマさんが転んだをして
遊んでいたのですが、漁協のお姉さんが「ウナギを見せてくれたよー」と
言っていました。
今はわからなくても、心に刻み込まれていることだと思います。
by 浜松自宅カフェ (2008-06-08 14:04)
☆来年あたりに湖のほとりに別荘たてたいなぁって
思ってるんですが、いい土地ありますかね~?
って言ってもスノボが好きなので北のほうがいいのですが(笑)
by ijimari (2008-06-08 23:04)
浜名湖も佐鳴湖もくっついているのになんだか不思議ですね。
ぜひ、浜名湖のウナギではなくて、佐鳴湖のウナギがブランドになるように頑張ってください・・・ってうなぎのお話ではなかったですね。
by eddie (2008-06-09 01:29)
何でも物事の一面だけではわからないですね~
でも天然うなぎってやっぱりおいしそうです♪
by plusgate (2008-06-09 13:32)
前の会社に勤めていた頃、社員の福利厚生用にとプレジャーボートが寸座に置いてあり毎週浜名湖で遊んでいたことがあります。
水に入っても自分の足が見えないほど透明度が低く、水上スキーなどで転倒して水を飲む度に大丈夫かと思っていたはずなのが、いつの間にか気にならなくなっていました。
(風が無くないだ日が一週間も続くと、塩分濃度の高い湖水の上に川から流れ込んだ比重の低い水が乗っかり、足先に触れる温かい水が妙な感触だったのを想い出します。)
水自体は沢山飲んだはずなのですが、今のところ健康被害も起こっていないので、大丈夫そうです。
PS.
佐鳴湖などは周辺の生活人口もそれほど多くないのでさほど汚れてはいないのでしょうが、汚い湖No.1は私の地元の油ヶ淵だと聞いたことがあります。
こちらの方は自動車産業の関連施設のど真ん中で、重金属や化学物質など検出されそうに思います。
by たいせい (2008-06-09 13:35)
GWの次は
環境月間!
定着しそうですね
さて、来月は七夕だ
ウルヘー(しゅんしゅん)に
竹でもプレゼントしてやっかな
by macoto (2008-06-09 15:50)
●ijimariさん
生憎とこっちも湖のほとりは高くて買えません。
僕らも佐鳴湖が見える丘に土地を求めたのですが・・・(涙)
野尻湖畔なんてどう?
僕は将来、気田川のほとりに別荘を持つのが夢です。
●eddieさん
佐鳴湖の天然鰻の殆どは、大都市に出荷されているようです。
そもそも天然鰻自体が珍しいので人気らしいです。
漁獲高はごくごく少ないはずですから、こういう方達の生計が成り立つ
位で良いのだと思っています。
●plusgateさん
天然鰻の方が身が締まっているそうですね。
余分な脂少ないそうですが、お味はどうなんでしょう?
●たいせいさん
今でも浜名湖は、ウインドサーフィンや水上バイクを楽しむ人が多い
ですね。
昔に比べたら浜名湖も綺麗になったそうです。
そのせいでアサリが獲れなくなったと言うのは本当かどうなのか?
(アサリは水中の有機物を食べますからね)
水質が良くなったら、子供達と泳ぎたいんですよ(←いつまでも子供)
いつになるかな~♪
●macotoさん
6月は環境月間なんですってね!
ちなみに七夕は僕の誕生日だったりします(笑)
遠州森町の今井シェフのレストランへランチを食べに行きます♪
by 浜松自宅カフェ (2008-06-09 19:29)
この前、佐鳴湖に行かせてもらったので、身近に感じます。
でも、汚れていることも、天然鰻がいることも知らずに、勉強になりました。
そして、「佐鳴湖は汚れてはいますが、汚染されているわけではないのです!」って言葉、
正しい理解が必要なのですね。
by くっさん。 (2008-06-09 23:36)
先日はお世話になりました。
今度はクリーン作戦参加・・・何事にも積極的に参加されて頑張っていますね。
お子さん達のはしゃぐ姿が目に浮かびます。
by アキラ (2008-06-10 14:59)
天然うなぎの新子!焼いて食べたら美味しそう!^^
江戸時代の文献にも、佐鳴湖のうなぎが登場するようですゾ!
by ドクトルパンダ (2008-06-10 18:38)
日本で一番汚い?そんな風には見えませんでした。生活排水が流れてるんですか。それは下水整備を進めて欲しいものですね。天然ウナギ・・・またまたウナギが食べたくなってきました。
by barbie (2008-06-10 20:45)
●くっさん。さん
地元の浜松市民でさえ、「日本一汚い佐鳴湖」と思っている方が多数。
実際、僕もそうでしたし、それはそれで事実ですが、
それって「便器のフタ(便座)より、ドアの取っ手の方が汚い」ことを
知らないことと根源は同じだと思うんですよ。
●アキラさん
こちらこそお世話になりました。
いただいた葉山ワカメは本当に美味しくて、早く戻るしで、嫁さんが大変
喜んでいました。
この日は家族でサイクリングがてら出掛け、子供達も清掃活動に励んで
くれました。
今は、「街づくりのワークショップ」にも応募しようかと画策中です。
●ドクトルパンダさん
シンコですか~?そこまでは考えませんでした!
漁協では、小さい鰻や産卵のために下る鰻は獲らないようにしている
そうですよ。
江戸の文献に佐鳴湖のうなぎが紹介されているなんて驚きです。
それにしても良くご存知ですね!
参りました。。。
by 浜松自宅カフェ (2008-06-10 20:47)
●barbieさん
CODだけで評価すると「日本一汚れている」そうです。
確かにお世辞にも綺麗とは言えませんが。
政令都市の浜松と言えども、佐鳴湖の流域(生活水が流入する地域)
のすべてに公共下水道が整備されているわけではありません。
田んぼや畑の中に点在する民家を、下水道で結ぶにはとてもコストが
かかりますからね。
そのため、流域の浄化槽は合併浄化以上の高次処理にしなくては
ならなくなり、そのための補助金を出すそうです。
やはり、天然ウナギに反応しましたね~(ニヤッ)
by 浜松自宅カフェ (2008-06-10 20:55)
●xml_xslさん
nice、ありがとうございます。
by 浜松自宅カフェ (2008-06-11 23:32)
これは大人にも子供にもいい体験教室ですね!
こうやって肌に感じながら、学んでいくことって何よりもためになります。
おまけに住民の環境に対するモチベーションも上がって相乗効果の感もあります。
クリーン作戦、「災い転じて福となりそう」ですね(^^)
by hidenosuke (2008-06-12 17:14)
●hidenosukeさん
初めての取組みだったのですが、すべての大人が佐鳴湖博士の話を
真剣に聞き入っていたのが驚きでした。
それだけ住民にとって関心があることであるのと、佐鳴湖博士の話が
とてもわかりやすく面白かったからだと思います。
こういう活動を色々な団体が行なっているようで、市民だけでなく、行政、
企業が支援して活発に行なわれているのを知るにつけ、環境が良くなる
期待がもてそうです。
by 浜松自宅カフェ (2008-06-12 23:20)
浜名湖クリーン作戦参加ご苦労様でした。さちも水質調査に参加予定でしたが、雨天で中止になってしまったのです。
はい、去年はこの鰻・・・杉山さんとこの・・・食べましたょ(笑)蒲焼にして頂いてほんの一切れでしたが・・・
そうです、佐鳴湖は「これでワーストワン」の湖って思うほど感じの良い湖ですょね。さちは週末愛犬と散歩してます。もう少し昔ではここがプール代わりに使われていたみたいです。・・・いつもまでも素敵な湖でいて欲しいです。
by さち (2008-06-17 18:02)
●さちさん
翌日曜日は水質調査だったようですね。
確かにそうおっしゃっていました。
昭和30年代までは佐鳴湖で、遠泳大会をしていたそうで、昭和40年代
になってから汚濁が進み、水泳禁止になったようです。
昭和40年生まれの自分としては何とも言えない気分です。
by 浜松自宅カフェ (2008-06-17 21:42)