SSブログ
 ・ビオトープのある研究所 ブログトップ
前の10件 | -

2期工事完成&引渡し [ ・ビオトープのある研究所]

今年4月に着工した「ビオトープのある研究所」の2期工事が終わり、消防検査を
皮切りに指定確認検査機関による建築基準法の検査、景観条例の検査、都市計画法
の検査を受けて、後は検査済証を待つばかりとなりました。

当初の契約通り、9月30日に施工者から発注者にお引渡しとなりました。

全景(ソネブロ)210923.jpg
■東側の外観
クライアントの企業は、主にB to B製品を製造販売するメーカーですが、自社
では工場を持たない、いわゆるファブレスメーカーです。

研究開発により独自技術でパテントを押さえ、製造は周囲にある製造企業に委託
する技術先端型経営を得意とされています。

ここでは書けませんが、国内外の錚々たる企業へ納入されていて、まだまだ発展
の伸び代がありその一端を担わせていただきました。


Photo_3.jpg
■1期の研究所から2期の建物へのアプローチ
豊かな自然のビオトープに囲まれた研究所は、技術者がクリエイティブな
仕事をしてもらうためのもので、最初にお話を伺った際に直感で思ったのは
「ビオトープの役割はニュートンの林檎だな!」でした。


Photo_1.jpg
■中廊下越しに見るエントランスホール
中廊下の両側には、大きな試験室が配置されていて、顧客企業の課題を
解決するソリューション提案と実証試験をして、性能を確認してもらう
そうです。


Photo_0.jpg
■試験室(大)
浜松市郊外の立地のため、浜松らしい茶園の景色が前面に広がっています。


女性トイレ(ソネブロ)210923.jpg
■女性用トイレ
1期の研究所で提案したトイレのインテリアがとても好評で、今回もほぼ
そのまま採用となりました。1期工事の時はトイレにおけるすべての要素を
決定するまでに5回に分けて提案をして決めていただいただけにその
プロセスが間違っていなかったと安堵しました。

今回変更したのは、洗面カウンターの色と床タイルの目地色程度。


以上は来客向けのパブリックゾーンで紹介できるのはここまで。


Photo_2.jpg
お引渡しの後は、設備各社や建築会社による取扱い説明です。

働く建築として、これから多くの価値を産み出して地域の発展に寄与して
いただけたら、携わった者としてこれ以上嬉しいことはありませんね。

nice!(4)  コメント(0) 
共通テーマ:住宅

【音響対策】仕事に集中できるオフィスの提案 [ ・ビオトープのある研究所]

2005年10月から4年半ほど、ヤマハの音響技術者と協働させていただいたお陰で、
建築音響の基礎知識を身につけることができました。

「意匠設計者で建築音響を知る人間は殆どいないから」

著名な建築設計事務所と八ヶ岳高原音楽堂や東京国際フォーラムなど、国内有数の
音楽ホールを多数手掛けたヤマハ音響研OBで静岡大学客員教授の川上先生からも
多くの手ほどきを受けました。

1期工事設計の際、施主社長が楽器を演奏し「音の響き方」にも関心のある技術者
だった事から、防音だけでなく音の響き方を制御することでより働きやすい執務室を
提案したところ、全面的に採用いただき今回もスタッフの執務空間は天上吸音による
残響時間の低減が求められました。

Photo_5.jpg
価格優先ならジプトーンなどの化粧石膏ボード一択になりますが、今回は
吸音材としてGWを天井裏に仕込み、スクエアトーンDプラスを採用しました。

Photo_0.jpg

石膏ボードだけの空間だと2秒近い残響時間がありますが、吸音天井のこの部屋では
0.5〜0.7秒程度で残響がスッと消えました。

Photo_6.jpg

石膏ボード表面に四角の穴が多数空けられていて、背面の空気層で吸音する
仕組みですが、グリッドパターンの天井は機能性を主張してくれますし、意匠面
でも気に入っています。

他にもソーラトーン(ロックウール吸音板)を使用している室もありますが、
吸音域は高域だけなのでこちらの方が仕事がしやすい印象です。

nice!(5)  コメント(0) 
共通テーマ:住宅

見えない部分こそ重要です [ ・ビオトープのある研究所]

建築に限ったことではありませんが、長期的な価値を図るには外から見えない部分
こそ重要だと思います。

と言うのも完成直後の真新しい状態では、表面に貼られ彩られたものしか見えない
からです。しかし、建築物は1年365日、暑さ寒さの温湿度変化で伸びたり縮んだりし、
地震や台風で揺らされて歪みます。

すると、動きに耐えられなかった表面材は剥がれ、ひび割れて完成時の美しかった
建物が1年後には見るに耐えない姿になったり、雨漏りやカビに悩まされる事態に
なってしまうことも少なくありません。

Photo_3.jpg
これは何の工事写真かわかりますか?


Photo_4.jpg
■土間コンクリートの打設作業の様子
土間コンクリートとは、地盤で支持された鉄筋コンクリートの床下地のことで、
表面に仕上げ材を貼られると張り替え以外では見ることはありません。

工事の様子を目にする機会も少ないですから、意図的に手を抜くことや品質を
落とすことも可能な部分です。


Photo_6.jpg
総勢20人以上の職人さん達が昼食もとらずに黙々と各自の仕事をします。

「コンクリートなんてドロッと流して固める簡単な仕事でしょ!」

と思っていませんか?

過去にも住宅建築の記事で、コンクリート基礎の素晴らしい施工技術を何度も
紹介していますが、コンクリート工事はとっても奥が深い高度な仕事です。


例えば、上の写真に参加している専門工事会社は何社あるか分かるでしょうか?

正解は、、、

①ゼネコン(元請け会社)の監督

②左官屋さん(生コンクリートを平らに均し締め固める職人集団)

③生コン工場(指定された強度、固さで工場で練った生コンを現場に納品します)

④圧送屋さん(荷下ろしされた生コンを指示された場所にポンプで圧送します)

⑤設計事務所(私です。荷下ろしされた生コンの品質確認をします)

これは上の作業に携わっている人(会社)の数であって、生コンを打つ前には
型枠屋さん、鉄筋屋さんも携わっていますし、今後作る壁の位置が分かるよう
墨出し(位置を出す)をする専門会社も入っています。


Photo_5.jpg
■生コンの品質確認
コンクリート工事とは、セメントと水が水和反応と言う化学反応を起こさせて
砂や砂利と言う骨材を巻き込みながら、大きな結晶体を現場に造る工事です。

それゆえ、生コンクリートが指定された品質であるかどうかを受け入れ時に確認し、
記録に残してから、現場に打設することが許されます。

コンクリートの水和反応は4週間以上の長い時間が必要となるため、1週間後、
4週間後に3本のテストピースを潰して、強度が実際に発現されているかを確認します。


木造住宅ではここまで行われることは少ないですが、僕の住宅ではこれと同じ
ステップを踏ませていただきました。
設計事務所の仕事と言うと、きらびやかなイメージがあるかもしれませんが、
お施主さんの大切な資金を預かって目的物を造る上では、実際は見えない部分の
仕事の方が重要でそんな仕事にこそ費用を割くべきと言うことを知って
いただきたいと思っています。

nice!(5)  コメント(0) 
共通テーマ:住宅

土間コンクリートの打設工事 [ ・ビオトープのある研究所]

鉄骨工事、屋根工事が完了すると、次はコンクリートの「床」を造る工事です。

Photo_3.jpg
■土間コンクリート打設工事
終日、雨の予報でしたが周囲をシートで囲って雨が降り込まない様にして、
土間コンクリートの打設を行いました。

ザッと見ても15〜16人の作業員が入っていますが、ここには2つの専門工事
会社の職人さんが来ています。

コンクリートの床には「土間床」と「スラブ床」の2種類があって、今回の
工事は土間床の方です。土間(ドマ)と言うのは地盤で支持された床のことで
スラブ床は梁で指示された構造体としての床。


要は、床の下側が中空にできるのがスラブで、中空に出来ないのが土間床。
スラブ床は、上載荷重を設定して構造計算し、設計された床です。


Photo_5.jpg
■生コンの品質試験
生コンクリートは、現場が指定する強度になるようあらかじめ生コン工場で
配合し練ってきたものです。コンクリートの強度は、水とセメントが化学反応を
起こして、骨材である砂利や砂を巻き込みながら大きな結晶体を作りながら
硬化させていきます。

コンクリートの強度発現は時間と共に上がって行くため、1週間後、4週間後に
供試体(テストピース)を潰して品質を確認をします。
一方で、現場では生コンクリートが指示通りの固さであり、塩化物や空気量が
基準値以内であることを、設計監理者として確認します。


Photo_4.jpg
■生コンの打設作業
土間コンクリートは地盤で支持すると言いましたが、直接地盤の上に流すわけでは
無く、地盤が沈下しないようしっかり締め固めた上で防水シート断熱材を敷いて、
鉄筋を組みます。

設計管理者として、鉄筋が正しく配筋されているか確認をして、ようやくコンクリート
打設に移れる訳です。


Photo_6.jpg
■2つの専門工事会社とは?
建築工事全体を請け負って指揮するのはゼネコンですが、ゼネコンから生コン
プラントへ生コン材料の発注をすると、ミキサー車で現場まで配送します。
そして、荷渡しする際に上記の品質検査をします。

生コンは、コンクリートの圧送屋さんに渡され専用のポンプ車で所定の場所に圧送
します(1社目の仕事)。ホースの上に乗っている人、筒先を持っている職人さん
が圧送屋さんです。


もう1社は左官屋さんで、流し込んだ生コンをバイブレーターで液状化させて速やか
に均していきながら余分な水と空気を追い出して、密実な締まったコンクリート
構造体に仕上げていきます。


一口にコンクリートと言っても、ゼネコン、生コン会社、圧送屋さん、左官屋さん
が力を合わせないと良いモノは造れません。地味な仕事ですが、どれが欠けても
使い勝手に大きく影響する大切な仕事だと言うことを理解いただきたくて、熱弁を
奮ってしまいます。

nice!(6)  コメント(1) 
共通テーマ:住宅

断熱折板屋根工事 [ ・ビオトープのある研究所]

鉄骨躯体が完成したため、今週は折板(せっぱん)屋根工事となりました。

Photo_2.jpg
■屋根材の成形と敷設

写真右奥の上部にクレーンで吊り上げられているのが、成形前のガルバリウム
鋼板のコイル材です。
ちょっと見にくいですが、奥の仮設ステージの上に成形加工機が置かれていまして
揚重したロール状の鋼板を押し出しながら一本づつ折って成形しています。


Photo_1.jpg
「にゅ〜」って感じでトコロテンの様に押し出されてきます。


Photo_3.jpg
成形された屋根材の先端を持って誘導していき、全て押し出されると
敷設する箇所まで横持ちします。


Photo_4.jpg
ちょっと引いて撮影してみました。
これは断熱ダブル折板工法と言って、折板屋根がグラスウール断熱材を挟んだ
二重構造になっていまして、金属屋根でありながら断熱性遮音性を兼ね備えて
います。


-Photo_0.jpg
■屋根材の敷設工事完了
この日は外周部の水切り材の板金工事でした。
折板屋根はあまりに普及していて、一見すると何でもない当たり前の光景ですが、
図面を描いてみるとその凄さが良く分かります。

雨漏りする建物は倉庫にもならない

と言われるほど、日本における建築物の雨漏り対策は重要です。
そのため、日本に限らず殆どの建築物の屋根は大きな勾配を持っていますが
こうした大きな建物では工事費が高くなってしまい大変ですから、できるだけ
勾配を緩くしたいところです。

折板屋根は、大きな谷樋(たにどい)を連続させた構造になっています。
この折板屋根は深さが155㎜×幅500㎜の樋構造をなしていて、奥に向かって
3%の片流れ勾配で、降った雨を即座に排水していきます。
屋根材と屋根材はトップのハゼで重ね合わせてカシメられて水密性が確保
されます。


いやー、良く考えられた仕組みだと甚だ感心してしまいます。

nice!(7)  コメント(0) 
共通テーマ:住宅

【初公開】ビオトープ完成から来月で来月で2年 [ ・ビオトープのある研究所]

「ビオトープのある研究所」も来月末で完成から丸2年を迎え、この一年間で
緑の量は4倍くらいに増えた印象です。
Photo_2.jpg
■2021年6月の様子
水源は屋根に降った雨のため、晴れ間が続くと水の減少が想像以上に
早い印象です。
特にガマやアシの繁茂した今年は池の水消費がかなり多くなってきました。
完成から2年でようやく、意図した景観になってきたこともあり、
今回はビオトープ池を俯瞰した様子を公開したいと思います。

Photo_3.jpg
■2019年4月の工事中の様子
要求された大きな水面と水面近くを歩くための木道をどう設置するか大いに
悩みました。


Photo_0.jpg
■2021年6月の様子
隣接して工事している2期工事中の足場から撮影したものです。
三方原大地と言う丘陵地の上ですから、水が集まる地形ではありません。
水道以外の水源は、折板屋根に降った雨を雨樋で受けてコンクリート
水盤から湧出させることにし、足りない場合は上水によるものと
しました。


もっとお金を掛けて良いなら、盛り込みたいアイディアがありましたが
予算にも制限がありますから、水辺景観と雑木林を造成することを優先
することにしました。

nice!(6)  コメント(1) 
共通テーマ:住宅

【鉄骨建方】無事、上棟しました [ ・ビオトープのある研究所]

構造計算を行なって描かれた建築構造図を元に、ゼネコンの指示で鉄骨工場が
鉄骨の製作図を作成します。

設計者は発注者の代理人として監理業務を請負い、製作図や施工図のチェックを
行って、鉄骨工場は鉄骨の加工作業を行ない、設計者は監理業務で鉄骨工場に
出向いて出荷前の製品検査を行ったところまでが前々回ご紹介しました。

Photo_0.jpg
■鉄骨の現場搬入
大型クレーンで鉄骨をトラックから降ろしています。
右手前の紺の作業着がゼネコンの現場監督で、その左の青い作業着は鉄骨工場の
製作図を描く技術営業担当者。中央の紺色の作業着を着ているのがゼネコンスタッフで
品質管理用の施工写真を撮影しています。

その他の白い作業着の職人さんは、通称「とび(鳶)」さん。
運び込まれた鉄骨を現場で組み立てる鉄骨工事の職人さんです。


Photo_0.jpg
■圧巻の作業
全ての職人さんが自分の仕事を分かっていて、指示を受けることなく黙々と先々の
流れを読み取って作業を進めています。


Photo_5.jpg
■ザ、男の仕事!
クレーンで吊っているとは言え、数トンに及ぶ重量鉄骨を仕事しやすい様に身体
全体を使って移動させていきます。


Photo_2.jpg
■鉄骨柱の建て込み
通り芯に合わせてアンカーボルトを設置したコンクリート基礎に、鉄骨柱を建て
込んでいきます。
鉄骨柱の下端にはアンカーボルトと同じ位置に穴が空いたベースプレートが溶接されて
いて、アンカーボルトに差し込み専用の金具を落とし入れると柱が所定の位置に
セットされるようになっています。


Photo_4.jpg
第1工区の柱3本が建ちました!
僕はここで現場を離れましたが、監督によるとこの後、4本目の柱が建ったところで
柱の上部に梁が架け渡され、立体の建築物としての姿になったそうです。


Photo_3.jpg
仮ボルトを使って仮組みと柱梁の垂直補正中
鉄骨建て方工事は延べ5日間掛かりました。
鉄骨が正しく組み上がったところで、垂直が正しく出ているか確認させてもらいます。


Photo_1.jpg
■ボルトの本締め確認
構造躯体に使用するボルトは高力ボルトと言う特殊なボルトを使います。
普通ボルトはボルトシャフトのせん断力で力を伝えていきますが、高力ボルトは
鉄骨部材同士をプレートで挟み摩擦力で応力を伝えていく考え方です。

そのため、ボルトに正しく引っ張り力が発生していなければ設計通りの構造耐力が
期待できなくなるため、その作業と品質管理状況の確認をさせてもらいます。


今回は、建築物の構造耐力という非常に重要な性能を確認するために、ゼネコンや
職人さんがどのように仕事をしているか紹介させてもらいました。
また、設計者は第三者視点でゼネコンさんの品質をチェックする役割を担っている
ことも知っていただこうと思い、ちょっとコアな記事になりました。

nice!(4)  コメント(1) 
共通テーマ:住宅

【建築設計の仕事】鉄骨製品検査 [ ・ビオトープのある研究所]

今月末はいよいよ鉄骨躯体の現場組立工事となる鉄骨建方(たてかた)です。

建築設計事務所の担当者として、2月から施工図のチェックを行っていて施工図の
承認により鉄骨加工工場で組立・溶接をしていました。

Photo_0.jpg
■溶接作業の様子
こう言う現場を見るにつけ、設計事務所の責任の重さを痛感します。
図面の縮尺は、1/100〜1/200で描いていますが、現物は当然原寸大です。
CADですからモニター上でスケールを大きくしたとしても、立体感は
表現できませんし重さも実感できません。

鉄骨工場で造る上で無理がなく、また現場での組立て作業も無理なく作業
できるように設計者は設計し、鉄骨工場は加工図を作成し、建設会社は
施工計画を立てます。



Photo_1.jpg
■第三者による超音波探傷検査
鉄骨の柱や梁は切り出した鉄材を組合せて溶接していくため、各部品の寸法精度は
もちろん、溶接部位の品質確保が絶対条件になります。
そのため、鉄骨工場では責任を持って自社で全数検査を行いますが、第三者による
検査を行います。

設計者は発注者の代理として、検査に立ち会って検査が適切に行われていることを
確認します。建設業と言うと大ざっぱでザルな印象を持たれている方もいらっしゃい
ますが、現在における建設業は工場による一品生産と同じです。



Photo_3.jpg
■鉄骨工場内の様子
この工場は今回初めて訪れましたが、まだ2年前に完成したばかりのようで
綺麗でしたし、職人さんが全体的に若くて期待が持てましたね。
これからも良い仕事をして貰いたいと思います。

nice!(7)  コメント(1) 
共通テーマ:住宅

大安吉日にⅡ期工事の起工式 [ ・ビオトープのある研究所]

2019年7月に完成した「ビオトープのある研究所」の隣接地に試作工場を新築する
ため、大安吉日の日に起工式が執り行われました。
設計図書通りに工事が行われるよう、施主の代理としてこれから約6ヶ月間、設計監理
を担当します。

Photo_0.jpg
■計画地全景
Ⅱ期工事となる今回は研究所に隣接して、試作工場を建設します。
元々は耕作放棄された農地で、先端的な技術により地域の発展に寄与するもの
として第三者による厳しい審議を経て、特別に許可されるため建築工事の着手には
1年以上の期間を要しました。


Photo_4.jpg
■神事を執り行うテント内
コロナ禍のためソーシャルディスタンスを確保し、神主さんと巫女さん、
施主、施工者、設計者が工事の無事を祈念します。



Photo_1.jpg
■穿初め(うがちぞめ)の儀
穿初めの儀は、鎌(かま)、鍬(くわ)、鋤(すき)を施主、設計者、
施工者がそれぞれ行いました。

工事の安全を祈る気持ちは皆同じです。
神社の宮司さんはⅠ期工事と同じ宮司さんで「Ⅰ期の時も良い天気でしたね!」
と覚えてくれていて、朗らかな空気が漂いました♪

この日の前までには、コンクリート基礎や鉄骨の施工図チェックを終えており、
外壁材とサッシ枠の色も決定していただきました。


クライアントの社長様は「Ⅱ期工事が完成したら落成式をやりたい」と
おっしゃっておられますから、僕も完成が楽しみです♪

nice!(7)  コメント(1) 
共通テーマ:住宅

【定点観測】完成から1年4ヶ月のビオトープ [ ・ビオトープのある研究所]

落葉樹が落葉する前に完成から1年4ヶ月を経て、植生環境がより豊かになった
ビオトープの様子です。

Photo_0.jpg
■2020年11月23日撮影
昨年7月に植えたガマとアシが水深が浅い部分に広がってきて、施主の社長と
設計担当者の僕が想い描いた風景になってきました♪



ちなみに、ビオトープを造成する前の工事中の様子がこちら。

Photo_0.jpg
■2018年12月17日撮影
今回、初公開の写真です。
大きな水面の外周に雑木林を造り水際にアシやガマなどの水生植物を茂らせ、
水面の上にスギ材の木道を巡らせたいと言う施主のオーダーに、現代の建設技術で
どう答えようか悩みました。

また、ゼネコンは見積合せで選ぶため、どこのゼネコンでも見積もれるように
工種を考え、設計図面を作成しました。
このあたりは、建設コンサル時代に担当した水景デザインの経験が役立ちました。


最も、水のある景色を造るだけならそれほど難しくは無いでしょう。
今回はビオトープですから、生物が育つ環境を人工的に造成することが目標です。
そのため、折を見て足を運び、植生の生育状況と生物の繁殖状況が気になる
わけです。



カワセミ.jpg
念願だった野鳥のカ●セミが木道から小魚を狙っていました。
(望遠レンズを持ってきていなかったのが悔やまれます)
設計時点ではカ●セミ向けの環境作りをしていなかったため、半ばあきらめて
いただけにこれは本当に嬉しかったですね!

でもこの様子を見て「あ?ナルホドなぁ!」と思いました。
自然界に比べるとここは遥かに捕食対象となる魚影が濃いし、外敵から身を守り
やすい場所ですから。


今回はかなり深い経験値を得ましたから、次があれば更に良い提案ができると
思います。設計をご依頼の際はぜひ、お声がけ頂けたらと存じます<(_ _)>

nice!(6)  コメント(1) 
共通テーマ:住宅
前の10件 | -  ・ビオトープのある研究所 ブログトップ