雪の福島県へ [■設計コンサルティング]
ようやく全国的に冬らしくなったところで、雪の福島県へ行ってきました。
福島県内の工務店さんに対する2時間程度のセミナーなんですが、うち1時間程度、
パワポを使ってお話しをさせていただきました。
会場には約40名の工務店さんがお越しになっていて、2つのテーマについて
ゆっくりと丁寧に説明しました。
受講後のアンケート結果も比較的好評で、はるばる福島まで来た甲斐があったのと
呼んでいただいた方のお役にも立てたようで何よりです。
終了後は、会津若松市の新築現場へ行き、現場での説明を行いました。
職人さんが優秀な方だったため、2時間の予定が1時間弱で終了。
帰りまで多少時間が余ったため市内観光として、大河ドラマ「八重の桜」の
舞台となった、鶴ヶ城を見学しました。
■鶴ヶ城(会津若松城)天守
戊辰戦争で破壊され、明治政府により解体となりましたが、昭和40年にRC造で再建
された天守です。
内部の展示には「八重の桜」で描かれていた歴史の解説がなされていて、1時間以上
かけてゆっくりと閲覧できました。
しかし、、、気温は氷点下2度。
途中の猪苗代は氷点下4度で、足裏からジンジンと冷えてきました。
総額2,700万円でこだわりの家は作れるか? [■設計コンサルティング]
先週、知人のKさんから自身の家づくりについて、こんな相談メールをいただきました。
「予算2,700万で家づくりは可能でしょうか?」
もともとKさんは家への執着がなかったため、所有するつもりはなかったらしいのですが、
最近、家を持つことを考えて、マンションを見に行ったり、住宅展示場を訪れたりしている
ようですが、なかなかコレと言えるものに出会えないそうです。
僕はKさんの職業やスキルを知っているだけに、
「恐らく設計事務所でないと満足する家はできないと思いますよ!」
と直感的にお答えしました。
利害関係者(同居したり金銭的援助をする人)の有無、奥様の価値観は聞いていませんが、
Kさんのご職業がデザイナーであることを考えるとそうだと言い切れます。
そのため、総額2,700万円で設計事務所を使いながら家づくりをする場合の
考え方を示しました。
子供室のロフトに安全ネット取付けのお手伝い [■設計コンサルティング]
ひなたCAFEのお客様からBlogコメント欄にご相談いただいた件、完了しました♪
■安全ネットを取付けた後のロフト見上げ
安全ネットが白くて透過性が高いため、少し見えにくいかも~。
高めのロフトでしたから、大人の僕でもここで寝るのはちょっと恐いと思いました(笑)
でも、これで一安心ですね~♪
■安全ネットを取付ける前のロフト ※初回打合せ時に撮影
隣の部屋は妹ちゃんの部屋で、設計当初は両方の部屋からロフトを使用することを
想定していたそうですが、実際に生活を始めるとお兄ちゃんだけがロフトを使うことになったため、
この打合せで妹ちゃん側の出入口はネットで覆うことに決定!
初回打合せの際に採寸して現況図を作成し、現況に合うようネットの製作図を描き、
PDF図面をメーカーにメールして見積りをもらい、価格の承認を得てから発注します。
メーカーの混み具合や難易度、数量により異なりますが、今回は発注後10日で製品が
届きましたので検品後、ご自宅にお届けし一緒に取付けました~♪
ひなたCAFEのお客様からのご相談 [■設計コンサルティング]
浜松自宅カフェBlogを読まれた方から、こんなご相談がありました。
「はじめまして。
ひなたCAFEさんを何度か利用させていただいたものです。
我が家にもロフトがあり、落下防止ネットをつけたいと考えていますが、
夫婦ともDIYは全くできないので自分で施工することは無理です。
どういうところにお願いしたらやってもらえるでしょうか?」
そこで何度かメールのやりとりをし、
「それなら一度、現場を見せていただきましょう!」
と言うことで、お宅を訪問致しました。
■まどやまさん宅のロフト
ここにお子様が転落しないよう、安全ネットを張りたいとのこと。
早速、現場を実測した後、現況図を描き、安全ネットの製作図を起こしました。
■安全ネット配置図及び製作図
現況を正確に再現し、その現場での設置方法を検討し、ネットの製作寸法を決定します。
取付けた時の状態はブログで確認済みということで、すんなりOKをいただきました。
この後は、安全ネットの製作をメールで依頼し、納期がわかったところで、
ネットの製作を正式に依頼します。
うまく納められるよう、頑張りたいと思います。
建築設計と医療の共通点 [■設計コンサルティング]
総合診療医 ドクターGと言うテレビ番組をご存じでしょうか?
2010年にNHK-BSで放映された番組だったようですが、大きな反響があったため
NHK総合の地上波で現在オンエアされている番組です。
ドクターGと言うのはジェネラリストのことで、内科とか外科とかの専門医ではなく、
総合的な診療を行なうことができる医師のこと。
週刊少年マガジンに連載中で、テレビドラマも制作された『ゴッドハンド輝』の主人公、
真東 輝(まひがし てる)もジェネラリストを目指しています。
(ゴッドハンド輝は僕も毎週楽しみにしているマンガです)
僕は地上波の総合診療医 ドクターGを先週、第2回放映分から観たのですが、
「これって建築の設計と同じだよな~?」
と思いました。
どういうことかと言うと、治療行為と設計行為は同じだと思ったからです。
病気やケガの治療に入る前にまずは患者から問診をしますよね?
そして、診察、検査をして病気や原因を特定してから実際の治療行為に入ります。
一方、建築の設計行為も依頼者の要望を聞くこと(すなわち問診)から、すべてが始まります。
住宅の依頼者が建築を作る目的とは、単に寝食をするための空間を作ることではなく、
住宅を通して長年の夢を実現することですが、施主が言葉で表現する要望がそのすべてを
語っているとは限りません。
というよりもむしろ、表現できていないと言っても良いでしょう。
総合診療医 ドクターGは、患者が訴える言葉に耳を傾け、カンファレンス(症例検討会)形式で
病気の原因を特定する番組構成です。
患者が感じているほんのちょっとした違和感から発せられる言葉をヒントに、病気やケガの本質に
迫っていく様子を描いたドラマなのです。
建築設計を進めるプロセスもこれと同じで、設計プランの正解は施主の中にしかありません
から、施主が発する何気ない言葉や要望にこそ、実は大きな満足が隠されていることが多いです。
ゴッドハンド輝の真東輝も、ジェネラリストを目指して日々研鑽していますが、患者と対面した時は
すべての神経を患者に向け、患者を病気やケガの苦しみから解放することに全力を尽くします。
青臭い台詞かもしれませんが、こういう医師や職業人が生き残るべきだと信じたいし、
事実そうであると確信しています。
特に、インターネットの普及により素人が物事の本質に触れることが可能になりましたから、
この動きは加速化するだけでしょう。
そのようなわけで、僕が目指すのは総合診療医のような建築士であり、建築プロデューサーだと
確信した次第です。
ちなみに、建築士試験の二次試験もまったく同じ。
一級建築士の二次試験とは、6時間半かけて基本計画と基本設計の中間的な図面を描くもの
ですが、図面を描きあげることばかりに意識が集中するあまり、本質的なことに気付かない人も
多いようです。
先に述べたように、建築プランの正解は施主の言葉の中にあるわけですから、問題文という
形にまとめれた施主(出題者)の意図を深く理解することに意識を集中しなければなりません。
言い換えれば、正解となる建築図面を文章化したものが問題文なんですよね。
設計プランが決まる瞬間 [■設計コンサルティング]
1億を超えるような公共事業にせよ、ローコストな個人住宅にせよ、プランを提示して、ものの
10分程度と殆ど即決のような感じで設計案が決まってしまうことが何度かあります。
最初の体験は、宮城県にある公園の基本計画を行なった時でした。
本社勤務の僕に上司から
「東北支店で受注した公園の計画が20案以上提示しても決まらないそうだから、
ちょっと手伝ってまとめてやってくれ」
と言われた物件でのことでした。
過去に提案された資料一式が送られてきたため、参考までにザッと目を通したのですが、
どれも似たり寄ったりで何をしたいのかが良くわからないものばかり。
プレゼンテーション自体もクォリティが低く、正直「これでは無理ないなぁ・・・」と思うものばかりで、
「これを承認しない役所担当者がまともだよ」と思った次第です。
そんな状態でしたから、それまでの案は参考にせず、タラタラと案を考えながら2時間程度で
描き上げたプランを提示し、15分程説明したところで
「こっちのA案にしましょう!」
とほぼ即決状態でした。
「アレッ?」と思ったのは自分の方で、過去においてそんなに短時間でプランがまとまる
経験をしたことはなかったからです。
一方、埼玉県のある町役場から依頼された公園設計では、最初に提出した3案の一つを訂正し、
夕方役所へFAXした時のこと。
訂正と言ってもフリーハンドで描いたもので、着色もしていませんでしたが、
「ちょっと見て~!」と言う軽い気持ちで送ったFAXの図面を見た、担当の課長から
「村松さん。コレ良いよ!コレやろうよ!」
と興奮気味に直接電話をいただき、この時、僕の中に何かが芽生えた気がしました。
その後、個人的に住宅を手掛けさせていただいているわけですが、プランを描いたところで、
「あっ、これは今日決まるな!」
とわかるようになってきました。
これらはすべて共通して同じことを感じたわけですが、それは何かと言うと、
「あっ、これは現物を見てみたい!」
と思った瞬間なんです。
こう感じたプランはほぼ100%実現化しています。
しかも、僕自身が少し興奮状態になった場合は、訂正もほんの少しで済むことが多いのです。
(他の設計者の場合にどうかはわかりません。あくまでも僕の例です)
この理由がなぜなのかは想像の域を超えませんが、0の状態から何かを産み出す職業の方は
もしかしたら同じような経験をしたことがあるかもしれませんね。
僕が信頼するある経営コンサルタントが、「本当に上手く行くビジネスを考案すると
一週間くらい興奮状態で眠れなくなりますよ」と言っていましたが、確かにそうかも。
依頼された建築設計や公共事業でさえそうなのだから、大きな影響を与えるようなビジネスを
自分自身が産み出したのであれば、そうなるのもわかるような気がしませんか?
いざ鎌倉!ある建築家の自邸へ [■設計コンサルティング]
今回は長文を書く余力がないため、僕自身の話は一旦おやすみさせていただきます<(_ _)>
日曜日、神奈川県鎌倉市で建築のお仕事でした。
と言っても設計は僕ではなく、本業でお付き合いさせていただいているNさんと言う設計者
ご自身の自邸で、施工の一部をお手伝いしました。
Nさんはある組織設計事務所にお勤めの方で、今回初めて木造戸建て住宅を設計された
そうです。
一級建築士と聞くと何でも設計できると思われがちなのですが、大学の建築学科では
木造はそれ程扱いませんから、住宅専門の研究室に入らない限り(あるのか?)、
木造住宅の実施設計を学ぶ機会はありません。
そのため組織設計事務所で複合ビルやホテル、総合病院など数千㎡の建築設計を多く
手掛けたとしても100㎡にも満たない住宅設計は初めてだったり、不得手だという人も
案外多いもの。
Nさんは医療施設やホテル、美術館などを得意としており、その彼が初めて作る戸建住宅に
設計者としてどう取り組むのかを学びたいと思いました。
お手伝いのために受取った図面から、設計者の意図や現地の状況を自分なりに考察し、
それを現地で実際に確認することで。
■玄関ホール(施工中ですが、想像通りでした)
■2階LDKからの景色
写真ではわかり難いと思いますが、サッシュもガラスも入っています。
2間間口のフィックスガラスを2面、ドカーンと!
この景色のために、この場所を選んだことが良くわかりますね。
【おまけ】
鎌倉の大仏
初めて拝観しましたが、感動しました!
青い空に鎌倉の山がまた見事。
入居し落ち着いた頃、またお邪魔しがてら鎌倉を巡りたいと思いました。
『住宅』と『ラーメン』は同じ [■設計コンサルティング]
『住宅』と『ラーメン』が同じって、どういう意味だと思いますか?
「良い家が欲しい!」
「美味しいラーメンが食べたい!」
これって殆んど同じ意味なんです。
???
と言っても、ピンと来ないかもしれませんね。
あなたが好きなラーメンはどんな味ですか?
みそラーメン?醤油ラーメン?塩ラーメン?それともトンコツ?
具は?
麺は細麺?太麺?縮れ麺?
あるいは、インスタントラーメン?
職業によって好みの味は違いますし、年齢や性別、季節、或いはその時の気分でも違うと思います。
住宅も同じだと思うんですよね。
ハウスメーカー、工務店、ビルダー、親戚の大工さん。
地域によっても違います。
同じ住宅会社でも設計担当者が変われば、また違います。
実際に作る大工さんが師事した親方によっても違うんです。
使用する木材に寄っても当然違います。
さて、、、あなたのお気に入りのラーメン屋さんはどんなお店ですか?
それはどんな味のラーメンですか?
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この文章は、2005年2月15日に書き留めてあったものをリライトしたものです。
改めて読み返してみると、かなり稚拙な表現ですね(笑)
メルマガか何かを書こうと思っていたのかもしれないし、カフェ開業後の建築勉強会でお話ししようと
思っていたのかもしれません。(今まで忘れていました)
建築と言ってもあまり難しく考えないで、「好きなラーメンを選ぶのと同じように考えましょうよ」
と言いたかったのだと思います。
他にもまだありましたから、好評であればまたアップするかもしれません。
国産材って高いイメージありませんか? [■設計コンサルティング]
直接エンドユーザーに天竜材の良さをアピールするために、天竜材を扱う製材業者、
材木店が集まった、天竜材を世に出す会。
名付けて「テンダス」が開催する、『森のアウトレット』が来月行われる。
今年で6年目の第12回。
毎年、6月と12月の2度催され、天竜材を中心に、プロ、素人問わず格安で販売
される。
メチャクチャ安いから、きっと殆ど利益は出ていないんじゃないかな~?
例えば、第二回目の時に購入したこれ。
本棚を作ろうと思って購入した、杉の足場板。
切りっ放しのガサガサの表面にサンダーをかけると・・・
その下からは、きれいな杉の肌が現れる。
ヒノキの足ブロックで2段重ねにして本棚として使っていたものを、今はベンチにしています。
これを見た妻は、木を触りながらポツリと一言。
「やっぱり本物を知らないと駄目だな!」
杉の足場板は、厚さ3cm×幅27cm×長さ370cm位(約二間)
これをレガシィに積めるよう、2枚にカットしてもらいました。
コレ、幾らだったと思いますか?
チッチッチッ・・・・・(またか?)
ポ~ン!
杉の足場板が、2千円。2枚に切ったので、写真の板は1枚たったの千円!
ヒノキブロックが1個500円也です。
ここまでとはいかないにしても、住宅に国産材を使ってもたかが知れているってもんです。
木材の建築工事費に占める割合を20%程度とする。
外材やエンジニアリングウッドに対する増額分を、20%程度と仮定します。
つまり、20%×1.2=24%となって、国産材を使っても増額は4%程度。
僕は、その4%は、上流の山が作るきれいな空気と水へのお返しだと考えています。
「国産の杉やヒノキは良いけど、高いでしょ?」って思っているあなた!
本当にそうですか?
■浜時カフェの実績
厨房、照明、エアコン、給水引込み工事を除く、建築工事費を100%とした場合、
・木工事費率 = 32.5% ※建築工事費に対する割合
・木材費率 = 13.9% ※建築工事費に対する、全木材使用量の割合
でした。
柱、梁は、天竜杉の自然乾燥材の、あらわし(壁や天井で隠さない)なので、
プレーナー仕上げの上、リボス塗装が施されています。
1階店舗部分は、コンクリート仕上げのため、縁甲板などの床材使用量は
一般的な2階建てと比べて少ないと言う条件です。
ちなみ、僕は木材業者でもないし、宣伝を頼まれているわけでもありませんよ。
また、「すべての住宅を国産材でやらなければ駄目!」と
主張している訳でもありませんから。。。