建築設計と医療の共通点 [■設計コンサルティング]
総合診療医 ドクターGと言うテレビ番組をご存じでしょうか?
2010年にNHK-BSで放映された番組だったようですが、大きな反響があったため
NHK総合の地上波で現在オンエアされている番組です。
ドクターGと言うのはジェネラリストのことで、内科とか外科とかの専門医ではなく、
総合的な診療を行なうことができる医師のこと。
週刊少年マガジンに連載中で、テレビドラマも制作された『ゴッドハンド輝』の主人公、
真東 輝(まひがし てる)もジェネラリストを目指しています。
(ゴッドハンド輝は僕も毎週楽しみにしているマンガです)
僕は地上波の総合診療医 ドクターGを先週、第2回放映分から観たのですが、
「これって建築の設計と同じだよな~?」
と思いました。
どういうことかと言うと、治療行為と設計行為は同じだと思ったからです。
病気やケガの治療に入る前にまずは患者から問診をしますよね?
そして、診察、検査をして病気や原因を特定してから実際の治療行為に入ります。
一方、建築の設計行為も依頼者の要望を聞くこと(すなわち問診)から、すべてが始まります。
住宅の依頼者が建築を作る目的とは、単に寝食をするための空間を作ることではなく、
住宅を通して長年の夢を実現することですが、施主が言葉で表現する要望がそのすべてを
語っているとは限りません。
というよりもむしろ、表現できていないと言っても良いでしょう。
総合診療医 ドクターGは、患者が訴える言葉に耳を傾け、カンファレンス(症例検討会)形式で
病気の原因を特定する番組構成です。
患者が感じているほんのちょっとした違和感から発せられる言葉をヒントに、病気やケガの本質に
迫っていく様子を描いたドラマなのです。
建築設計を進めるプロセスもこれと同じで、設計プランの正解は施主の中にしかありません
から、施主が発する何気ない言葉や要望にこそ、実は大きな満足が隠されていることが多いです。
ゴッドハンド輝の真東輝も、ジェネラリストを目指して日々研鑽していますが、患者と対面した時は
すべての神経を患者に向け、患者を病気やケガの苦しみから解放することに全力を尽くします。
青臭い台詞かもしれませんが、こういう医師や職業人が生き残るべきだと信じたいし、
事実そうであると確信しています。
特に、インターネットの普及により素人が物事の本質に触れることが可能になりましたから、
この動きは加速化するだけでしょう。
そのようなわけで、僕が目指すのは総合診療医のような建築士であり、建築プロデューサーだと
確信した次第です。
ちなみに、建築士試験の二次試験もまったく同じ。
一級建築士の二次試験とは、6時間半かけて基本計画と基本設計の中間的な図面を描くもの
ですが、図面を描きあげることばかりに意識が集中するあまり、本質的なことに気付かない人も
多いようです。
先に述べたように、建築プランの正解は施主の言葉の中にあるわけですから、問題文という
形にまとめれた施主(出題者)の意図を深く理解することに意識を集中しなければなりません。
言い換えれば、正解となる建築図面を文章化したものが問題文なんですよね。
ゆっくりお話したいですね。
by kuni (2011-08-08 12:19)
●kuniさん
そうですねー!
それと間近でkuniさんの木工加工作業を見てみたいですよ。
by 浜松自宅カフェ (2011-08-08 23:21)
施主のなかにしか無い正解を、設計者として如何に正解に導くか。
日々、自問自答しております。
by plusgate (2011-08-10 10:51)
見てますよ~☆
by 夢空 (2011-08-10 22:32)
●夢空さん
正解といっても一つじゃないし、設計者によっても正解が変わって
くるのが面白いですよね。
著名建築家に依頼すれば満足するものになるかと言うとそういう
ものではないですし。
日々、自問自答、わかります。
●夢空さん
そうですかー!
ある意味、納得ですが・・・(笑)
by 浜松自宅カフェ (2011-08-11 11:29)
●chihoさん、JOHNさん
nice、ありがとうございます。
by 浜松自宅カフェ (2011-08-16 00:37)