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エスキース進行中 [ ・サーファーズ・ニアビーチ・ハウス]

浜自カフェをご覧になったご夫婦の依頼によるエスキースが進行中です。
来週末には、もう一件も着手します。
IMG_7279.jpg
エスキースと言うのはプランの下書きのようなもの。
初回の打合せで要望を伺ったあと、初回の打合せでエスキースを10案提示しました。
この方法は、僕が尊敬する建築家、吉村順三さんの個展からヒントを得たものです。
RC造平屋の小さな住宅の計画でしたが、思考のプロセスがものの見事に
整理されていたのです。

 

 

今回、そのエスキース案を元に議論を行ない、目指す方向性を明らかになりました。

 

要望により、さらに4案を作成し3回目の打合せ。
かなり方向性が絞り込まれてきます。

 

こうすることで施主のイメージを可視化していき、また設計者の思考がたどれるため、
プランが堂々巡りすることがありません。

 

建築の設計とは、建築に施主と設計者の意志を込めること。

 

と過去記事で書きましたが、様々な与条件(敷地や資金、家族関係など)を元に、
施主の価値観やライフスタイルから機能を形態にしていくわけです。

そのために、設計図模型パースというツールを使用し、情報の共有をはかり、
図面では伝えきれない情報を設計監理と言う手段によって、現場に反映させて
いく行為が設計者の仕事です。

 

設計者には極めて論理的な思考と、感性と言う曖昧さの両方が必要なのですね。
論理思考だけだと合理的だけど詰まらない建物になるため、
感性が近い施主と設計者のマッチングがとても重要になります。

さてさて、この家はどういう建物になるでしょうか。
今からとても楽しみです♪

 


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コメント 12

いちよ

エスキースをこうして多く提示していただけると、コレのココとコレのココがいいとイメージしやすく、建築主にとってはとても分かりやすくていいですね。
by いちよ (2008-07-13 23:56) 

たいせい

 この段階で方向性をしっかり決めていくのが、大変なのでしょうね。
 お仕事も順調そうで、何よりです。
by たいせい (2008-07-14 08:29) 

アキラ

建築工事は「請負契約」だが、建築士の設計は「委託契約」だと言って、自分勝手な設計を進める建築士を知っています。
その人に、このブログ記事を読ませたくなりました。
神奈川県の協会のトップですが、浜自カフェさんの爪の垢でも煎じて飲ませたいくらいです。
今後の記事も楽しみにしています。
by アキラ (2008-07-14 12:46) 

浜松自宅カフェ

●カフェオランジュさん、JOHNさん
 nice、ありがとうございます。

●たいせいさん
 与条件が明確であれば、方向性を定めるのは実はそんなに大変では
 ないのですよ。
 当たり前の事なんですが、予算や敷地条件、要望が不明確の場合も
 割りとあるからです。

●アキラさん
 僕が務めていた設計コンサルは新卒入社だったのですが、役員面談で
 「典型的な請負業ですよ」と言われました。

 当たり前のことを当り前にやっているだけなので、それほどお褒め
 いただいても恐縮してしまいます。。。
 自分勝手に設計を進めるなら、自分の資金でやるべきですよ。

 今後の記事はお施主さんの承諾をもらい、差し障りの無い範囲で記事に
 させていただこうと思います。
by 浜松自宅カフェ (2008-07-14 21:01) 

plusgate

なるほど~ そういう手法もありですね~
僕の場合はせいぜい3案までかな・・・
今後が楽しみです。
by plusgate (2008-07-15 16:16) 

大工の荒井です。

先日は、訪問&書き込みありがとう御座いました!
相変わらず忙しそうで何よりです。

結構シンプルなプランですね!?

シンプルな方が納まりも良いしコストも抑えられる!
シンプルイズBEST!といった感じでしょうか?

朝現場に着いたら、今の現場で2回目の盗難被害に遭いました・・・
凹んでいたら、頼んでいた羊毛断熱材が到着!
なんとか、落ち着きましたがブルーです・・・

浜松自宅カフェさんの方でも
未だに盗難被害ってありますか?
by 大工の荒井です。 (2008-07-15 21:16) 

浜松自宅カフェ

●plusgateさん
 普通はあまりやらないでしょうね~。
 なぜなら、施主のためと言うより設計者の考えの整理のためだから。
 今回は時間がとてもタイトだったため、この手法をとらざるを得なかった
 のです。

●xml_xslさん、takemoviesさん
 nice、ありがとうございます。

●荒井さん
 超忙しいです!!!
 ええっ、シンプル・イズ・ベストですよ♪
 盗難被害、僕は聞いたことないですけど・・・(それ程現場ないしっ)
by 浜松自宅カフェ (2008-07-15 22:04) 

eddie

>設計者には極めて論理的な思考と、感性と言う曖昧さの両方が必要な>のですね。
>論理思考だけだと合理的だけど詰まらない建物になるため、
>感性が近い施主と設計者のマッチングがとても重要になります。

なるほど、右脳と左脳の両方をフル回転ってところでしょうか。
by eddie (2008-07-15 22:20) 

denn

10案も!^^
究極の選べる幸せかも~^^ 迷っちゃう^^
by denn (2008-07-16 00:42) 

ドクトルパンダ

八王子で家を建てたときも、浜松のこの家を建てたときも、このような親切なプレゼンテーション?エスキースはありませんでしたゾ!ちょっと悔しいです!
by ドクトルパンダ (2008-07-16 07:10) 

浜松自宅カフェ

●eddieさん
 結果的にですが、僕は右脳でも左脳でもない様です。
 基本的に直感(右脳)をまず信じ、それを左脳で分析すると言う
 ことが多いです。

 だから、建築プランを作るときもまず直感ありき!
 「やっぱこうだろう?」みたいな。
 それをロジックで解くと言う感じです。

●dennさん
 10案と言ってもエスキースですからね。
 結論から言って、選ぶ側の立場になれば、「これはナイ」「これはアリ」が
 ありますから、3案位にまで絞り込むのは早いと思います。
 でも、結局建つのは1案でしかないですからね。
 お施主さんには『決断する』責任と権限があるのですよ!

●ドクトルパンダさん
 僕も過去においてこのようなやり方をしたことがありませんでした。
 それだけに住宅の名手である吉村順三さんの手法を見たときは衝撃的
 でした。
 少しでも参考になれば幸いと思って、今回記事にした次第です。
by 浜松自宅カフェ (2008-07-16 20:42) 

浜松自宅カフェ

●しゃくとりむしさん
 nice、ありがとうございます。
by 浜松自宅カフェ (2008-07-23 21:42) 

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