超絶!スラブと立上りのコンクリート一体打ち! [■自邸の施工]
浜自カフェのコンクリート基礎は、いわゆる「ベタ基礎」です。
正しくは、「ベタ基礎+耐圧盤」と言う基礎構造です。
耐圧盤は、カフェ店舗部分。
立ち上りが無いですから、剛性を確保するために耐圧盤になっています。
(まっ、そんなことはどーでも良いですね?)
さて、、、本日の話題は「ベタ基礎」のスラブ(床版)と立上り部のコンクリート一体打ち
についてです。
一般的には、スラブのコンクリートを打設したあと、立上り部分の型枠を組んで
コンクリートを打設する工法が殆どだと思います。
しかし、打継ぎ部分が一体化していないと、水が入ったり、シロアリが入り込むことがあります。
そのため、基礎は一体打ちするのが理想なんです。
浜自カフェの基礎工事を担当してくれた、コンクリート工事会社代表のK君は、人柄も良く、
仕事がとても丁寧。
型枠がまた美しいのですが、毎回工事が終わると鋼製の型枠を油で掃除するそうです。
基礎天端の精度は、±1mm以内。
大工さんからも、「仕事がしやすい!矩(かね)が出る!」と好評です。
では、どうやって一体打ちをするのか見てみましょう!
写真のように、内側の型枠は浮いた状態になります。
そのため、専用の型枠が必要になります。
専用型枠にはかなりの投資が必要だったため、とても型枠を大事にしているんですね~♪
ポンプ屋さんは、自前のポンプ車を自在に操り、
「どこでも打つよー!」と心強い。
まずは、立上り部の下部に押さえのコンクリートを投入していきます。
基礎屋さんの他、工務店の監督も一緒になってバイブレータをかけて、生コンを液状化させて
充填していきます。
立上りの下部を打ち終えたところ。
この後、スラブ部分の生コン打設に入ります。
今回は、テストピースも採取しました。
1週強度用と4週強度確認用です。
木造住宅の場合、テストピースを採ることは少ないのですが、自身の勉強を兼ねて敢えてやって
みました(有料です)。
検査は、第三者機関によるものはなく、生コン会社の自主検査となります。
左側の写真は、混入エア量を計測しているところ。
右側は、流動性の指標となる、スランプ値を計っているところです。
6本の黒い(鉄製の)筒は、強度試験用のテストピースを採取するための型枠です。
1週強度は、1週間後に圧縮強度試験機にかけて、規定の強度が発現しているか調べます。
4週強度は、28日後に圧縮強度試験にかけます。
コンクリートは、セメント、水、骨材(砂と砂利)を混錬したものですが、水とセメントの
水和反応により、ガラス質の結晶体を構築していくもの。
(だから綺麗に打ち上がったコンクリートの表面はピカピカしているんです)
水和反応は急速に進むのではなく緩やかに進むため、その反応の状態を確認する目的で
行うのが、上記の試験です。
ここで大事なことは、水を枯らさないこと。
セメントは水と出会うことで始めて結晶化する訳です。
つまり、コンクリートを乾かすなんてのはとんでもない行為です。
良いコンクリート基礎を作るには、良い材料、良い打設。そして、良い養生が必要なんです。
誰ですか~?
「コンクリートなんて水でこねてドロッと流すだけじゃないの?」
なんて言っている人は!
これは奥が深いですね・・・勉強になります。
うちも基礎工事の後1ヶ月はかかると言われ最初「なんで?」と
思ったのですが、聞いて自分の素人さに恥かしくなりましたw
by ゆつき (2006-04-26 23:07)
耐圧盤と立ち上がりの一体打ち、常々やりたいと思っているのですが、
なかなかやってもらえる鳶さんがいなくて・・・
いい勉強になりました。
ありがとうございます。
by アキラ (2006-04-27 10:56)
二度打ちの場合はレイタンスの除去を
しないと、厳密にいえば1枚膜を張って
いる状態なので意味ありません。
浮き方枠の精度管理は大変なんですが
やはり理想は、この方法ですよね。
by macoto (2006-04-27 12:21)
そうそう、何事も基礎は大切だよね。
東海大地震も近そうだし。
by stella (2006-04-27 22:58)
●ゆつきさん
コンクリートってのは本当、奥が深いです。プロでもそんなに知っている
方は少ないですよ。
●アキラさん
なかなかやれるところ無いですよね?建築面積20坪弱の基礎工事で
10万円アップ位なんですけど、この品質を考えたら安いと思います。
●macotoさん
二度打ちの場合のレイタンスの除去は必須ですね~。
打ち継ぎ部は、僕が金ブラシでゴシゴシ擦りましたよ(笑)
ところで、レイタンスってどんなの?それって美味しい?
●stellaさん
僕が10歳の頃に、東海地震が騒がれて早30年。
その間に、阪神・淡路、鳥取、北海道、福岡、新潟中越で大地震。
東海地方は殆ど揺れないのがとても不気味です。
ちなみに、県条例で「地震地域係数」は、Z=1.2と決められています。
建築基準法では、0.7~1.0ですから、普通にやっても20%増しの
強度が求められてます。
by 浜松自宅カフェ (2006-04-28 09:05)
初めて、一体打ちの現場見ました。ほんとにやれるところは少ないんですよね。コンクリートの奥深さをまた感じます。職人さんの腕のみせどころですね。
by plusgate (2006-04-28 10:36)
●plugate316さん
実は、この基礎屋さんも最初から出来た訳ではなく、浜自カフェ設計チームで
実施設計を担当したY君が、高校の後輩である基礎屋のK君に『一体打ち』を
提案し、「俺が使うからやらないか?」と持ち掛け、代表のK君は一発奮起
して型枠への投資を決意したそうです。
by 浜松自宅カフェ (2006-04-28 21:12)
私も浜松に住んでいて、新築中の者です。楽しく読ませていただいてます。
by kankan (2006-04-28 22:11)
●kankanさん
浜松ですか?嬉しいです♪今後とも宜しくです。
by 浜松自宅カフェ (2006-04-28 22:35)