プランの作り方と建築費を決める3要素 [ ・家づくり勉強会]
住宅に限らず建築を建てる際、まず考えるのが建築費用でしょう。
本当は建築費用だけでなく、事務手数料の他、生涯のメンテナンス費やエネルギー費用などを
加えたライフサイクルコストで考えるべきですが、今回はイニシャルコストのうち、最も大きい
建築工事費について建築をプランする設計者の視点で吟じてみたいと、、、
ち、ちがった・・・、考えてみたいと思います。
まず、誤解のないように申し上げますが、安く作れば満足する家になるかと言うとそうではなく、
やはり、「建てたい!」と思うプランでないと「建てよう♪」と言う方向に気持ちが動きません。
そのため建築設計者には、『建てたいと思うプラン』と『許される予算枠』をバランスさせる
微妙なセンスが要求されます。
さて、ここからが今日の本題。
僕が依頼された住宅はすべてコストの縛りが大きいものばかりなのですが、
そういう住宅をプランする際には次の3要素を拠り所に考えます。
A.面積・・・Aria
F.建物の形状・・・Form
G.グレード・・・Grade
すなわち、『建築費用』 = 『面積』 × 『形状』 × 『仕様』 となるわけですが、
「そんなの当たり前じゃん!」って思いますよね?
だけど、案外わかっていない方が多いような気がします。
そのため、「廊下は無駄だから極力作らない!」とか「物置を家の中に作ったら勿体ない!」
と言う言葉を良く聞くのですが、冒頭で述べたように建築主が「建てたい!」と思うプランで
なければ、高額な工事契約書にサインしようとは思わないですよね?
さて、上であげた3つの要素の内、最も大きなウェイトを占めるのが面積の要素です。
『面積』と言ってもさらに、1)延べ床面積、2)建築面積、3)施工面積に分解され、
これらに密接に関係するのが建物の形状です。
『形状』はさらに、4)階数、5)平面形状、6)屋根形状に分解され、
また、これらすべてに関係するのがグレードです。
『グレード』はさらに、7)外装グレード、8)内装グレード、9)設備グレードに分解され、
9)設備グレードはさらに、①給排水衛生設備、②電気設備、③空調設備に分解されます。
建物をプランする際は、計画地の条件と施主の要望を頭に入れ、
これら3要素を拠り所に、9項目のバランスを考えながらプランを組み立てていきます。
頭に入れてと言いましたが、チェックリストがあるわけではなく、僕の場合は頭に浮かんだ
おぼろげなビジュアルに照らし合わせて筆を動かす感じです。
これはあくまで僕のやり方であって、他の設計者がどうしているのか知りません。
ただ、著名な建築家の展示会で見ることができるスタディやスケッチを見ても、やはり似たような
作業をされているようです。
う~ん、本当は「価格を決める3要素」だけを言いたかったのですが、何だか難しい記事に
なってしまい申し訳ないです<(_ _)>
さて、この記事は設計者視点で書きましたが、実はお施主さん視点でも大きな価格要素が
あるため、また近い内に話したいと思います。
●JOHNさん、たいせいさん、ムクさん、kuniさん
nice、ありがとうございます。
by 浜松自宅カフェ (2009-10-24 00:00)
こうやって改めて整理するとなんかいいですね~
(抽象的なコメントですみません)
by plusgate (2009-10-24 22:57)
●plusgateさん
あくまで僕の視点で述べたに過ぎませんが、
plusgateさんも同じようなことをやってるのではないかと思っていますが
どうなんでしょうね?
plusさんの設計プロセスも興味あります。
by 浜松自宅カフェ (2009-10-26 13:26)
ちゃんと整理したことはないですが、ほぼ同じです。
加えるとすれば、設計者(僕)の存在意義です。
あまり上の9項目を考えすぎると、
存在意義がなくなりそうになるときがあるので、
よい方向になるよう要望を否定するときもあります。
内心、ヒヤヒヤしてますが(笑)
by plusgate (2009-10-28 15:49)
●plusgateさん
> 加えるとすれば、設計者(僕)の存在意義です。
> 存在意義がなくなりそうになるときがあるので、
> よい方向になるよう要望を否定するときもあります。
> 内心、ヒヤヒヤしてますが(笑)
あっ、そうですよね!
考えてみたら僕も同じです。
設計者が介在するわけだし、その設計者のキャラクターに期待して
お施主さんは設計依頼をするわけですから大事ですね♪
単に安いだけの建築じゃ、「建てよう!」「建てたい♪」とは思わない
ですから。
by 浜松自宅カフェ (2009-10-29 06:48)