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大人のTSUTAYA 『代官山 蔦谷書店』(前編) [■建築探訪]

本、映画、音楽、喫茶という文化を、誰でも気軽に楽しむための店、TSUTAYA
そのTSUTAYAを企画運営する会社が、カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社
通称、CCCだということをご存知な方は少ないかも~。

つまり、「文化のコンビニエンスストアをFCで展開する」と言う企業目的そのものが、
企業名に表現されているわけです。

TSUTAYAでCD、DVD、書籍をレンタルする際は、Tポイントカードという会員カードの
登録が必要なのですが、2012年1月現在、全人口の30%、20歳代では64%以上
保有しているそうです。


一方、時間的にゆとりのある60歳以上では保有率10%に留まっている。
そこで50歳以上の成熟した時間にもお金にも余裕のある大人を「プレミアエイジ」として
位置づけ、「プレミアエイジを対象にTSUTAYAを作るとこうなる!」と言うモデル店舗が、
代官山 蔦谷書店をメインとした、代官山T-SITEなのです。
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■代官山 蔦谷書店 ※「代官山T-SITE」は、「蔦谷書店」と「GARDEN」の2ゾーンから成っています。
「T」をモチーフにしてデザインされたGRC(ガラス繊維補強コンクリート)を用いた外壁。


CCC内で当初、「代官山プロジェクト」と呼ばれていたこのプロジェクトは、2010年に80以上の
建築設計事務所に呼びかけ、一次審査を通過した11の基本設計案から建築家を選定し、「T」の
文字をモチーフにした印象的なファサードを提案したクライン ダイサム アーキテクツに決定。
RIA(アール・アイ・エイ)を共同設計者としてこの印象的な外観が実現したそうです。


IMG_1239.jpg
■旧山手通りから見たT-SITE全景
東急東横線代官山駅から徒歩5分の距離。
写真右側では、槇文彦氏によるヒルサイドテラスに隣接し、旧山手通りをはさんで向かい側には
デンマーク大使館、エジプト大使館がある由緒正しきロケーションです。

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■正面2号館エントランスへのアプローチ ※右側は3号館

お天気に恵まれたとはいえ、これまでのTSUTAYAと違ってアプローチからして気持ち良い!
アップで見ると一見奇抜に見えるかもしれない外壁も、遠景では編み込みとして認識され、
強く印象に残しながら嫌味がない意匠でした。

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■既存樹を活かした中庭を行き交う人々
今回訪れたのはGW初日である土曜日午後の時間帯。
利用者は日本人が圧倒的に多いのですが、日本に滞在していると思われる外国人が
日常的に利用し、景色の一部になっているのが印象的でした。

商業施設は人が利用してこそ成立するわけですが、格好良い人達が利用している状態を
あらかじめてデザインされているわけです。
(CCCのCEO 増田さんのコメントから)

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■1号館と2号館をつなぐ連絡橋からの見下ろし
有機的な形状の植栽帯。
新緑の梢(こずえ)越しに旧山手通りが見えますね。

建築は2階建てなのですが、1階と2階の動線がとても上手く整理されていると思います。

IMG_1223.jpg
■2号館と3号館をつなぐ連絡橋からのGARDEN方向見下ろし
「本屋さんが作った街」と言えば良いでしょうか?
代官山と言う立地に見事に調和していますし、T-SITEのオープンにより一層、街の価値が
上がったように思いました。 

IMG_1221.jpg
【おまけ】120台収容の専用駐車場
まー、やはりこうなりますわな~(笑)

東京FM系列の人気プログラム、山下達郎サンデー・ソングブックのメインスポンサーが
2012年1月より「ジャックスカード」から「代官山 蔦谷書店」にバトンタッチしたため、


「全国ネットなのになぜ、代官山 蔦谷書店がメインスポンサーなの?」


と疑問に思っていたのですが、日経アーキテクチュア2012-2-10の
CCC代表取締役 増田宗昭社長の特集記事に加え、氏の著書を読ませていただき、
少子高齢化に対応したTSUTAYAのあるべき姿
(建築だけじゃないですよ!)を形にしたことが
よーくわかりました。

後編では、T-GARDENランドスケープを軽くご紹介したいと思います

今月末の出版記念パーティーでは、増田社長も発起人の一人に名を連ねてらっしゃいますから、
もしお会いできたら、今回購入した著書にサインをいただきたいと思っています(笑)


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コメント 7

浜松自宅カフェ

●jun-arさん、stellaさん
 nice、ありがとうございます。
by 浜松自宅カフェ (2012-05-03 20:40) 

plusgate

東京に行きたくなりました^^
やはり、駐車場の高級車率は東海地方とは違いますね(笑)
by plusgate (2012-05-04 09:50) 

浜松自宅カフェ

●plusgateさん
 住宅デザイナーであればなお見学をお薦めします。
 なぜなら増田社長によると、大人のTSUTAYA『代官山 蔦谷書店』は
 『家』をコンセプトに計画しているから。

 建築意匠やインテリアは、商業施設⇒大規模マンション⇒戸建住宅
 で広がっていきますし、これほど注目を集めているわけですし、
 何よりとても気持ちいい空間だと思いますが、残念ながら写真では
 まったくと言って良いほど表現できていません。

 僕がやりたかったことは「コレだったんだ~!」と生意気にも悔しく
 思いましたよ(笑)
by 浜松自宅カフェ (2012-05-04 10:27) 

浜松自宅カフェ

●RodorigesEXさん、thisisajinさん、SORIさん
 nice、ありがとうございます。
by 浜松自宅カフェ (2012-05-04 22:52) 

夢空

以前、テレビで紹介していて行きたいな~と思いました(^^)
by 夢空 (2012-05-06 21:17) 

浜松自宅カフェ

●夢空さん
 テレビで紹介されたのですか?
 それは知りませんでした!
 また東京に行かれた際にでも立寄ってみて下さい。
by 浜松自宅カフェ (2012-05-06 23:52) 

浜松自宅カフェ

●chihoさん
 nice、ありがとうございます。
by 浜松自宅カフェ (2012-05-08 18:32) 

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