多くを感じて学んだ石巻の旅(前編) [ ・ランドスケープデザイン]
秋の山形、松島、石巻をめぐる東北2泊3日の旅日記は、最終日の石巻から。
石巻で見たものが小5の長女にはかなり衝撃的だったようで、彼女の自主勉強ノートを
見るとそれが良く分かりました。
また、3.11から半年後の2011年9月11日の「情熱大陸」で放映した『石巻日々新聞』の
ビデオをあらためて家族と観たところ、訪問したところが映し出されると子供達が
真剣な表情で見入っていたのを見て、
最初の記事は「石巻の旅」にしよう!
とさせていただくことにしました。
僕が、石巻の公園に携わることになったきっかけは、過去記事で書いた通りですが、
そもそも、その蛇田歩道橋整備及び公園整備が行なわれる切っ掛けとなったのが、
三陸自動車道の開通に合わせてサン・ファン・バウティスタ・パークを整備するため、
三陸道「石巻河南IC」と「サン・ファン・バウティスタ・パーク」を結ぶ県道16号線の、
蛇田地区に同公園のゲート的な目的を持つ歩道橋を整備するものでした。
■蛇田歩道橋と県道16号線 ※2012年10月22日(月)撮影
ここから10km程先に、来年2013年に出帆から400年目を迎える
サン・ファン・バウティスタ号の展示館があります。
※公園の利用は可能ですが、展示館は津波被害のため、今日現在はまだ入館できません。
日本三景の一つ「松島」の宿を発った後、最初に訪れたのが蛇田歩道橋公園。
■歩道橋から見たほぼ全景
石巻の海をモチーフにした歩道舗装に、緑豊かな山と中州の中を注ぎこむ旧北上川を
イメージしています。
■歩道橋からの見下ろし
白い丸石舗装は旧北上川の河原を、青い丸石舗装は川の流れを模しています。
左側を走る道路が県道16号線で、先が三陸自動車道「石巻河南IC」となります。
■アイレベルからの景色
中州の縁石は、川らしさを演出するため、蛇籠(ジャカゴ)を使用したかったのですが、
当時の設計担当者のプライドなのか却下されました。
完成したものを見ても、やはり僕のイメージの方が「良かったな!」と思うだけに、やはり
「もっと強く提案しておくべきだった!」と後悔も残りました(ーー;)
この後、多くの人が逃げ込み助かったことで知られる、日和山(ひよりやま)公園を
始めて訪問することができました。
■日和山公園のある鹿島御児(かしまみこ)神社の鳥居
正面に見えるのが旧北上川の河口部と石巻湾です。
石巻市は、市町村単位では東日本大震災による死者が最も多かったこともあり、
この場所はTVなどのマスメディアで見かけた方も多いのではないでしょうか?
■石巻市の代表的な眺めはこの場所から
標高60.4mの高さから海の様子がわかるため、出航に都合の良い風向きや
潮の流れなど、「日和」を見たのがその名の言われだそうです。
■旧北上川と石巻市街
震災以降、良く目にするこの景色ですが、始めてこの場所に立ち、「ハッ!」としました。
まさにここに立つために、「僕はあの公園をデザインしたんだ!」と。
どうです~?
嫁さんも日和山公園から見下ろした、石巻市と旧北上川と山、中州の景色を見て、
先ほど、見た蛇田歩道橋公園の意図をハッキリと認識してくれたようでした。
都市計画図をボーと眺めていて、映像としてのイメージが広がり、この形が出来たことは
一度として忘れたことはありませんが、あらためて「この物件を担当できて良かった!」
と思った瞬間でした\(^o^)/
今回の旅は、復興中の東北の地を訪れておくことがもう一つの目的でしたので、
次回は、日和山公園から平野部まで降りた時の様子を報告させていただきます。
上から見下ろしただけではわかりませんでしたが、小学校の様子を間近で見た娘の
動揺はかなりのものでしたよ・・・。
●jun-arさん、chihoさん
nice、ありがとうございます。
by 浜松自宅カフェ (2012-10-29 21:20)
●Tomieさん
nice、ありがとうございます。
by 浜松自宅カフェ (2012-10-31 09:02)