山形の自然が育んだ弓張平公園(サイン計画編) [ ・ランドスケープデザイン]
前回アップしました弓張平公園(自然景観編)記事の美しいブナ林の写真を
眺めては、楽しかった旅行の思い出の中に引き篭もっています・・・(ーー;)
「あー、やはり東北は良いなぁ~」
先日ある集まりで、青森県むつ市に一年半住んだ経験のある方の奥様から、下北
半島のことを教えていただくことができました。
その方の夫は、全都道府県に住まわれたことがあるそうで、下北半島での生活は
本当に楽しかったそうです。
東北旅行から帰ってきたばかりでしたので、とても共感できるところが多く、
行ってみたい衝動に駆られています(笑)
移動だけでも1日がかりのようですから、実現するのはいつのことかわかり
ませんが、「いつかは行くぞ!」と心に留めることにしました。
さて、、、9月に一度触れさせていただいた弓張平公園のサイン計画について
ですが、思っていた写真が撮れなかったため浅い記事になりますがお許し下さい。
■弓張平公園の総合案内板
施工年度によって亜種が生まれている中で、もっとも僕のイメージに近い
仕上がりがコレ。
子供達に「これお父さんが考えたんだよ!」と説明したものの、
「お父さんが考えたんだね?ふ~ん」
と言って、ピュ~と二人でより楽しそうな方へ駆けていってしまいました・・・。
それでも家族連れではるばる山形に来たわけですから、記念撮影は怠りません。
一番イメージに近い総合案内板と一緒に♪
弓張平公園の自然を、先入観を持っていない子供達がどう受け止めるかを
知りたかったですが、他との違いを瞬時に感じてくれたようです。
やはりわかるものなんですね!(ウン)
さて、話を戻してサイン計画のこと。
僕が作ろうと思って描いた最初のスケッチが↓コレでした。
■1993年に描いたスケッチ
前回、何が気に入らないのか詳しく書きませんでしたが、この時に僕が考えて
いたのは表示(印刷)部分を支える枠を、金属のフラットバー(平鋼)を2本を
フラットバーピースで接合し、軽やかに見せようとしていました。
また、150haと言う広い園内には、植物園区、森林体験区、スポーツ園区、
キャンプ場など目的が異なるゾーンがあるため、シルバーのステンレス素地
ではなく、ゾーン毎に色分けすることを考えていました。
サインの目的は景観に調和しながらも、必要最低限は目立つことが求められて
いる構造物ですから、圧倒的な自然環境にあるサインとして耐久性と視認性が
必要と考えました。
また、肝心の表示部分がデザインされていないところもちょっと残念。
(設計図書納品までが業務範囲のため、この辺りが限界なんですね・・・)
それなのに、この公園のサインには年度違いで様々な亜種が生まれていました。
ケース1 弓の部分がフラットバー(平鋼)ではなく、丸パイプのバージョン
弓矢の弦(げん)も変更されているため、弓のフォルムが崩れかけていますね~。
ケース2 矢の先端に矢尻(やじり)が付いたバージョン
熊にやられたのか、雪の重さに負けたのか(恐らく後者)、弓がグニャリと
変形していますね。丸パイプバージョンは、このことがあって修正が加えられた
のではないかと思いますが、フラットバーでも大丈夫なものもありますから、
真実は分かりません。
こちらは方向案内板
弓の形状が半円に近いため、もはや誰も弓矢とは思わないでしょうね(涙)
ゾーンが替わるゲート部分に設けられた方向案内板
ゲートと言っても、「門」ではなく、「入り口」の意味です。
上位計画(元となる設計のこと。ここでは他社が行ないました)では、芝生で被覆した
1対の小山を「草のゲート」と位置づけていましたから、実施設計で具体的な
平面形状、高さ、寸法を指定しました。
こちらは「木のゲート」の入り口に設置されたもの
如何でしょうか?
ランドスケープデザイン(景観設計)におけるサインの役割りがご理解いただけた
でしょうか?
弓張平公園では、オリジナルのサインをデザインしましたが、公園設計者としては
これはかなりラッキーな方なのです。
公園のサインは、日光や風雨に曝される上、すべてオリジナルに版を製作される
ため、大判の総合案内板の場合、表示部分のデザイン、印刷費だけで300万以上の
高額な見積りになるのはザラ。
そのため、本体までオリジナルデザインと言うのは中々させてもらえませんし、
提案しても非常に高額なため、デザインが採用されるとは限らないからです。
そう考えると、僕がサラサラと描いたサインのデザインが公園全体に使用されて
いるだけでもヨシとしなければバチが当たるかもしれませんね~(笑)
案内版ってそんなに高額なんですね^^;
こうして何種類ものカタチとして残っているだけでヨシとしましょう~^^
すごいことだと思いますよ^^
by plusgate (2012-11-07 14:04)
●jun-arさん、夢空さん、今造ROWINGTEAMさん
nice、ありがとうございます。
●plusgateさん
たくさん作られるものではないですし、汎用品ではないですからね。
最初は半分愚痴のようなつもりでしたけど、書いているうちに段々と
感謝の気持ちに変わりました(笑)
そういう意味でも記事にして良かったと思います。
by 浜松自宅カフェ (2012-11-07 21:51)