多くを感じて学んだ石巻の旅(後編) [■我が家の子育て]
僕ら夫婦が設計した東北の公園、道の駅を巡る2泊3日の旅は、石巻が最終地でしたが、
ここで見たもの、体験したことは子供達にとって一生忘れられないものになったようです。
そんなわけで、今回も石巻市日和山公園の記事からの続きとなります。
少々重い記事になるかもしれませんが、読まれた方にとって何かの参考になれば幸いです。
■鹿島御児(かしまみこ)神社境内の大福屋さん
日和山公園には、あの伊達政宗が参拝したと伝えられる、鹿島御児神社という神社が
鎮座しているのですが、その境内になぜかテントで大福餅を売っているお店がありました。
二色餅さんというお店なのですが、大人の僕達だけであれば大福餅を買おうとは
思いませんでしたが、ホテルでビュッフェスタイルの朝食をたくさん食べたはずの娘達が、
「大福餅食べたい!」
と、普段はお菓子をねだることはないのに珍しくせがまれたため、「昼食代わり」にと
大福餅を2個だけ買うことにしました。
宮城県と言えば当然、
「枝豆を使用したずんだ餡だろう?」
と、大人の僕らはずんだ餡を選んだのですが、娘達はガンとして
「白餡が良い!」
と言って白餡の大福餅をそれぞれ1個づつ買ってみました。
■二色餅さんの大福餅
そして早速その場で食べてみたところ、白餡の大福餅の美味しいこと、美味しいこと!
そんなわけで、都合3回大福餅を買ってしまったわけですが、2回目に子供達だけで
買いに行かせたところ、お店が津波で流されてしまったため、テントで販売していること
などを写真を見せながら説明してくれました。
まだまだ食べ足りない子供達のため、3回目に大福を買う際は僕らも一緒に行き、
「36年前から、東海地震が来る!と言われてきた浜松から来ました!」
とご挨拶すると、傍らにいらした神主さんも混じって被災当時のお話を伺うことができました。
その時の娘達を見ると、とても真剣な面持ちで話を聞いていました。
日和山公園から見下ろした石巻市沿岸部の状況も伺うことができ、帰りの新幹線の時間が
迫っていましたが、「下の様子も見ておくべき!」だという結論に至り、駆け足ではありましたが、
見て参りました。。
元ファミリーマート・・・。
原型をとどめていないため、コンビニ店舗だということはわかりましたが、どのコンビニかは
判別できません。
戸建の木造住宅・・・。
Googleマップで確認するとわかりますが、この家は何とか形として残っていますが、
周囲にはたくさんの住宅や建物が合ったようです。
鉄骨造と思われる市立病院看護師宿舎・・・。
鹿島御児神社の神主さんによると、公共施設のため、まだ取り壊しができないそうです。
窓ガラスの状況からすると、津波は2階の天井付近まで到達したのでしょう。
そして、、、小5の長女が最も衝撃を受けたのが、
石巻市立門脇小学校
神主さんによると、津波で流された自動車が校舎に激突した際、漏れ出したガソリンに
引火して全焼したそうです。
今年3/11に、歌手の長渕剛さんがライブを行なった映像をご覧になった方も多いと思いますが
それがこの門脇小学校のグランドだったそうです。
生徒、職員の安否が心配でしたが、後で調べてみたところ、校舎に残っていた生徒は
先生の誘導で日和山公園へ避難し、助かったとのこと。
この光景を目の当たりにした長女は、さすがにとても動揺していました。
学校の規模、遠州灘海岸からの距離、周囲の状況などが自分の通っている学校と似通って
いますから当然でしょう。
その動揺が痛いほど伝わってきたため思わず、
「あすかの学校は大丈夫だよ!」
とつい気休めを言ってしまったところ、
「何で大丈夫なの?どうして大丈夫なの?」
と明確に納得できる根拠を問われました。
もちろん、単なる気休めではなく、僕なりに普段から考えていたことでもありましたから、
僕なりの根拠があったわけですが、
「確実か?」
と問われれば、断じて100%確かと言えるわけではありません。
この記事を読んで、「子供を怖がらせて酷い親だな!」と思われる方もいらっしゃるかも
しれませんが、僕らはそうは思っていません。
なぜなら、殆どの人間は正しく怯えることができないと言われているからで、
過剰に怖がるか、自分は大丈夫と過信してしまうかのどちらかだと言われています。
そのため、極限時に瞬間の判断ができることを願って、現実を見せておこうと思ったのが
この旅の目的でもありました。
被災時に大人が近くにいるとは限りません。
また、僕らを含めて近くにいる大人が間違った判断をすることもあります。
ですから、子供達が自分の判断で行動できるようにしておきたいと思っています。
帰宅後、長女は自主勉強ノートに今回の経験から得たことを、自主的にノート3ページに
まとめていました。
長女の自主勉強ノート
これを読むと、予想以上に話を聞いて理解しくれていたことがわかりました。
また、録画してあった情熱大陸の「石巻日々新聞」のビデオを観る時もとても真剣で、
やはり、百聞は一見にしかずだ!
と思った次第です。
このあとはしっかりとフォローをし、イザと言う時にすぐ行動できるよう、
行動指針を決めておかなければなりませんね
アップして頂き、餅をお買い上げ頂き本当にありがとうございました。
いろんな方との出会いがある、鹿島御子神社です。
津波で、失うものはおおかったですが、皆様の励ましにより毎日幸せに過ごしております。
石巻は、まだまだ大変ですが頑張っていきます。
どうぞ、忘れないでください。
寒くなりましたので、お体を大切に・・・
by 二色餅 西川 (2012-11-28 18:11)
●二色餅 西川様
ご訪問&コメントありがとうございます!!!
いや、本当に美味しくて「もっと買っておけば良かった!」と我が家では
大絶賛でした。
添加物の入っていないお餅は翌日は固くなっていましたが、焼くと
香ばしくてこれまた美味しかったです♪
静岡県では、従来の「東海地震」からエリアが拡大した「南海トラフ地震」
と呼ばれ、とても他人事とは思えません。
復興にはまだ何年もかかるでしょうし、家族や友人を亡くされた方は
決して癒えることはないでしょうけど、細々と長く応援させていただきます
ので、これからも美味しい二色餅を作り続けて下さいね!
by 浜松自宅カフェ (2012-11-28 18:23)