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「企画書」は誰のため何のため [ ・プロデュースの仕事]

先週末、嫁さんからこんな相談を受けました。 

先日のイベントで知り合った方から電話があって、その方が野外音楽ライブイベントを
主催されるそうで、「ひなたCAFEも出店しませんか?」と打診されているの。
今日、参加するかしないかの返事をすることになっているんだけどどうかな?

その方が言うには、「昨年は別の人が同じ場所で同じイベントをしたところ200人
近くお客さんが来て、飲食店はとても儲かっていたよ!」
って言うんだよね。

 

 

ふーん。。。
ところで、ミュージシャンはどんな人で、誰がどんな風に告知するの?
うち以外のお店はどこが出店して、何を提供するの?
入場料は幾らで、当日のタイムテーブルは?
うちは企画作りから参加するの?それとも出店だけすれば良いの?

というか、そもそもイベントのコンセプトは何?


わからない。。。


つまり、判断するための情報があまりにも足りないから決められないんだよ。
と言うかさ、そもそも出たいの?
君が目指しているものなら僕は全面的に協力するけど・・・。


じゃ、どう言えば言いの?


いつも雑誌やフリーペーパーの取材を受ける時どうしてる?
殆どの場合、取材依頼する際にFAXやメールで企画書を送ってくれるよね?
聞いている限りだと今回のイベント参加は結構リスク高いと思うから、
こうお願いしてみたら?

「200人規模の屋外イベントでお食事を提供するには、現在設備がないため、
 新たに10~15万程度の機材を購入する必要がありますし、交通費や仕入れで
 20数万の経費が見込まれます。
 できれば参加させていただきたいとは思っていますが、今の情報ではまだ判断できません。
 通常は企画書をいただいて一緒に考えることが多いのですけど、
 企画書のようなものをいただけないでしょうか?」


そうだー!確かにいつも企画書もらうよね~!


でも、今までの流れからすると「企画書なんて書いたことないからわからない
って言われるかもね。
それよりも、儲かる儲からないで参加を決めない方が良いよ。
仮にその時だけは儲かるかもしれないけど、うちが目指すものでなければ
やる意味ないから。


わかったー、電話してみるよ!

 

嫁さんが電話したところ不在だったようで、翌日いただいた電話の内容は
概ねこんな内容だったようです。

 

・他のお店(依頼者とは機知の関係)からは既に出店の承諾をもらっている。

・1店舗のためだけに企画書なんて書けない。

・知りたいことがあったらメールしてくれたら答える。

・他の店舗さんに相談したら「簡単にできるよ」と言っている。

 

と言う回答だったようです。

ほぼ想定していた通りのお返事で、こう言われた場合は
「早めに辞退した方が良いだろうね」
と嫁さんに提案するつもりでした。

もちろん、ご好意でお誘いいただいていますから丁寧にお断りさせていただいた
わけですが、どうも断られるとは思っていなかったようです。

 

「じゃ、何だったらできるのですか?」


「いつもならジャムとかドリンクとかですけど・・・」


「あっ、それで良いですよ!」


「えっ、夏の野外ライブイベントですよね?何でも良いのですか?」

 

そのようなわけで基本的な考え方があまりに合わないため、
残念ながら今回は辞退させていただくことにしました。
決して、断りたかったわけでもなく、どうしたら参加できるか真剣に検討したのですが、
これまでの情報からでは決断できる要因は見出せませんでした。

 

ちなみに、企画書をお願いしたのは、決して僕らのためではなく、
イベント企画をされている方のための提案のつもりでした。

仮に利益を追求しないイベントだとしても、ある想いがあり、世の中に変化を与えたい
のであれば、周囲の第三者を巻き込んでいかなければなりません。

企画者の想いを文章や数字に表現して初めて、言葉が力を持って伝播し、
協力者が現れるわけで、「儲かるからやりましょう!」では、儲けたい人だけが
集まるイベントになってしまうと思いますからね。

 

あー、こういうことを言うから、怖い人というイメージを持たれてしまうんですよね~。

 

でももし、企画書ってなぜ必要?何を書けば良いの?って思われる方には
この本を紹介したいと思います。

 

表紙1.JPG
■TSUTAYA創業者 増田宗明さんの著書
この本は、昨年5月に代官山『蔦谷書店』を訪れた際に見つけて購入しました。
サラリーマンだった増田さんが、如何にしてTSUTAYAを創業したかが、リアルに
書かれています。

昨年5月22日に青山スパイラルホールで行なわれた、浜野安宏さんの出版記念パーティー
にご招待いただいた際、浜野さんが懇意にされている増田さんもきっといらっしゃるだろうと
思いましたし、増田さんの思考に触れておきたいと思って購入した本です。

パーティーで紹介され、壇上でお話された増田さんのお話を聞きしましたが、
本書を読んで感じたイメージ通りの方でした。

 

帯の裏にはこんなコピーが。 

表紙2.JPG
CCCとはTSUTAYAを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブの略
ですが、佐賀県武雄市の公立図書館に指定管理者として運営を委託され、公立図書館に
Tポイントカードを導入したり、スタバを併設して、図書館の年間運営費を削減しながらも
GW期間中利用者数が前年比で5倍になったことでも話題になりましたよね!


パーティーの壇上で冒頭、増田さんは

「CCCは企画会社なんです!」

とおっしゃられましたが、日本国内で千数百店舗以上に成長したTSUTAYA事業は
大阪枚方市に最初の1店舗をオープンさせたことで産声を上げたわけですが、
増田さんが書かれた手書き企画書の一部が本書で紹介されています。

 

以上、少々長い記事になってしまい恐縮ですが、これから起業しようと言う方、
何かのイベントからスタートしようと言う方の参考になれば幸いです。


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plusgate

去年出店した別の人は今回は出店しなかったんですか??
出店してないのであれば、その時点で僕は怪しんでしまうんですけど、
このあたりが浜自さんのいう僕の動物的カンってヤツなんでしょうか?(笑)

by plusgate (2013-06-20 13:48) 

浜松自宅カフェ

●junn-arさん、今造ROWINGTEAMさん、夢空さん
 nice、ありがとうございます。
by 浜松自宅カフェ (2013-06-20 13:52) 

浜松自宅カフェ

●plusgateさん
 それがここに書いた以上の情報がなくて、全体像がまったく
 見えないのです・・・。
 決して詐欺とか怪しい儲け話ではなく、僕らからすると
 意図が見えない状況なんです。
 だから「企画書=意図」が欲しいなぁと思ったわけです。

 主催者と親しくて良く知っていれば、代わりに企画をまとめて
 も良いのですけどね~。
 ちなみに「森のたまご」イベントの発起人は別の方でしたが、
 企画立案は僕だったため、このBlog上で企画案を記事にし、
 スタッフで共有して方向性をまとめました。
by 浜松自宅カフェ (2013-06-20 14:22) 

浜松自宅カフェ

●kuniさん、chihoさん、いっぷくさん
 nice、ありがとうございます。
by 浜松自宅カフェ (2013-06-23 17:53) 

今造ROWINGTEAM

いやいや~~~
浜自さん怖い人じゃないです。

常識でしょう。
企画書や依頼書は~~!><

うちのボート部も、企画書や依頼書がない、口頭やメールでの
『お願いごと』は一切受け付けていません。
(じゃないと、会社が承諾してくれない。当たり前ですよね。)

それを相手先に伝えると「めんどくさいチームだなぁ」という
誤解をされてしまったこともあるという・・(苦笑)

なのでよーーーく理解できますよ。
今回の辞退の経緯。

★ねね★

by 今造ROWINGTEAM (2013-06-25 11:48) 

浜松自宅カフェ

●ねね@今造ROWINGTEAMさん
 温かいコメントありがとうございます!
 本当は「企画書」が希望ですが、お互い個人事業主と言う
 こともあり体裁はどうでも良いと思っています。
 それよりも企画内容が盛り込まれていれば、ブログでもメール
 でも、手書きでも良いんです。
 そういう意味で「企画書のようなもの・・・」とお願いしてみた
 わけですが、「面倒くさいなぁ」と思われたでしょうね。

 僕が同窓会を企画した際は、主婦が参加しやすいよう全員に
 往復はがきで案内状を出しました。
 それも企画書という位置づけですね~。

●yanasanさん、e-g-gさん
 nice、ありがとうございます。
by 浜松自宅カフェ (2013-06-25 18:50) 

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