クリエイターのための映画観賞法 [ ・映画]
私は年間に20本程度、映画館で映画を観るようにしています。
そんなことから、これまでも何度かお勧めの映画を紹介しているわけですが、
今回は僕がなぜ、わざわざ映画館で映画を観るのか、その理由を説明したいと
思います。
それは、新しいモノを産み出すことを仕事にしているからです。
そのためのインプット(情報仕入れ)とアウトプット(アイディア出し)のトレーニングに
映画がとても役立つためです。
僕が映画を観る時は、ストーリーに埋没することはまずありません。
エンタテイメントとして純粋に映画を楽しむ一方、10%程度は客観視していて、
制作サイド(供給側)から考えるようにしています。
どういうことかと言うと、ある印象的なシーンを観たとします。
その際、そのシーンの表現意図は何なのか?
どういう撮影手法でその映像を作ったのか?
その時にお客さんはどんな反応をしたのか?
そして、その映画が興行的に、ビジネス的に成功したのか?
などを分析します。
映画の制作者は、興行を行う映画館の環境でストーリーが持つ魅力を最大化するよう
「映像」と「音響」を作っていますから、もっとも制作意図が反映される場として
映画館で観賞をします。
同時に観るのは、お客さんの客層と入り具合、反応(プログラムの購入率)などを
見て、自分が映画で得た感覚とのチェックを通して、自分なりの仮説を立てます。
映画はビジネスですから、何十億、何百億もの投資をかけて創られたコンテンツを
映画館での興行、DVDやブルーレイなどのパッケージメディア、テレビ放映権、
キャラクター使用権として販売して、収益を期待するものになります。
それを、2時間程度の非日常体験を通して楽しんだ後で、企画書の構成要素を想定
することで、映画プロデューサーの疑似体験をするわけです。
これがよりリアリティを持って出来るようになれば、新規ビジネスであれ、商業建築であれ
住宅であれ、「無から有を産み出す」プロセスのある仕事すべてに応用できます。
実際、僕の企画はまず映像化から入ります。
これがリアリティを持っていると、人に伝搬しやすく、具現化もしやすいため、結果的に
ビッグビジネスにつながる可能性が大きくなるためです。
さらに、歴史を知ったり、他国の文化を知ることにもつながり、人間としての深さを
深めることが可能で、結果的に安い投資だと思っています。
スピルバーグ監督作品「ブリッジ・オブ・スパイ」 [ ・映画]
昨年から楽しみにしていた、トム・ハンクス主演、スティーブン・スピールバーグ監督による
アカデミー賞最有力候補の「ブリッジ・オブ・スパイ」を観ました。
ノルマンディー上陸作戦で、オマハビーチの上陸シーンを20分間の衝撃的な映像で再現した
あの「プライベート・ライアン」を撮った2人によるもの。
結論から言うと、下馬評通り素晴らしかったです\(^o^)/
プログラムも買っちゃいました♪
僕は余程のことが無い限りプログラムを購入することはありませんが、より深く知りたいと
思った作品の場合は買ってしまいます。他の方も同じだったようでこの作品のプログラムは
購入率が高かったように思います。
ちなみに前回購入したのは、「アメリカン・スナイパー」でしたね。
映画鑑賞中にあった疑問、ドノヴァンが東ドイツに入るために乗った列車は何だったのか?
その解説を読み、ベルリンや東西関係の歴史について知る切っ掛けとなりました。
あらすじ解説は他の方に譲るとして、僕自身、 東西冷戦真っただ中の昭和生まれですが、
水面下で何が起き、西ベルリンがドイツの中でどのような位置づけで、ベルリンの壁が
どのようにして建設されたのかはまったく知りませんでした。
トム・ハンクス演じる民間弁護士ジェームズ・ドノヴァンが、米国の擁護を得られない
東ドイツでソ連に捕えられた米国人捕虜とソ連の捕虜を交換すると言うシンプルな話では
ありますが、それを困難にする社会的背景をものともせずに、交渉を行ない誰もが納得
する形で交渉を成立させたのが、事実とは思えない程凄い仕事でした。
そして、エンディングがまた楽しませてくれ、難しいストーリーをたったの140分に
凝縮させた、スピルバーグ監督はさすがです。
これは文句なく、2016年お薦めの一本です。
映画『アメリカン・スナイパー』を観た [ ・映画]
アメリカ海軍特殊部隊ネイビーシールズにおける伝説のスナイパー、クリス・カイル
自身の著書を映画化した作品『アメリカン・スナイパー』を観ました。
人を殺す仕事を選択すると言うことはどう言うことか、考えさせられます。
■アメリカン・スナイパーのカタログ
映画のカタログなんて購入するのは20数年ぶりでした。
ネイビーとは海軍のことで、イギリス海軍の制服の色が濃紺だったことから、
濃紺色のことをネイビーブルーと呼ぶようになったわけです。
シールズとは、SEALs=SEa(海)、Air(空)、Lands(陸)と言う、陸海空のイニシャル
にアザラシ(Seal)を掛けたネーミングで、陸海空軍のスペシャリストのこと。
これまでにネイビー・シールズに関する映画作品は、
ネイビー・シールズ(2012年)・・・シールズ隊員役に現役シールズ隊員が出演。
ゼロ・ダーク・サーティ(2012年)・・・ウサーマ・ビン・ラーディンを追い詰めたCIA女性分析官。
ローン・サバイバー(2013年) ・・・200人のタリバン兵に囲まれながら、たった一人だけ生還した
シールズ隊員の実話。
を観ましたが、英雄視したものが中心です。
1986年公開のトム・クルーズ主演「トップガン」では、空軍のリクルート作品として
映画館の出口で多くの新兵を獲得したそうです。
映画「アメリカン・スナイパー」では冒頭、イラク内で進軍する米軍の戦車に向かって
対戦車手りゅう弾を投げようとする母子を狙撃することが、最初の任務となった
クリス・カイルのフラッシュバックで始まります。
「ラマディの悪魔」と恐れられ、2万ドルもの懸賞金が掛けられたそうです。
何かしら精神を病むそうで、クリス・カイルがPTSDに苦しんでいる様子がとても痛ましい。
一度発砲すれば、居所を突き止められて無数の敵から包囲されたり、砲撃を受けて
危険に晒されるわけで、その描写もとても参考になりました。
購入したわけです(^_^;)
また、何度も観たい作品だと思いました。