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千葉県旭市飯岡の津波被害、稲毛の液状化状況 [ ・講師の仕事]

以前に告知した通り、千葉市内で建築屋さん向けに東日本大震災に関する勉強会に招かれ、
講師を務めて参りました。

非常に重いテーマですから、正直、お引き受けするか悩みましたが、


「闇雲に怯えるのではなく、正しい知識を身につけて正しく怯えよう!」


と言うコンセプトでプレート境界型地震、津波、液状化現象について文系の方でも
理解していただけるようにイラストや画像、実験を加えながら解説をし、午前と午後で
計2回、20社、40名以上の会社代表、幹部、スタッフの方に聞いていだきました。


浜自カフェBlogではコンテンツの一部をご紹介いたしましたが、プレート境界型地震の
メカニズムから津波について解説し、地震について覚えておくと便利なP波とS波について
受講者の協力を得ながら楽しく覚えていただけたと思いますし、液状化の再現実験を始め、
液状化が起こる理由をわかりやすく解説致しました。


アンケート結果では概ね好評でしたから、今後接するお施主さんにも正しくご説明いただければ
頑張ってお引き受けした甲斐があります。


いずれ、ひなたCAFEで開催する建築基礎講座でも開催を考えていますから、
ご興味がある方は是非、ご参加いただけたらと思います。

さて、タイトルにある津波と液状化被害についてですが、せっかく千葉まで出向きましたし、
主催者の薦めもあって遅ればせながら状況を視察することに致しました。

まずは稲毛浜の液状化状況について。

IMG_8874.jpg
■護岸に沿って発生した沈下に伴う地割れ

元々海だった所を埋め立てた場所ですが、コンクリート護岸は支持杭に乗っているのでしょう。
そのため、護岸は動かず、左側の地盤が沈下したために舗装面にひび割れが表れたと
思われます。

IMG_8876.jpg
■地割れの大きさ比較

携帯と比べても地割れの大きさがわかりますよね?
上から見ても底が見えませんでした。

IMG_8877.jpg
■U型側溝の沈下

IMG_8878.jpg
■芝生の地割れ

IMG_8880.jpg
■陥没

IMG_8881.jpg
■墳砂(ふんさ)により地表面に噴出した砂を集積したもの

IMG_8883.jpg
■噴出した砂 ※シルト混じりのやや細かい砂でした

続いて、千葉県旭市飯岡地区の津波被害状況。
YouTubeで公開されているドライブレコーダーが捉えた走行中の車が津波に巻き込まれる
動画をご覧になった方はわかると思います。

IMG_8885.jpg
■飯岡漁港に集められた廃材


IMG_8888.jpg
■同じくコンクリートガラ


IMG_8893.jpg
■左の海から路面より2m程度の高さまで津波が押し寄せたようです

東大地震研究所による津波シミュレーション動画のご紹介を致しましたが、
旭市飯岡地区には地震発生から2時間以上経ってから、1波、2波より更に大きな波が押し寄せた
ため、避難していた住民がまさに不意打ちをくらった形で波にのまれ、多数の方が
亡くなったそうです。
(2011.05.03追記)
その理由は、九十九里海岸で反射を繰り返すうちに波が増幅されたからのようです。


IMG_8905.jpg
元禄地震と同じ規模の津波が到来した場合の危険喚起の看板

元禄地震は千葉県沖が震源の海溝型地震でマグニチュード8.1だったそうです。
今回それと同規模の津波がこの地域を襲ったことになりますね。


IMG_8906.jpg
■ガラスが割れたRC造の休憩施設

これなどは良い方で、古い木造住宅では基礎だけが残り、土台から上が流されている
建物が多く見受けられました。
1ヶ月以上経過しているため、かなり片付けられていますが、それでも被害の深刻さは
十分伝わってきました。

これが浜松を襲ったらと思うとゾッとします。

と言うわけで、次回の第7回建築基礎講座は東日本大震災から学びたいと思います。

地震、津波、液状化について正しい知識を身につけていただくことで、正しく怯え、冷静に
対処できるようになれれば。

なお、参加費は全額、義捐金として被災地に寄付致しますので、日程が決まりましたら告知
いたしますのでご参加いただけたらと思います。


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コメント 4

浜松自宅カフェ

●カフェオランジュさん
 nice、ありがとうございます。
by 浜松自宅カフェ (2011-04-30 22:44) 

隣の匝瑳市民

第1波は飯岡(旭市)で15時43分頃、隣町のうちの匝瑳市でも45分頃みたいです(匝瑳市も海岸から1.2kmくらいまで浸水しました)。
第1波と第2波で破壊されましたが、その後引き波になり海水は一度引きました。津波が引いたので皆さん自宅の様子を見に帰ったんですが、17時半頃に第何?波か目が来まして、帰っていた方が13名亡くなり2名が行方不明になりました。
九十九里浜の弓なりの地形が何か影響があったようです。
by 隣の匝瑳市民 (2011-05-03 20:18) 

浜松自宅カフェ

●Jerryさん
 nice、ありがとうございます。

●隣の匝瑳市民さん
 匝瑳市にも浸水していたのですね。
 大変貴重なコメントありがとうございます。

 亡くなった方が多かったのは実はそう言う理由だったのですね。
 僕も後でYouTubeで飯岡漁港を襲う最初の波の動画を見ました。
 (本文を訂正すると共に次回の勉強会でもお伝えするように
  致します)

 僕達はこの不幸な事実から学ばないといけないと思っています。
 遠州灘の海岸線も九十九里と同じような弓なり形状ですから、
 「かなり遅れてより大きな波が来るかもしれない」と考えて
 用心に用心を重ねた方が良さそうですね。
by 浜松自宅カフェ (2011-05-03 22:51) 

浜松自宅カフェ

●chihoさん
 nice、ありがとうございます。
by 浜松自宅カフェ (2011-05-04 00:54) 

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