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住宅基礎セミナー受講者の感想 [ ・講師の仕事]

先日行った新人向け建築基礎セミナーの感想レポートが送られてきた。
早速読んでみると、この研修で一番気付いてもらいたいこと、感じてもらいたいことを
実感してくれたことが彼、彼女らの感想から明確に判った。
嬉しい限りである。
 

あまりに嬉しかったので、いつでもどこでも読めるよう、書き留めておこうっと!
新人の皆さん、公開しちゃってギョメンネェ~(←『あっ、阿部礼司』の刈谷勇風に!)
抜粋とは言え、たくさん(17人分)ありますから、気になる方だけお読み下さい。

 

営業系A(女性)
 設計者とお施主さんとに分かれて、お互いの家を設計したこの講義は大変であったが、
とても楽しくためになったと思う。
 一つ目は、お施主さんの要望する家を作るという設計者の大変さを本当に感じた。
言われたことを形にすることの難しさに加えて、お客様にそれ以上の驚き感動を与える
困難さを身にしみて感じた。
 また、お施主さんの気持ちになって自分の家をたてる楽しさを感じることができた
家を買う、建てるということは人生の中でもっとも大きな買い物であり、お施主さんは
大きな期待とパワーでぶつかってくるのだと思った


営業系B(女性)
 このワーキングを通して感じたことは、施主からの条件をただ叶えるのではなく、
どんな暮らしがしたいのかという深い要望を引き出し、提案することだということです。

営業系C(女性)
 グループ分けで同じ住宅を好みに感じた人とペアになれたので、どんな家を
望んでいるのかイメージしやすかったです。 
 それでも施主と設計者との間には思い込みの違いがあったり、要望がうまく
伝わらなかったりして、施主と設計者のコミュニケーションの重要性を痛感しました

 また、自分の設計プランを人にプレゼンするのは難しく、どこを工夫したのか、
施主の要望を超える提案ができていることを漏れることなく
伝えるテクニックが求められているとわかりました。

営業系D(女性)
 施主の自分の家への思い入れの大きさを知る事ができた為、設計者も100%の思いで
業務に望まなければならないと思いました。
 設計者はお客様の立場にたって個々のお客様に応じたデザインを作る為に、
固定概念を捨てた柔軟な発想をしなければいけない事を学び、
とても難しく奥の深い仕事だと感じました。

営業系E(男性)
 施主さんのわがままばかりを聞きすぎると予算の問題が起き、施主さんの
実現したいことを無視すると満足を得ることができなくて、改めて設計の難しさを知った。
 また、予算計画がたっても間取りや配置のことを考えると設計が思うようにいかず
改めて自分のセンスのなさに気付かされた。

営業系F(女性)
 当たり前だが、要望を聞いて設計者がこんな家にしたいと思うのではなく、
施主の方がどんな家にしたいのかを考えなくてはいけない
設計がどんなに難しいかを学ぶことができた講義だった。

営業系G(男性)
 土日にかけて課題として出された設計図作成は、ホームワークが苦手な私が
時間を忘れて、日が変わるまで取り組んでいました
 総評としては、今まで受けた中で一番アクティブに頭を回転させて主体的に取り組める
講義で、とても楽しかったと思います
 また、浜自カフェさんの講義誘導もレジュメなどを事前に作成して頂いたり等、
とても判り易かったです。

技術系H(女性)
 私は、今まで大学の授業で住宅の設計は何度かした事がありましたが、
自分勝手な設計しかしたことがなかったので施主の要望に答えるのは、本当に
難しいなと感じました。

技術系J(男性)
 ただパズルのように当てはめていっても、「施主が欲しい家にはならない」のだと
実感させられました。
 施主の希望をいかにして実現していくか、というのがとても難しい事であると思いました。
浜自カフェさんの設計した家を見せていただき、同じ人が設計しても、施主によって
ここまで違う家になるのかと痛感させられました

技術系K(男性)
 お施主さんが希望する条件を満たしつつ、希望以上の事を考えながら設計しました。
このような体験ができ本当にうれしかったです。
ありがとうございました。

技術系L(女性)
 使ってくれる人のことを考えてモノを作ることの楽しさ、喜んでもらえたときの嬉しさを感じた
資金準備地域設定の部分まで含めた今回のようなワークをしたからこそ感じられた
ことだと思った。

技術系M(男性)
 お施主さんが希望を言ってくれれば、それに見合った条件を提供できますが、
希望以上のことは、お施主さんの職業や家族構成などから自分で読み取らなければならず、
それが何より難しかったです。
 しかし、その読み取りこそが設計者に求められていることではないかと感じました。
なので、今後、設計をする際にはお施主さんを「みる」ということを意識したいと思います。

 

さて、、、

 

これから彼らは現実の世界を見ることになる訳だけど、この気持ちを一体いつまで
維持できるだろうか?

まだ若い新人時代なら、この程度まで気付くことはできるようにはなるのだけど、目の前の
仕事に埋没してしまう人が大多数だろうな。(そうなって欲しくはないですけどね)
直属の上司や先輩が、それを判っていない場合、自分自身でモチベートできなければ
やがて理想を求めることをあきらめてしまうだろう。

 

それでも、この体験をきっかけにたとえ1割の人間でも10年後まで、この気付きを
維持でき、心に留めて励んでくれたらと願っています。

 

「夢は見るものじゃなく、実現するために持つもの」だと思うから。

 


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gottu329

今、建築業界は変貌の時を迎えようとしています。もう間近に迫る6.20法改正。いろんな批判がでてますが、そうさせたのは、他ならぬ建築士さん達。もちろん一部の悪質な建築士のせいで、ほとんどの方は浜自カフェさんのように、施主さんのことを考えてくれる人たちだと思います。こんな時代だからこそ、もっともっと施主さんのことを第一に考えられる、すばらしい建築士さんが増えて欲しい。僕も浜自カフェさんのセミナーに参加したいです。
by gottu329 (2007-05-26 10:06) 

hidenosuke

この駆け出しの頃に感じたことって、何のしがらみも横やりもないので、意外と真理を突いているんですよね。
そして、揉まれて揉まれて、そんな志もどこへやら...(って、私のことですが)
今回感じたことを、糧に成長していただきたいですね!先生!
by hidenosuke (2007-05-26 17:24) 

良い言葉ですね。
夢は見るものじゃなく、実現するために持つもの…
深く心に刻んでおきます
by (2007-05-26 21:59) 

ゆつき

業種は違えど同じだなぁと思いました。
いつまでも初心を忘れたくはないですよ。
忙しくなれば忘れがちになるけど、そんなときこそ
思い出したいです。
by ゆつき (2007-05-27 00:21) 

この頃に感じた事をいつまでも追いかけて欲しい限りです。
そんな方々に夢を与えている浜自カフェさんは素晴らしいですね。
僕自身も感じ、今でも信じていますが、夢を最後まで持ち続けている人には勝てない、そう思います。
by (2007-05-27 01:10) 

浜松自宅カフェ

●hgchさん
 熱いコメント、ありがとうございます!
 少子高齢化が加速する日本の将来を考えると、本質的なものしか生き
 残れないと思います。彼らがそれに気付いてくれると良いんだけど。

●カフェオランジュさん
 いつもnice!ありがとうございます。

●hidenosukeさん
 そうなんです!新入社員の感性ってすごいって思います。
 まったく同じメニューを、年配の管理職にやったとしても、同じような感想
 を得ることは難しいと思います。
 新入社員は、僕に対して偏見を持っていませんからね(笑)
 いつまでも、人の話を素直に聞ける人間でいたいものです。

●みほさん
 そこに反応してくれて嬉しいです♪
 人間、40歳過ぎると惰性で生きている人も多いと思うんですよ。
 それは夢をあきらめたからだと思うんですよね。
 何も、「今から大リーグ選手になりたい!」と思っているわけじゃなく、
 高校生の頃に漠然と考えていた、カフェ(当時は喫茶店)と建築を
 やりたいだけなんだから、あきらめる必要はないと思っている訳です。
 それを実現するための手段が、浜自カフェなんですよね。

●ゆつきさん
 おっしゃるとおりで、僕はどの業界にも通じる仕事観を得て欲しかった
 んです。
 3年ほど仕事したところで、振り返ってもらいたいものです。

●eddieさん
 現在、大成している人って、地道に実行し続けている人だと思うんです。
 そのためには、気持ちの中心に信念を持ち続けることが必要だと思うん
 ですよね。
 僕自身、何度もあきらめかけましたけど、そうは言っても夢の実現をする
 ための努力をしていれば割りと運の方が向いてくるような気がします。
 そういうフォローの風が吹いた時を逃さないで、乗るようにしています。
by 浜松自宅カフェ (2007-05-27 22:13) 

JOHN

大事なことの根っこは、みんな同じなのですね。
そしてもっと大事なことは、その気持ちをどれだけ持ち続けられるかって
ことなのだと気付かされました。
同じ仕事を長く続けていると、惰性でやり過ごしちゃってることが
たくさんあるように思います。少し反省。

夢…うーん、なんだろう?
by JOHN (2007-05-28 09:46) 

浜松自宅カフェ

●JOHNさん
 仕事を、「自己実現の手段」と考えれば、根っこはみな同じでしょう。
 営業も、「人が人に対して売る」と言う意味では、どれも同じですよね。
 もちろん僕も惰性がないわけじゃないけど、少しづつでも進歩していきたい
 と思っています。
 そうでないと、お客さんに迷惑掛けることになりますからね。

 夢が先にあればベターでしょうけど、走りながら探すと言うのも現実的には
 アリですよ。探し続けることなんじゃないのかな?判らないけど…。
by 浜松自宅カフェ (2007-05-28 21:23) 

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