デザインの勉強 [■おすすめ]
今更ながらデザインの勉強をしています。
と言っても読書ですが。。。
建築学科におけるデザインの講義は、建築の歴史だったり、美術と言った芸術的な要素の
ものばかりで、商業デザインを学べるものではありませんでした。
しかし、実際の建築は経済活動に伴うものですから、民間建築にせよ公共建築にせよ、
「人から利用される」
「人が継続的に利用したくなる」
と言う視点が必須になり、存在が認知され、必要とされるモノでなければなりません。
僕と相方のY君は、これを「売れる建築」と呼んでいます。
(これは単に意匠のことだけを言っている訳ではありませんよ)
人が欲しがる、愛着を持って使ってくれるための売れるデザインの本質を知りたい!と
思ったのは、浜自カフェのプロデュースと商品プロデュースの仕事をする中で、
自分なりの確信を持ててきたからで、その本質を理解できればより適切に
「売れる建築」「売れる製品」の提案ができると思ったからです。
そんな疑問に答えてくれそうな本を土井英司さんの書評メルマガ「ビジネスブックマラソン」で
見つけたため、即購入し年末年始休暇に読みました。
- 作者: 木全 賢
- 出版社/メーカー: 日本能率協会マネジメント 出版情報事業
- 発売日: 2007/11/30
- メディア: 単行本
プロダクトデザインの解説が中心ですが、知らなかったことも多く大変参考になりました。
経験的に感じていたことや行なってきたプロセスが正しかったことが判り自信が持てました。
経験的に感じていたことや行なってきたプロセスが正しかったことが判り自信が持てました。
著者の木全さんは、シャープの総合デザイン本部で活躍後、デザインのコンサルタントとして
独立し、現在は桑沢デザイン研究所の非常勤講師なども務めているようです。
デザイナーを使った商品開発ができない中小企業の経営者、設計者のためにデザインの
基本を説こうとこの本を著したそうで、
そのため、見開き2頁で一つのテーマを扱っているため、とても読みやすい構成となっています。
独立し、現在は桑沢デザイン研究所の非常勤講師なども務めているようです。
デザイナーを使った商品開発ができない中小企業の経営者、設計者のためにデザインの
基本を説こうとこの本を著したそうで、
そのため、見開き2頁で一つのテーマを扱っているため、とても読みやすい構成となっています。
僕が参考になった点を幾つかご紹介すると、
●日本人はデザイン感度が高い。そうでなければ輸出国としての今の地位は築けない。
そのため、日本の消費者はデザインセンスが高く、デザインが悪い商品は売れない。
●KISSの法則「バカみたいにシンプルに」
●造形の要素は形、色、素材、質感、光、運動
●形態は機能に従う
●モノ本来の存在感は、色や形よりも、そのモノ自体の素材感と質感に左右されることが
多くなる。特に「高級感」は素材感、質感の領分。
多くなる。特に「高級感」は素材感、質感の領分。
●コンセプトを収斂させるプロセスは、まずイメージをコンセプト(言葉)に落とし込むことに
十分な時間を割き、アイディアスケッチとドローイングを使い分けて追い込んでいく。
十分な時間を割き、アイディアスケッチとドローイングを使い分けて追い込んでいく。
●スケッチで議論する場合のメリット、デメリットを理解する。
デザインだけでなく、デザインを詰めるためのプロセスや作業にまで言及されています。
興味がある方は、是非にしてみては如何でしょうか?
2008-01-13 15:13
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コメント(11)
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必要とされるモノ☆そうですね、最近目から鱗のデザインに
出会いました(^.^)また、ご紹介しますね。
それこそ、必要だから生まれたデザインでした。
by (2008-01-13 22:43)
日本の工業デザインって、イタリアみたいに奇抜ではないし、ドイツのように考え抜かれているわけでもない。何に主眼がおけれているか分からないものも多いと思います。実用性はもちろんのことですが、今ひとつ見えてこない。やはりコストありきだからでしょうか。是非、手に取った瞬間に「これ欲しい」と思えるようなものを作り上げてください。
by (2008-01-14 01:59)
よくデザインされたものって^^必要がなくても購買意欲を掻き立てられて困ることがあります^^
by (2008-01-14 04:35)
機能を突き詰めて、シンプルに単純化されたデザインに心を動かされます。
デザインという観点で取り組まなくとも、機能を考え抜くと美しくなるのは何故なのか?と思いました。
by たいせい (2008-01-14 10:58)
確かに、“日本人のデザイン感度が高い”、“デザインが良くないと売れない”というのは分かる気がします。基本的な実用性をクリアしているからとは思いますが、前職でもデザインや色が気に入って購入を決められる方は少なからずいらっしゃいましたから…
by catherine (2008-01-14 16:26)
●カフェオランジュさん、macotoさん、しゃくとりむしさん
nice、ありがとうございます。
●夢空さん
>必要とされるモノ☆そうですね
ありがとうございます。デザインが大事と言っても、美術品ではないので、 使えないデザインじゃ意味がないんです。
機能的でありながらも所有することが嬉しくなるデザインを提供したいと
思っています。
●eddieさん
確かにデザインでも色々ありますよね。
僕は生活に使うツール的なモノが好きなので、ドイツの質実剛健的な
モノや、北欧のようなナチュラルなものを提案することが多いです。
イタリアンデザインの様なデザインは僕には向いていないようです(笑)
●dennさん
>よくデザインされたものって必要がなくても購買意欲を掻き立てられ
この本でも冒頭部分で、そういうことが述べられていましたね。
それはユーザーに対してだけじゃなく、その企業で働く社員に対しても
良い感情をもたらすことができると。
●たいせいさん
>機能を突き詰めて、シンプルに単純化されたデザインに心を動かされます。
僕も同じですね。線を入れる際に、その線の意味を考えながら入れるように
しています。浜自カフェのデザインでは、それを一番意識しました。
日本瓦もまさに機能美ですよね♪
●catherineさん
あるマーケターが言っていましたけど、「今の日本の製品には基本的に
粗悪品というのはない。必要な機能や品質は満たしているため、
似通った製品があふれてしまう。すると価格競争に走るか、奇抜な
デザインで気を引き勝ち」だと。
だけどそれは、利用者を無視しているモノ作りだと思うんですよね。
それに対して感じていることがあって、その解答を見つけたくて、
こういう本からも学んでいる次第なんです。
答えはまだ見つかっていませんけど、間違ってはなさそうです。。。
by 浜松自宅カフェ (2008-01-14 23:20)
●ヒゲボーズさん
nice、ありがとうございます。
by 浜松自宅カフェ (2008-01-15 09:40)
面白そうな一冊ですね。
といって、私みたいなトーシローが読んで解るものかは甚だ不明ですが...
商業デザイン、奥が深いですねぇ~
公共性を持たせるためにデザインばかりが主張してもダメでしょうし...
これは実際に手がけると、すんごく悩んでしまいそうです(笑)
by hidenosuke (2008-01-15 17:29)
●hidenosukeさん
>私みたいなトーシローが読んで解るものかは甚だ不明ですが...
いえいえ、そんなことないですよ。
と言うか、中小企業の経営者がデザインに対する意識が弱いことも
あり、その一助にと執筆されているようなので、どなたが読んでも参考に
なると思います。
提言は、商品デザインだけでなく経営戦略にまで及んでいるので、
親切な一冊ではないでしょうか。
とは言え、奥が深く「いざやろう!」と思ってから、成果に結びつける
までが大変そうなことは良く判りました。
by 浜松自宅カフェ (2008-01-16 00:40)
●ゆりりさん
はじめまして!nice、ありがとうございます。
by 浜松自宅カフェ (2008-01-16 20:33)
●xml_xslさん
いつもnice、ありがとうございます!!!
by 浜松自宅カフェ (2008-01-18 21:24)