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スイッチ、コンセントの位置と音響対策 [ ・ホームシアターの家]

現場の進捗は耐力面材が張られ、明日のサッシ工事を待つばかりに。

外壁部分が明確になり、より建築らしくなってきましたね。

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■浜松はご覧の通り良いお天気でした♪
太陽光パネルが稼働し出したら、せっせと発電してクリーンな電力を供給してくれる
のでしょうね。 
化石燃料を極力使用せず、再生可能エネルギーを活用し、かと言って電力も極力少ない量
だけを使用する、そんな住まい方を目指した家作りです。

日曜日の今日は、施主の現場立会いで2つの打合せがありました。


1つは、スイッチコンセント位置の確認

2つめは、 リビングシアターの音の響きを整えるための打合せ。


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■電気工事技師の森下さん
一種低層住居専用地域における3階建てのため、各階の高さをギリギリまで追い込んで
いますから、天井や床下に余裕がなく、配線ルートの確保に一苦労です。

と言うのも、着工期限の制約から設計段階でつぶし切れていないため、 現場立会いを
しながら決めていきます。

 

この様子を脇で見ながら、僕は友人の音響技師と音の響きを整えるための打合せ。

ホームシアターと言うと殆どの方は、防音遮音をイメージすると思いますが、それと同じ
位に大切
なのが音の響き方です。


どちらも「良い音で楽しむ」と言う目的は同じですが、防音は外部の音が室内に入れず、
外に漏らさないことを目的としていますが、音の響きを整える目的は、原音を正しく聴くために
行なうものです。

具体的には、音の響き過ぎを抑えるために音のエネルギーを減らす吸音処理を施し、
特定の音域だけが響きすぎないように音を拡散させる処理を組合せます。

 

音楽ホールの壁面や天井が凸凹していたり大きな曲面になっているのは、音を適度に
拡散させるためです。
一方、吸音力の確保には、座席や壁面、天井を使用することが多いです。

僕自身もこの程度の音響についての知識は持っていますが、音楽ホールと住宅では空間の
容積がまったく異なります
から、ホールとホームシアターを同じように扱うことはできません。 

 

そのため音響デザイナーの知識と経験をお借りして、音を濁す要因を今から潰しておこうと
いうものです。

「ホームシアターの家」は、単に設備を投入するだけでなく、建築音響にもでき得る限り、
最大限の配慮をしています。
 


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中庭を眺めることができる浴室 [ ・ホームシアターの家]

正方形に近い計画地に対して、T型の平面形状を持つ建物を45度振ることで、
3つの庭を作り出します。

1つ目は、アプローチガーデン


2つ目は、リビングガーデン


3つ目が、コートガーデン
です。


アプローチガーデンは、外部に対して開放し、ファサードを柔らかい印象にして、
オーナーや来訪者をやさしく出迎えてくれます。


2つ目のリビングガーデンは、居間やダイニング、キッチンからの庭の眺めを中心に
考えて、家の中で快適に過ごすことを目的に作ります。


3つ目のコートガーデンとは、いわゆる「中庭」であり、 夏に冷涼な空気を作ると
同時にリビングと浴室に自然の景色を提供することができます。 

そのため、 オーナーご夫妻は浴室の窓ガラスを透明ガラスにすることを決意
されました。それだけお風呂から眺める中庭を、楽しみにしてくれているのだと思い、
とても嬉しくなりました♪

 

そのことから、あらためてお風呂の窓の高さを決めるために、浴室からの眺めを
検証すべく敢えて夜に打合せを設定しました。

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■工事中のリビング
夜の現場は危ないですから、工事用照明で室内を照らして打合せした
のですが、それが新鮮だったようでじっくりとご覧になっていました。

この打合せを元に、窓高さを決める図面を描いて確認していただきましたから、
これで浴室窓サッシの窓台を取り付けることができます。 


大工さん、お待たせ致しました~♪ 


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3層分の「吹き抜け」を作る [ ・ホームシアターの家]

「吹き抜け」は通常、リビングの上部や玄関ホールに設けて、上下階をゆるくつなげたり、
空間的な広がりを感じさせるために設けることが多いと思います。

しかし、吹き抜けは省エネにおいては不利に働くことが多く、この点においては否定的に
扱われることが多いのもまた事実です。

まして、大きな音のホームシアターを楽しむ家ですから、防音的にも不利になる吹き抜けは
基本計画当初は考えていませんでした。 

 

ところが、基本設計に入って細部を詰めていく段階で、3階の廊下を吹き抜けにする案を
出したところ、

「だったら2階の廊下も吹き抜けにしたら面白いよね!」

と一気に盛り上がり、さらに「省エネ的にも面白そうだ!」 と、オーナーも含めて満場一致
で可決してしまいました(笑)

 

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■1階階段からの吹き抜け見上げ
この写真ではちょっとわかりにくいと思いますが、右上の足場板が2階の床レベルで、
上部の足場板が3階の床レベル、さらにその上(奥)に見える合板が3階屋根の野地板
となります。

階段脇の廊下部分を吹き抜けにした訳ですが、単なる吹き抜けだと人がくことは
できませんから、FRPグレーチングを掛け渡せば人の通行を妨げずに、暖かい空気だけを
上部に送ることができるのではないか?
と考えたわけです。


吹き抜けの先の北側の屋根面に開閉可能なトップライト(天窓)を設けたことで、 夏期には
暑い空気を屋根面から排出されることになります。

煙突効果と言って、高低差が大きいほど排出効果は高くなるわけですが、暑い空気が
上部から抜けると室内は負圧になり、ファンなどを設けなくてもリビングの地窓から中庭の
涼しい空気を採り込んでくれるのではないかと期待しています。

 

暖まった空気が吹き抜けを通して、上の階に抜けるのは自宅で確認していますから、それを
もっと効果的に活用しようという試みです。 
窓サッシが入り気温が上がってくれば、完成前でも効果を感じることができるはず。

さて、僕らの思惑どおりに空気は動いてくれるでしょうか? 
乞うご期待!


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ゼロエネ住宅も低炭素住宅も断熱性能がキモ [ ・ホームシアターの家]

天竜杉で作る、ホームシアターの家は、平成24年度国交省補助事業の採択を受けた
ネット・ゼロエネルギー住宅(ZEH)であり、認定低炭素住宅でもあります。

現在、住宅の断熱工事は任意で行なうことになっていて、例えコンクリート打放しの
無断熱住宅でも法的には問題はありませんが、2020年に政府は断熱工事だけではなく、
年間の一次エネルギー消費量の算定を行ない、目標値以下にすることを義務付けする
ことにしています。


建築行政ではこれを、「2020年省エネ基準適合の義務化」と言っていますが、
要するに2020年には次世代省エネ基準相当の断熱性能を確保しないと、新築できない
ということを意味します。

 

「2020年ならまだ6年もあるじゃん!」

って思ったそこのあなた。

省エネ基準適合義務化のための施策はすでに打たれていて、それが認定低炭素住宅
ですから最低でも、熱抵抗熱貫流率一次エネルギー消費量はもちろん、
外皮平均熱貫流率冷房期平均日射熱取得率のキーワードくらいは
一般の方にわかるように説明できるようにならないと慌てると思いますよ。

と言う私自身も、昨年から重い腰を上げて勉強し始めたところですけどね・・・(笑) 

 

複雑で面倒ではありますが習うより慣れろって言葉通り、1物件こなしてみると何となく
わかってくるものです。
(あっ、「完璧にわかった」とは言っていませんからね!) 


前置きが長くなりましたが、そんなわけで今回は断熱工事についてです。 

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■床断熱の状況
ゼロエネ住宅の断熱性能は、平成11年基準を元にしたQ値計算でOKなのですが、
私達では計算できなかったため、名古屋のplusgateさんに依頼しました。

plusさんからのご提案で、床と屋根の断熱材には熱伝導率が最も小さい(=高性能)フェノバ
ボードを採用しました。
壁断熱は、施主からの要望でパルプファイバー吹き込みとしてQ値計算をし、
Q値2.1W/㎡・Kとしました。 
当初は1.9W/㎡・Kを目標としましたが、ちょっと無理でした・・・。

 

写真は、床の大引き間にフェノバボード50mm厚を2層敷きこんでいるところです。
フェノバボードは、一般的なグラスウールの倍以上の断熱性能があるため、100mm厚だと
グラスウール換算で210mm厚相当になりますね。 

大工さんによると施工性もすこぶる良いようで、仕上がり状況をみても高い断熱性能を
得られそうな気がします。 


この家の断熱性能は我が家の倍以上あると思いますから、その性能差を実体験し、
次に活かしたいものです。


それと誤解の無いように付け加えさせていただきますが、断熱性能を向上させる目的は
暖冷房をガンガン使うためではなく、極力自然エネルギーを活用して、空調設備に
頼らなくても健康で快適に暮らせる住まいを実現するためですよ。

 

そのための楽しい工夫や取組みを積極的に取り入れています。 

一年を通して、
一次エネルギーを極力使わずにどれだけ快適に暮らせるか?

今からドキがムネムネしています♪


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普通の住宅地にちょっとわけありな外観 [ ・ホームシアターの家]

仕事の日曜日、昼食を食べに出たついでにちょっと現場へ立ち寄り。
土曜の夕方も打合せ前に立ち寄りましたが、天気が良くて気持ち良かったのでつい(笑)
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■オーナーが帰宅する際の見え方
外部には耐力面材が張られて建築のボリュームが明確になってきましたね。

プランをする際、家の中の使い方と同時に深く意識するのが街への映り方です。
この意識はランドスケープデザインをしてきた経験が一番大きいと思いますが、
オーナーのご家族が胸を張って帰ることができる家になって欲しいと思います。

「敷地を読み解く」と言い切るほどにできているわけではありませんが、経験を
重ねる度にステップアップできるよう常に意識しています。


昼食のついでに立ち寄っただけですから、車を停めて足早に現場へ向かうと
散歩中と思しきご年配のご夫婦が、建物の前で指をさしながら興
味深そうに何やら
話し合ってらっしゃいました

 

「何か気になることありましたか?」とお声掛けすると、

「斜めを向いていて変わっているなぁ」とご主人から言われました。

「真南に向けて太陽光を有効に活用しているんですよ」とご説明すると

「ハウスメーカーじゃなくて地元のデザイナーが入ると良いね~♪」とのこと。

 

僕がデザインする以上、動線や性能などの機能と内装の色や材料の魅せ方などの
インテリアを作るだけではなく、町並みを良くしたいと思っていますから、
こいう評価は嬉しいものですね。


他の家との違いはハッキリわかるけど、ヘンチクリンで地域に受け入れられなくては
ならないと思います。


デザイン当初から、建物配置を45度振るだけでも、殆どの方が違いに気付くはずだし、
機能的な合理性もあったため、この点ではオーナーも当初からの方針を曲げずにいてくれた
からこそ、このプロジェクトは成功に近づいていったと言っても過言ではないでしょう。


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ルーフバルコニー部分の木工事 [ ・ホームシアターの家]

今回はルーフバルコニー部分の木工事についてレポート致します。

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■ルーフバルコニーの木下地工事
ルーフバルコニーとは読んで字の如し、屋根上にあるバルコニーのこと。
ではバルコニーとは何かと言うと、建物の外部壁面部分に張り出した手すりつき
スペースのことで、イタリア語のバルコンから由来するそうです(by Wikipedia)。

 

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■切り妻屋根との納まり
屋根の上にバルコニーを作るのではなく、バルコニー自体が屋根の一部になるため、
合板の上にケイカル板を敷いて下地にし、FRP(えふあーるぴー)防水を施します。

 

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■棟梁の鈴木さん
ひなたCAFEもそうですが、難しいけど面白そうな仕事は鈴木棟梁に依頼する
ことが多いです。
うちの娘達が赤ちゃんだった頃から知っているため、とても可愛がってくれます。

FRP防水の工事は防水工事の専門職人さんにお願いするのですが、こちらもご他聞に
もれずメチャクチャ忙しいそうで週明けの作業になるため、週末の雨予報に備えて
ビニールシートで養生をしていました。 

 

週末は、お施主さんを交えてホームシアター関係の打合せを予定しています。
スピーカー配線、機器の配置、コンセントの数は勿論のこと、電気の専用配線など、
こだわりの箇所を全員で共有して今のうちに問題をつぶしておきます。


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地味だけど大切な水道屋さんの仕事 [ ・ホームシアターの家]

雨降りの日曜日、昼前に現場へ立ち寄ったところ、水道屋のかまっちゃ
一人黙々と作業をしていました。
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■給排水衛生工事の鎌田さん
ペンとノートで書いているのはきっと排水管の勾配計算でしょうね。
トイレ、洗面、洗濯機、お風呂、キッチンに水とお湯を送り、使ったお湯や水を
排水管に流します。 

給湯機につなげる水道管や給湯管の他にも、外部に埋設する雨水管、散水設備も
水道屋さんの仕事。


地味で目立たない仕事ですが、生活に無くてはならないとっても大切な仕事です。

 

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■納戸の下にも給排水管
水道や給水は圧力で押しますから、これ位なら配管勾配を考える必要はありませんが、
排水は自然流下が基本ですから、 発生する水量を考えながら排水勾配と
排水経路を考えるそうです。

公共事業、特に土木やランドスケープの工事は、対象面積が広いですから、
配管径や勾配の設計を間違えるとオーバーフローしたり、水がスムーズに流れず
水たまりが出来て大変なことになります。

 

水道屋さんの仕事を見ていたら、つい昔のことを思い出してしまいましたが、
丁度、知りたいことが幾つかあったので、仕事の邪魔をしない程度にアレコレと
質問させていただきました。

う~む。。。

単に技術とか知識ではなく、それ以前に施主や使う人への愛情を感じました!


安く作るだけなら作業性材料の少なさだけを考えれば良いですけど、
お湯の使用量を減らすように配管を工夫したり、お風呂とキッチンの違いによって
排水管の経路を変えているとは思わなかったですよ。

どんな世界でも深いわ~♪ 


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上棟中にお隣の方から設計を褒められた件 [ ・ホームシアターの家]

上棟日の朝、現場に祝い酒を持って立ち寄ったのですが、工務店さんからとても嬉しい
お話を聞きました。

工事中、東隣の方がいらして骨組みだけの現場を見て

「これは良い設計だ!」と褒めてくださったそうです。 


隣人の方が褒めてくださった点というのは、間取りでもデザイン(外観)でもなく、
お隣の庭に日光が差し込み、窓からの眺めが良くなったことだそうです。

3階が建つと言う事でかなり心配をお掛けしていたのでしょう。
本当に申し訳ないと思いましたし、工務店さんに迷惑がかからなくて良かったと
思っています

 

それだけに日差しを遮らないことがわかり、ホッとして冒頭のようなお褒めの言葉を
かけていただけたのだと思いますが、それを理解いただくには、基本計画時に制作した
スタディ模型をご覧いただくのが良いでしょう。 

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■南西側からの外観
この模型は第2案の1/100スタディ時のものです。
基本設計、実施設計と進む中でディティールや非居室のレイアウトに若干の変更が
あるものの、配棟やゾーニング、各階の高さ設定もそのまま踏襲されています。

建物の配置は、太陽熱を効果的に採り入れるため、敷地に対して45度右に振り、
南側の低層部にはホームシアター兼用の大きなLDK、北側には半間だけ重ねて
コンパクトな3層のボリュームを配しました。

 

第一案のプレゼン後の打合せで、奥様が僕に切々と訴えられた翌明け方に閃き、
一気にスタディしてまとめたアイディアでした。

その後、打合せを重ねる中で第3案、第4案、第5案とその派生系を含めて考えつく
限りのスタディを致しましたが、結局、第2案を超えるものがなく確定するところと
なりました。

 

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■北西道路側からの俯瞰
計画地は北西側の6m道路で接道し、ほぼ正方形に近い形状、南側の雑木林、北側の
桜並木を望める立地条件をお施主さんが一発で気に入り、この土地を購入されることに
なりました。

購入前は、2階建てのアパートが左側の壁沿いに敷地いっぱいに建っていたため、
お隣の方は窓を開けてもアパートの背面しか見えず、とても辛かったそうです。

 

本来、設計者としてはこれらの要件を折り込んで計画すべきですから、今回のお褒めの
言葉はあくまでも偶然であり自慢できるようなものではありませんから反省し切りです。

しかし、自然の摂理に純粋に従っていった結果でもあり、その意味ではとても良い経験を
させていただいたと思います。

 

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■道路北側からのアイレベル
道路側からどう見えるかを検証するため、カメラをアイレベルに下げて撮影しました。
家に帰ってくる際にどう見えてくるかがわかりますよね。

 

元ランドスケープデザイナーとしては、この建物が建つことで景色がどう変わるかを
常に意識して計画しています。
この時は、本当にこういうプロポーションで目に映るかがとても気になっていましたが
上棟時の様子ではイメージ通りで取り敢えず「ホッ!」としたところです。 


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無事、上棟しました! [ ・ホームシアターの家]

「ホームシアターの家」改め、「天竜杉で作る、ホームシアターの家」
本日、無事上棟致しました♪
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■3階で上棟式
施主のご主人は北海道札幌市のご出身。
浜松ご出身の奥様のご家族が多数列席されて上棟を祝っていただき、工事の安全を
祈念していいただきました。

 

現在、僕自身かなり忙しい状況でして、2月いっぱいはお休みも取れなさそうな雰囲気
ですから、しばらくは「ホームシアターの家」の進捗を中心に丁寧に綴っていこうと
思います。


そんなわけで、本日は上棟式の様子です。

 

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■お神酒の用意をする鈴木棟梁
今回の現場は難しい局面が想定されることもあり、ひなたCAFEを建ててくれた鈴木棟梁の
スケジュールに合わせてゼロエネ補助金の申請、低炭素住宅省エネ等級4の認定を
進めて参りました。

ゼロエネ住宅、低炭素基準、省エネ等級4はそれぞれ異なる技術基準での検討と
審査を同時並行で進める必要があったためかなり大変でしたが、
それでも関係者全員の多大な協力により、期限いっぱいで終えることができ、
無事年末の着工に漕ぎ着けることが出来ました。

 

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■上棟式
工事の安全を祈願して、施主と棟梁が神様に祈願をします。
地鎮祭や上棟式は何回立ち会っても身が引き締まる思いがするのは、やはりどの
建築主にとってはほぼ初めての大事業だからでしょう。

 

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■建物の四隅にお米を撒く棟梁
どれほど場数を踏んだベテランの職人さんと言えども、やはり現場は生き物。
現場は何があるかわかりませんから、神様にも最大限の配慮を願うのも
わかるような気がしますね~。

 

さて、上棟式も無事済みましたので今回は象徴的な3階部分の画像をアップして、
終わりたいと思います。 

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■真南に2寸勾配の屋根
大きく張り出した軒先が印象的でしょ?
軒の出は、太陽高度が一番高い夏至ではなく、夏の暑さが最も厳しい時期に合わせて
日射を切れるように決めました。

 

次回はこの建築の形配置計画がほぼ確定した基本計画時のスタディ模型
公開したいと思います。 


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基礎工事と施主のこだわり(その1) [ ・ホームシアターの家]

「ホームシアターの家」は基礎のコンクリート型枠が外れ、1階の平面が形に
なってきました。
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■基礎全体
個人住宅ですから詳しい間取りの解説は致しませんが、お施主さんの住まいに対する
こだわりがこの段階でもしっかり反映されています。

 

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■布基礎一体打ちの基礎
最初から一体打ちを指定されたわけではありませんが、 お施主さんが求めているのは
日常の生活における機能性とオリジナルの意匠(デザイン)、そしてハイレベルの品質を
最適バランスさせること。

言葉で書くと簡単ですが、数値目標なんてありませんから、長時間の打合せはこのレベル
合わせのために費やしたと言っても過言ではありません。


コンクリート基礎の品質とは、強度と耐久性、寸法精度のこと。
基礎天端のレベル(高低)差が水平に近ければ近いほど、その上に作られる木構造も精度
が出てきます。
木工事を担当する大工さんは、こういう基礎を見ると気が張ってきますから、
無言のプレッシャーになりますよね~(笑)

 

そして、この家の設計は「ホームシアターの家」としてスタートしました。

ホームシアターの一般的な定義は、大画面モニターと音響システムとなりますが、
この家では120インチのプロジェクタースクリーン9.2chの音響システムですから、
ミニ映画館並みのホームシアターになります。

 

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■シアターゾーン
本格シアターを求められるコアな読者のために参考として記事にしますが、
日本のホームシアターユーザーでここまでされる方はなかなか少ないと思います。

まず、120インチスクリーンに向かって立っていると想像してみてくださいね。
外壁側から2つめの布基礎部分がスクリーンの位置ですが、スクリーンの背後に
変形四角形の空間がありますが、ここが何の空間かわかりますか? 

 

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廊下形状のこんな空間です♪ 

「収納」や「納戸」と思った方が多いと思いますが、ホームシアター機材のメンテナンス
スペースなんです。

スピーカーだけでも9.2chですから、11本ものスピーカーが座席の周りに配されます。
つまり11本ものスピーカーケーブルの他に、Blu-RayプレーヤやLANなどの信号ケーブル
さらに各機材へ電源を供給するための100Vケーブルが配線されるわけです。


ホームシアターをされると大量のケーブル処理とホコリ対策に悩まされるわけですが、
これだけの空間があれば、お掃除も配線作業も楽々できますよね。

我が家のホームシアターにはこんな空間はありませんから、メンテナンスのたびに
何キロもあるAVアンプを引きずり出して、作業しなくてはなりませんから普段はとても
やろうとは思いません。

 

また、機材のメンテナンス空間だけでなく空き箱の収納場所にもなりますし、
音の響き過ぎを調整するための調音空間としても機能させようと思っています。 

これらをホームシアター専用空間ではなく、日常で使えるリビングシアター
実現させることが最初に求められたことでした。


9.2chの音響体験は画像ではお見せできないのが残念ですが、完成後の視聴会で
僕自身が体験した印象をレポートしたいと思います。


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