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断熱性能の見える化とエアコン能力の提案 [ ・薪ストーブのある家]

昨年2月の初回面談から始まったプロジェクトも1年を過ぎましたが、設計も
佳境に入り、工務店さん2社へ合見積りをお願いしていたものが出揃うため、
クライアントさんとの打合せに入ります。

しかし、予算がなかなか厳しいこともあり、同時にコスト調整要素を検討中。。。

今回のクライアントさんは、当初から「性能が欲しい」とハッキリ要望されて
いることから、耐震性能はもちろん省エネ性能についても意識した設計を
心がけていました。

DSCF6674.jpg
■省エネ性能検討資料
今回は、Ua値0.6を超える性能を目標に据えて設計しているわけですが、
その理由はもちろんですが、その結果どのような住まいになるのかを一般の方が
わかるように意識した資料を作成しました。

 

DSCF6676.jpg
■部位別の熱損失構成比
例えば、こんなのです。
Ua値で求められるのは「家全体の平均値」ですから、屋根や天井、東西南北の
壁の方位別で熱損失の割合を示してみました。

こうすることで、どこが寒いのか、どこが暑いのかが判るはずです。

 

DSCF6677.jpg
■空調設備の能力算定
これまで空調設備は感覚的に選んできましたが、外皮性能が算定できる
ことから、空調設備の適正な能力を算定してみました。

理論的には、10畳用エアコン1台で全館空調が出来る外皮性能があることが
わかりましたが、最も小さな6畳用のエアコンを各階に1台づつ設けることで
済みそうです。


積算段階では、Ua値0.56としていましたが、コストダウン案として断熱性能の
低減案として更に2案の比較設計を行ないました。
もし、予算を超える場合は外皮性能をどこまで下げるかが課題になることから、
あらかじめ試算をしておくこととしました。
 


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BELS★5つを目指して外皮計算 [ ・薪ストーブのある家]

現在計画中のOG様邸の状況は、予算調整のため延べ面積を見直すことになり、
各部を細かく調整しておりましたが、概ね方向性が固まったことから断熱仕様を
固める段階となりました。

今回のプロジェクトでは、住宅ストック循環支援事業の「エコ住宅への建替え」が
適用できそうなことと、性能の高い住まいを要望されていることから経産省のZEH
補助金の採択基準である、外皮のUA値で0.6以下目指すことにしました。

それによって、断熱性能ηA値を極力低減した外皮性能とすることで、標準的な
住宅設備を採用しながらも、余裕でBEIを0.8以下としてBELS★5つをクリアし、
補助金50万円を得られるようにしたいと思っています。

DSCF6320.jpg
■外皮面積計算の根拠図
外皮性能の初回チェックを市販ソフトで簡易に行なった後、一次エネ計算を実施し、
余裕が見込めることを確認したところで、断熱仕様案を決めて各部の詳細検討に
入りました。

外皮性能の要件からプランを変更する必要がないことが確認できたことから、
BELS認証用にエクセルを使った計算書に着手したところ、さらに性能に余裕が
生まれてきました。


さらに、外皮性能から空調設備の必要能力を検討すると、2.2kwの6畳用エアコン
が1階と2階それぞれに1台あれば定格運転で全館空調ができると言う結果に

「ん?本当か…。」 

とにわかには信じられない状況です(笑)

 

計算上ではそういう結果になるため、クライアントに説明した上で能力不足に
対応できるように備えた提案をしたいと思っています。 

この結果は、夏には明らかになると思いますから、報告を楽しみにしていて
下さいね~。
 


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基本設計の初回打合せ [ ・薪ストーブのある家]

新プロジェクト「ふつうの家」は、基本計画の完了が8月上旬。

夏季休暇直前に基本設計に入る前の打合せを行ない、1ヶ月程度の作業時間を
いただき、 基本設計の初回打合せを行ないました。

DSCF5401.jpg
■1階平面図抜粋
Plan1で最初に提案した南に面した浴室と近接して設けたサンルーム。

共働きの忙しい奥様のために、家事動線を短くし、効率的に行なって自由な時間を
創出しつつ、毎日の入浴を楽しめるように計画しました。 

 

また、通常浴室は北側に配置されることが多いため、暗く、寒くなりがちですが、
お日様の光を採り入れて、明るく暖かく、常に乾燥させておき浴室掃除の手間も
削減することができるでしょう。

 

その上で、耐震性能、十分な断熱性能を満たし、普通に快適な日常を過ごせる
ように配慮しました。

この後、基本設計を進めて概算工事費を見積り、仕上げ材や設備のグレードを
詰めて行くことになりました。

 

多少ゆっくりですが、1歩1歩確実にクライアントの夢実現に向かっています。 


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【検証】 2階から富士山が見えるだろうか? [ ・薪ストーブのある家]

「普通の家」プロジェクトは、基本計画としては一旦フィックスし基本設計に移行することに
なりました。

基本計画を進めて行く中で、プランの後半でクライアントからいただいた質問に、

「この土地は2階から富士山が見えますか?」

と言うものがありました。

クライアントとしても優先度は低く、直接プランに影響しないものとして計画を進めていましたが、
基本計画が終了したことで、検証に入ることに致しました。

 

DSCF5221.jpg
■検討資料
「どのようにやろうか?」と思案していましたが、まずは計画地の緯度経度、標高を
調べ、視距(しきょ)が確保できるかどうかの検討を致しました。

手描きメモをCADに入力し、データを一度整理したのがこの資料です。

 

DSCF5222.jpg
■資料のアップ  ※資料の緯度経度データはダミーです。
視距とは、道路設計の際に用いる専門用語で、いわゆる「見通し距離」のこと
ですが、「目標物が見える」こととほぼ同義だと思います。

ところで、クライアントが言葉にする「見えるか?」とは、「富士山のどこか一部が見える」
と言う意味ではありません。

この場合は、「景色として見えるか?」と言う意味ですから、単に視距が確保される
だけでなく、「富士山と言う対象物」が認識できるように視野角が確保されることを
言います。 


ここからはまだ確信に至っていないところですが、手計算で概略チェックしたところ、

「案外見えるかも?」

と期待が持てそうですから、次回の基本設計の打合せまでに検証を済ませて
おきたいと思っています。 


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「ふつうの家」Plan6の模型制作 [ ・薪ストーブのある家]

「ふつうの家」と言うコンセプトで計画を進めている新プロジェクト

お施主さんと打合せを重ねるにつれて、何でもない「ふつうの生活」、ありふれた
「ふつうの幸せ」を追求してみたいと思うようになりました。


そんなわけで、 「○○がある家」とか「△△ができる家」など強い主張があるのではなく、
ごくごくふつうの日常の生活を快適に過ごせることが家づくりの目標となりました。

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■ふつうの家/Plan6-B
初回案のPlan1から始まり、Plan2、Plan3、Plan4-A、Plan4-B、Plan5と
スタディが進み、ようやくPlan6で基本計画の方向性が定まってきました。

嬉しかったのは、Plan4とPlan5を提示、家族会議で検討した結果を知らせる
メール文の最後に加えられた言葉。

「良い家になりそうです!」

プランを重ねることで、お施主さんの中に生活のイメージが固まっていき、理想系と
思えるプランになってきたそうです。


これから基本設計に入るわけですが、構造、設備、内外装仕様はもちろん、断熱性能
しっかり検討し、住み心地の良い住まいに導きたいと思います。 


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1stプラン提示 [ ・薪ストーブのある家]

初回面談後、計画地の基礎調査を行なった後、僕の頭の中のイメージを形にしました。

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■1stプラン模型
あくまで僕の場合ですが、1stプランで決まることはまずありません。 
しかし、1stプランはお互いの合性を確認する上でとても重要です。

設計作業を僕は良くゴルフに例えるのですが、設計者をゴルファーだとすると
施主はキャディーさん。しかし、ゴルフと違うのは雇い主はキャディーさん。 

しかも、ゴルファーは目隠しされた状態で、キャディーさんの言葉の指示だけで
カップを狙わなくてはいけない。


キャディーさんの指示が判りやすいかどうかは別としても、第一打目の様子で今後も
パートナーを組むかが決まり、第一打が大OBだと二打目はありません。
最低限、第一打目でカップの方向へ飛んでいることが最低条件だと思って、最初の
提案に臨みます。

 

今回は要求の90%は満たしていると確信していましたから、1stプランで「ワンオン」
を目指していました。
さすがに、ホールインワンは無いと思っていましたが、平面図が出来た時は「ワンオン」
は狙えるんじゃないかな?」と思えていたため、ラフ模型ですがある程度作り込みは
したつもりです。

 

DSCF3243.jpg
■庭のピザ釜とアウトドアテーブル
楽しそうな生活がイメージできる部分は特に意識してみました。

予算ありきで確実に出来たとしても、「ワクワク」しないと今後の打合せが楽しめません。
また建物が完成した後は、現実の生活が待っていますから、この段階では
「この住まいが欲しい!」と思ってもらえることが一番重要だと思っています。

 

初回プレゼンの印象は、「このまま建てても良いと思います」と言っていただきました。 

しかし、幾つかの不安が解消されていないため、この案が妥当かどうかはまだ
判断をし兼ねているようでした。
中々難しい要求でしたが解決案を考えて可視化し、最善案に導いていきたいですね。 


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現地調査 [ ・薪ストーブのある家]

初回面談では、自邸を見学をいただきながら「家づくり」の考え方について
2時間程度お話ししたのですが、

「今、最も依頼したいと思います」

と言っていただけました。

「では、一度ファーストプランを描いてみますから、それでご判断下さい」

と言うことで、土地の資料を後ほど送っていただき、言い足りない要望を思いつくまま
にメールしていただきました。 


これらから希望されている生活シーンや未来像をイメージし、現地に身を置いて
空間を重ね合わせていきます。

DSCF3151.jpg
■計画地からの眺め
最も静岡らしい茶畑のランドスケープ(景観)ですよね~♪
周囲をぐるりと茶畑に囲まれたこの土地には、どんな空間があれば毎日が
楽しく気持ち良く暮らせるのか想いを馳せます。

「あっちの景色も、こっちの景色も良いなぁ~」

「この土地のどこを気に入ったんだろう?」

などとあれこれ考えながら、季節の変化だけでなく、朝から昼、昼から夕方、
夕方から夜への変化をイメージしました。


選択肢は無限にあるわけで、土地及び予算の条件施主要望が交わる部分を
イメージし、さらにその先の提案を考えていきます。 

 

「設計」とはすなわち「考えること」ですが、これから何十年も住み続けながら家族を
育む場所となるわけですから、深く考えておかなければならないと思っています。 


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家を「買う」のか「建てる」のか? [ ・薪ストーブのある家]

先日、家づくりを考えているOさんご夫妻と初めて面談させていただいた際、
最初に家を「買う」と「建てる」の違いを説明させていただきました。 

「家を買う」とは、完成した家を買うことだったり、プラン(平面計画)を選んで外壁や
壁紙の色を選ぶと言った、決められた選択肢の中から選ぶことであり、面倒なく
手っ取り早く住まいを手に入れることができる手段のこと。

一方、「家を建てる」とは、どのように暮らしたいかを中心に住まいを造る手段
のことと、僕の考えをご説明致しました。


今回ご相談いただいたOさんご夫妻のご意向は、「家を建てる」方と言うことで
まずは初回案を作らせていただくことになりました。 

 

僕が得意とするのは、クライアントがどんな生活シーンをイメージされているのか
会話の言葉からかなり忠実に再現できることであり、それであればこんな空間
だったら実現できるのではないかと考えることです。

僕の役割は、クライアントが想い描いた家になるように導くための水先案内人
のようなものですから、予算や状況を睨みながら必要なパートナーと協働して
クライアントの家づくりを成功に導くことになります。 


毎回、確証があってやっているわけではありませんが、クライアントの夢や目的が
明確であり、現実的な予算が確保されていれば必ず着地点は見出せると思っています。 

僕を推薦して下さったクライアントOBの期待を裏切らないためにも、クライアントが楽しく
暮らせて愛着を持て、家を所有することで人生がステップアップできるような住まいを
考えたいと思います。 


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